2023年12月22日金曜日

第9回 中期ビザンティン美術(2)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座 今回は中期ビザンティン美術(2)でした。

 ギリシャのオシオス・ルカス修道院を例にとって、内部装飾について、パントクラトールのキリスト(父なる神)、聖霊降臨(聖霊)、玉座の聖母子(子なるイエス) と三位一体の表現が空間の中で示されていると教えていただき、驚きました。

このような内部装飾(一番上にパントクラトールのキリスト、周りに預言者、順番に聖霊、聖母子)は 東方のギリシャ十字架型の建築では同じようなパターンで繰り返し表現されていったそうです。そしてこれは写実的表現ではなく、超越した存在、空間の表現です。

年号や建築のプラン、建築内部での装飾の配置なども講座の中で説明していただいています。


オシオス・ルカス修道院
   Hans A. Rosbach, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons


オシオス・ルカス修道院
Hans A. Rosbach, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons


オシオス・ルカス修道院
Berthold Werner, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons


オシオス・ルカス修道院
Hans A. Rosbach, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

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2023年12月15日金曜日

第8回 中期ビザンティン美術(1)

松浦弘明先生の西洋美術史講座 今回は中期ビザンティン美術(1)でした。

キリストの顔立ちの表現が 今私たちが思い描く正面向きのひげのある大人のキリストの風貌となっていく過程がありました。

手本の形となるようなギリシャの彫刻、神があったのですね。

ただし、ビサンティン美術では彫刻、丸彫りで表現されたものは一旦なくなります。


善き羊飼い
3世紀
バチカン美術館
Vatican Museums, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


善き羊飼い
ガッラ・プラチーディア教会(423-450年頃)
Petar Milošević, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で


サン・ヴィターレ聖堂 アプス
547年頃
楽園のキリスト
© ホセ・ルイス・ベルナルデス・リベイロ


サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂
560年頃
© José Luiz Bernardes Ribeiro

ユピテル
250年頃
ルーブル美術館

聖なる形のマリア像、教会の形、教会内部の装飾、そして聖像破壊運動(イコノクラスム)などについてもお話がありました。

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2023年12月8日金曜日

第7回 初期キリスト教美術(3)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は主に東ローマ帝国下に建てられたラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂(547年)についてでした。

これまで見てきた ガッラプラチーディア廟堂(5世紀前半)、サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(493年頃)との比較もあり、キリスト教が人々に広まっていく過程での教会装飾、教会で行われていることと求められ描かれている画像との関連性、キリストの人間性、神性、図像の意味することなど気づかされることが多くありました。

451年のカルケドン公会議にてイエスの神性、人間性の両性が認められたとのこと、こういう宗教会議が表現の変化にかかわっているのですね。


サン・ヴィターレ聖堂 アプス
Wwikiwalter, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で


ガッラプラチーディア廟堂との比較がありました。


善き羊飼い
ガッラ・プラチーディア教会(423-450年頃)
Petar Milošević, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で


サン・ヴィターレ聖堂 アプス
楽園のキリスト
© ホセ・ルイス・ベルナルデス・リベイロ

善き羊飼い と 楽園のキリストを比べながら解説していただきました。


また、サン・ヴィターレ聖堂 アプスは 「聖餐」の儀式の場所。

聖餐に関連つけられたテーマに沿って描かれているそうです。

パン(聖体)が入れられる器を持っています。

サン・ヴィターレ聖堂 アプス
皇帝ユスティニアヌス
Carlo Pelagalli, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

植物など ほかの細部についてもいつまでも見ていたい美しいモザイクです。


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2023年12月1日金曜日

第6回 初期キリスト教美術(2)

  松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は初期キリスト教美術についての2回目でした。

聖堂装飾の目的は聖書の内容を教会に集まる人々に教える、ということです。


ガッラ・プラチーディア廟堂(5世紀前半)
画像はbyイスパロワ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

すべて美しいモザイクであらわされています。

上掲の水瓶は教会、鳩は信者を意味しています。

また、聖人の物語もあります。


サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(493年頃)
Ввласенко, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons



東ゴート王テオドリクスの統治の時代のサンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(493年頃)ではイエスの奇跡の場面など、イエスの物語が取り上げられています。

サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(493年頃)
画像はLeon petrosyan, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

上部に物語がモザイクで描かれています。
井戸のサマリア女、姦淫の女
姦淫の女 右の三人はユダヤ人
画像はセイルコ, CC BY-SA 3.0, da Wikimedia Commons

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