2022年5月27日金曜日

第5回 レンブラント『夜警』『自画像』

 西岡文彦先生の西洋美術史講座、今回はレンブラント。けれど、お話はラファエロから始まりました。

「レンブラントのその時代のその世界に身を置いてみる。レンブラントも現代の私たちと同じようにいろいろなことで悩みながら生きていた。それがわかると画家がずっと自分に近くなる。」

レンブラントの時代では「ラファエロ」がどんな画家よりも敬愛されていました。ラファエロの絵画がなによりも素晴らしいと考えられていたそうです。

また、バルダッサーレ・カスティリオーネの著した「廷臣論」という本が大ベストセラーだったそうです。そこには 「いつも泰然自若としていて努力のあとを見せない」のが尊敬される貴族のあかし、といったことも書かれているそうです。


ラファエロ
1514–1515年
バルダッサーレ・カスティリオーネの肖像
ルーブル美術館

レンブラントは1939年、アムステルダムで競売にかけられていたこの絵画をスケッチしています。このころの人生は絶頂期。

バルダッサーレ・カスティリオーネの肖像
1639
レンブラント
ウイーン アルべルティーナ


レンブラント
石の敷居に寄りかかる自画像、
1639年
エッチング、ワシントンDC国立美術館

レンブラントの自画像からは本人の心情がうかがえます。レンブラントの生活と重ね合わせてみます。


自画像
レンブラント
1640
ナショナルギャラリー、ロンドン

1669年レンブラントは貧困のうちに没します。

1669年付けの63歳の自画像
レンブラント
ナショナルギャラリー、ロンドン



その時代のこと、ルネサンスとのかかわり、『夜警』、レンブラント光線についてなど いろいろなお話を伺いました。


次期 秋の講座を企画中です。

今回のようにZOOMでの配信も予定されています。

自宅からも受講できますので

遠方の方も次期講座を楽しみにしてください。


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2022年5月20日金曜日

第4回 ミケランジェロ『天地創造』『最後の審判』

 西岡文彦先生の西洋美術史講座、今回はミケランジェロを通していろいろ美術や画家たちを見つめるヒントをいただきました。

石工、画工、画家 ギルドの世界。

噓が本当のように描かれているところ。マリア様がもし立ったら身長が高すぎの人になる。

サン・ピエトロのピエタ
ミケランジェロ
1498年 - 1500年、サン・ピエトロ大聖堂


ミケランジェロのデッサン力。マサッチオをお手本に。ミケランジェロ13歳。

貢の銭・ペトロと収税吏
マサッチオ 1420代
ブランカッチ礼拝堂

ミケランジェロ
1488年から90年頃。
ミケランジェロによるデッサン
Staatliche Graphische Sammlung、ミュンヘン

そしてシスティーナ礼拝堂。絵の説明もいろいろしていただきました。

システィーナ礼拝堂
バチカン


ミケランジェロの作品、システィーナ礼拝堂の天井画は当時から多くの人が見ている有名なものです。ミケランジェロの構図、形を基にした多くの作品があります。知っていれば「これと同じ!」と気が付くそうです。

システィーナ礼拝堂 天地創造 部分
ミケランジェロ
1536年 - 1541年

十戒(映画)(1956)より

また、ミケランジェロ自身もほかの作品の構図なども参考にしています。

先生にいただいたヒントを基に「ひっかかる」ところがあれば 自分で調べてみてください、なによりも楽しめますよ、とのことでした。

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2022年5月13日金曜日

第3回 ボッティチェリ『春』『ヴィーナスの誕生』

 西岡文彦先生の西洋美術史講座、第3回、今回は ボッティチェリ『春』『ヴィーナスの誕生』を取り巻くお話でした。

その作品は「誰のため」「誰が見るため」「何のため」と考えると理解が深まりそうです。

★多くの人が見て礼拝するための絵。★

シモーネ・マルティーニとリッポ・メンミ
『聖女マルガリータと聖アンサヌスのいる受胎告知』
1333 ウフィツィ美術館


★当時の銀行(バンコ=机→BANK)の様子★

左側は手形(大金を持ち歩くのを避けるための為替証券)。右側は貨幣での両替。左側の方が上客なので飲み物を出している。

ジョルジオ・キアリーニによる町の市場と習慣の本(1497)

金融業のメディチ家は修道士たちの生活をサポートしていたそうです。そういう点で精神的健康、将来の保証が生まれるとのこと。

★フラ・アンジェリコの受胎告知は修道僧たちが見る絵★

『受胎告知』1440–1445年
フラ・アンジェリコ
サン・マルコ修道院内部

★貴族たちの知的ゲームのための絵★

『春』や『ヴィーナスの誕生』は知的ゲームのための絵と言えます。

この二つの絵については技法も教えていただきました。支持体が変わると描写、技法も変わります。

左:『ヴィーナスの誕生』はキャンバスにテンペラ。

右:『春』はポプラ材にテンペラ。


ボッティチェリ
左 『ヴィーナスの誕生』(1484–1486頃) 
右 『春』(1470年代後半または1480年代初頭)
それぞれ部分拡大

ボッティチェリ
『ヴィーナスの誕生』
1484-1486頃
ウフィツィ美術館


ボッティチェリ
『春』
1470年代後半または1480年代初頭
ウフィツィ美術館

この二つの絵には発注書は見つかっていませんが、美術品発注には「契約書」があって、発注者が画家に絵の内容を指示していたそうです!

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