2020年1月24日金曜日

第12回 アルチンボルド:宮廷の幻想絵画(まとめをかねて)

今回は一度見たら忘れられない変わった絵、アルチンボルド。そしてマニエリスムのまとめでした。
「国際マニエリスム」という言葉を教えていただきました。

アルチンボルドの絵は「珍奇」な印象ですが、絵を「読む」ことができるそうです。
ウイーンのハプスブルグ家宮廷で活躍した彼の作品「四季」。「四大(元素)」。
四季や四大の画題-カレンダー-の中に自分を入れると時間をも支配できる。皇帝は時間と現実世界(宇宙)をすべて支配している。。権力の象徴。
「火」の中には金羊毛騎士団の紋章および「双頭の鷲」などが描かれていてハプスブルグ家の権威の高さがわかります。

この時代、「驚異の部屋」というコレクションの部屋があったこと。
アルチンボルドはミラノ出身。
ミラノではレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿や作品を見る機会があったそうです。先生の画像によるダヴィンチとの比較がありました。
グロテスクな顔。動物。ライオン。アッセの間の葉っぱの様子。


「アカデミア・ディ・サン・ルカ」というローマの芸術の学校の初代校長フェデリーゴ・ツッカロ、Federigo Zuccaro, 1542年/1543年頃 - 1609年のスケッチにはダ・ヴィンチの作品などを画家たちが模写し学んでいる様子がわかるものもあります。

マニエリスムの12回の講座、とても面白かったです。
諸川春樹 先生 ありがとうございました。

次期 2020前期 春の美術Ⅱ講座12回は高橋裕子先生のバロックです。



火 ウイーン美術史美術館

ウェルトゥムスに扮したルドルフ2世
スコークロスター城1590

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来期の受付始まっています。
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2020年1月17日金曜日

第11回 エル・グレコ:マニエリスムの光と影

まず参考文献の紹介がありました。
諸川春樹先生の推薦は
NHK出版「プラド美術館1」異邦人は光を見た エル・グレコ 1992/3
大高 保二郎編著

大高保二郎先生にはこの講座に講師として来ていただいたこともございます。

エル・グレコのスタートはイコン画、細密画家でした。とても本を読んでいる人だそうです。
イタリア時代、トレド時代、晩年、と順を追ってお話を伺いました。
ミケランジェロ、ティントレット、やティツィアーノの影響、
「エル・グレコ」と一見わからないような絵、
明暗を強調し、宗教心をかきたてるような(バロックのはじまりのような)絵、
フェリペ二世にパトロンとなってもらいたいという絵、細密画だったところからの細かさ。
注文者の考えを入れない 自分の思い通りに描いた晩年様式。

魚の口が地獄の入り口であるとか、天使のお話、魂ちゃん、のお話などもありました。
エル・グレコが見ていた絵、参考にした絵との比較もありました。
描かれる人物の背がだんだん高くなっていったこと、マニエリスムの蛇状人体。
風景画、風俗画。エルグレコの絵にはいろんなお話し満載です。

美術の世界はちょっとした知識があると楽しさが広まります。
トレドに行ったときそんな細かいところまで見なかったです。。。
諸川先生ありがとうございます。

2020.4月からの12回講座は学習院大学名誉教授 高橋裕子先生による「バロック」です。
「注文主」と画家との関係などのお話があるようです。楽しみです。

《モデナの三連祭壇画》 1568 エステンセ・ギャラリー所蔵

《聖衣剥奪》 1577-1579 トレド大聖堂聖具室
《オルガス伯の埋葬》 1586 - 1588 トレド・サント・トメ教会所蔵


《黙示録第五の封印》1608-14 メトロポリタン美術館
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