2026年7月10日金曜日

第10回パリの都市改造と印象派の拡がり

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回はオスマンのパリ大改造について、それを描いた印象派たち、と印象派であまり知られていない画家たちの紹介をしていただきました。

パリは上下水道整備、公園の整備、鉄道網、地下鉄などどんどん整備されていって、美しく便利になっていきました。印象派の画家たちの多くが鉄道や駅を描いています。

モネ
サン・ラザール駅
1877
オルセー美術館


カイユポット
ヨーロッパ橋
1877
オルセー美術館

私たちがあまり知らないのだけれども印象派展に参加していた画家たちのお話しもしていただきました。
その人の年譜や仲間との人間関係に思いをはせつつ、絵の紹介をしていただきました。

Beaux-Arts de Carcassonne - Les lavandières - Armand Guillaumin
アルマン・ギヨマン
洗濯場
1927以前
カルカッソンヌ美術館



アンリ・ルアール
フォンテーヌブローの森で
個人蔵

ジャン=ルイ・フォラン
舞台裏のシンフォニー
1900年頃
大原美術館


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2026年7月3日金曜日

第9回 分裂後の印象派

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回は分裂後の印象派、ドガ、およびメアリー・カサットら印象派の主要な女性画家たちについてお話ししていただきました。

まず、ドガについて。

アングルはドガに「線を描きなさい。とにかく線を一本でも多く。」と教えたのだそうです。

光を重視したほかの印象派の画家たちと違い、ドガは生涯にわたってデッサンを重視しました。そんなところから目指す芸術の方向が大きく異なってきたようです。

『ニューオーリンズの綿花取引所』
(1873)
ポー美術館

印象派展5回以降は「線、レアリズムのドガ」と「光の追及(モネたち)」の対立が表面化してきます。サロンに参加したり、印象派展に参加したり各回参加メンバーが変わったとの説明がありました。

その頃活躍していた女性画家についても紹介していただきました。

メアリー・スティーヴンソン・カサット

メアリー・カサット
自画像
1880頃
ナショナル・ポートレート・ギャラリー
メアリー・カサット
午後の茶
1880
ボストン美術館


マネの周囲にはモリゾとエヴァゴンザレスがいました。


ベルト・モリゾ
ゆりかご
1872
オルセー美術館

モリゾはだんだん自分の作風を確立していきます。
ベルト・モリゾ
ダイニングルームにて
1875
ワシントン、ナショナル・ギャラリー


エヴァ・ゴンザレス
砂丘の子どもたち
1878
ダブリン、国立美術館


エリザベス・ガードナー
鳥の巣(森の中で)
1889
個人蔵







この時代、大変な才能があっても「女性画家」として生きる難しさもあったようです。

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2026年7月2日木曜日

お知らせ 2026.後期美術2講座は後期ルネサンス

2026.後期美術2 講座プログラムが発表されました。

オンラインでの申し込みは7月7日からです。


西洋美術史入門 ― 後期ルネサンス絵画の展開 ―

多摩美術大学教授 松浦 弘明

オンライン併用 申し込み、詳細はこちら(リンク)

カラヴァッジョ
聖マタイの召命
1599-1600
サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会、ローマ


【時間】 毎回10時30分~12時00分、

   第6回(12/11)および第8回(1/15)は10時00分~11時30分

   第9回(1/29)は9時30分~11時00分(計12回)

【場所】新百合21多目的ホール (新百合ヶ丘駅すぐそば)

1500年前後にレオナルド・ダ・ヴィンチらによって確立された「美の規範」に対して、16世紀の画家たちはどのように対応したのでしょうか。ローマとヴェネツィアにおける動向を追いながら、後期ルネサンスの絵画史を概観します。


 1 9/25(金) ミケランジェロによるシスティーナ礼拝堂天井装飾(1)

2 10/9(金) ミケランジェロによるシスティーナ礼拝堂天井装飾(2)

3 10/23(金) ラファエッロによる「ヘリオドロスの間」の装飾(1)

4 11/13(金) ラファエッロによる「ヘリオドロスの間」の装飾(2)

5 11/27(金) ティツィアーノの初期活動

6 12/11(金) ティツィアーノの様式変化 

7 12/25(金) ティントレットの初期活動 多目的ホール

8 1/15(金) ティントレットによる聖ロクス信徒会館の装飾(1)

 9 1/29(金) ティントレットによる聖ロクス信徒会館の装飾(2) 

10 2/12(金) カラヴァッジョの初期活動 

11 2/26金) カラヴァッジョの聖堂装飾(1) 

12 3/12(金) カラヴァッジョの聖堂装飾(2)


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2026年6月26日金曜日

第8回 印象派の展開と画家たち

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回は、シスレー、ピサロ、カイユボットについて、普仏戦争、純粋印象派展(第1回~3回、4回)について詳しく教えていただきました。


もっとも典型的な印象派はシスレー と言われますが、生活が苦しいまま生涯を終えます。日本に多くの作品があります。

シスレー
ルーヴシェンヌの雪
1874
フィリップスコレクション

バジールは普仏戦争で亡くなりました。彼が生きていたら印象派のなかで活躍していたことでしょう。戦争では多くの犠牲がありました。

普仏戦争後に描かれたシャバンヌの絵<希望>。 手に花を持っている (シャバンヌは印象派ではありません。)
ピュヴュイ・ド・シャヴァンヌ
希望
1872
ウォルターズ美術館

ピサロはいつも明るい色調。穏やかな人。

ピサロ
ポントワーズのクルミの木
1875
個人蔵

ピサロは点描画も描いています。
ピサロ
エラニーでハーブを集める農婦たち
1886
個人蔵

カイユボットは裕福な家柄で金銭的に印象派の他の画家たちの応援もしていました。

カイユボット
窓辺の若者
1876
ポール・ゲッティ美術館


カイユボット
雨の日のパリ通り
1877
シカゴ・アート・インスティトゥート

そのほかドガやカサットなど印象派展に出展した画家たち、その性格、人間関係、考え、などを教えていただくと、さらに調べてみたい気持ちがわいてきます。
今回 先生に詳しく見せていただきましたが、自分でもゆっくり見てみたい気持ちになりました。


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※ 現在単回受講を受け付けています。
申込 各受講日の7日前まで。
受講料 一回2000円 税込み 当日現金支払い

(オンライン受講はありません。)

詳しくは「かわさき市民アカデミー」ホームページ 単回受講 をご覧ください。
 10時半~12時
第10回 7/10(金) パリの都市改造と印象派の拡がり



2026年6月19日金曜日

第7回 モネと印象派のコアメンバー

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回はモネとジャポニスム、ルノワールの生涯、画家たちが抱えていたジレンマを知る、としてお話ししていただきました。


ジャポニズリーからジャポニスムに変わっていったのですが、

つまり、日本趣味(日本風のものを珍しがり、愛好すること)→表現手法、構図、思想そのものの吸収、画風が変わっていった。ということだそうです。

ジャポニズリーの例。中に日本の美術品などが描かれている。

ジェームス・ティソ
Young Women Looking at Japanese Objects
1869頃
個人蔵

ジャポニスム

歌川広重
六十余州名所図会 
薩摩 坊ノ浦双剣石
ブルターニュ地方にもこの風景があるのだが、画題、構図として日本の浮世絵から着想を得たのではないかとのこと。
モネ
ポール・コトンのピラミッド岩 荒れた海(モスクワ版)
1886
プーシキン美術館

人に興味があったルノワール
光に興味があったモネ

モネ 
ラ・グルヌイエール
1869
メトロポリタン美術館

ルノワール
ラ・グルヌイエール
1869
ストックホルム美術館
このころ 中産階級の「レジャーを楽しむ」ことが一般化した。

ルノワール
舟遊びをする人々の昼食
1876
フィリップスコレクション
ワシントンD.C


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 10時半~12時


第9回 7/3(金)   分裂後の印象派
第10回 7/10(金) パリの都市改造と印象派の拡がり




2026年6月12日金曜日

第6回 印象主義:モネによる一大実験

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回は明治政府と万博、モネの生涯、印象派とは-<モネによる実験> などをテーマに教えていただきました。


ウイーン万博を前に(練習のため)日本でも湯島聖堂博覧会が開かれました。

その後それは国立博物館の基礎となっていきます。


モネの生涯も見ていきました。

モネ
トル―ヴィルの浜辺
1870
ロンドンナショナルギャラリー

↑拡大。砂が付いていて野外でスケッチしていたことがわかる

ロマン主義絵画、クールベのリアリズム、ターナーの即興性、バルビゾン派らの外光志向などが絵に影響を与え、

ブーダンとの出会い、グレール塾での多くの画家たちとの交流などがあったことがわかりました。

絵具の三原色ではなく光の三原色を基にした筆触分割の理論をもとにした虹のパレットの原理を実践しました。「黒い絵の具」を使わないで表現するようになっていったこと、光を木漏れ日のように描くところがモネによる一大実験であると知りました。

モネ
ひなげし
1873
パリ オルセー美術館

モネ
モネ夫人と友人
1872
個人蔵

マルモッタン・モネ美術館の紹介もしていただきました。

もともとは狩猟用の邸宅だったそうです。素敵な美術館です!!

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第8回 6/26(金) 印象派の展開と画家たち
第9回 7/3(金)   分裂後の印象派
第10回 7/10(金) パリの都市改造と印象派の拡がり


2026年6月5日金曜日

第5回 万博の世紀とジャポニスム

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回は「ジャポニスム」とその社会背景、万国博覧会について詳しく教えていただきました。

ジャポニスムのきっかけとしてはペリーが来航し、横浜港が開港したことがあります。そういう中で日本の浮世絵などが紹介されていきます。

横浜異人廓之図
1861
二代目歌川広重
メトロポリタン美術館
Utagawa Hiroshige II, CC0, via Wikimedia Commons

ブラックモンの鴨の版画は日本の花鳥画の系譜です。

フェリックス・ブラックモン
子鴨のいる水辺の風景
1862-3頃
メトロポリタン美術館
(アムステルダム美術館にもある)
Félix Bracquemond, CC0, via Wikimedia Commons


林忠正が執筆した
「Paris Illustre :Le Japon」
1886



ゴッホによる
日本趣味、花魁
1887


林忠正やサミュエル・ビングが雑誌で日本美術を紹介し
廃仏毀釈でいらなくなった大量の仏画仏像などを来日したギメが安値で大量購入したり。
また、万国博覧会の状況も教えていただきました。
いろいろな形で日本文化が世界に知られていきました。
LE JAPON ARTISTIQUE
『芸術の日本:美術と産業に関する資料集』(S・ビング編纂、第20号、1889年)
(美術雑誌)

1873年ウイーン万博日本館内部の様子
田中芳男・平山成信編
墺国博覧会参同紀要 1897より


1900年パリ万博の日本展示

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第7回 6/19(金) モネと印象派のコアメンバー
第8回 6/26(金) 印象派の展開と画家たち
第9回 7/3(金)   分裂後の印象派
第10回 7/10(金) パリの都市改造と印象派の拡がり



2026年5月29日金曜日

第4回 オリエンタリスムと近代日本

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回は「オリエンタリスムと近代日本」でした。

19世紀を通して流行したオリエンタリスム、19世紀半ばからの日本の近代化と西洋美術教育、ジャポニズムの前のシノワズリ、そして水彩画法について教えていただきました。


西洋諸国と中近東とが政治的理由でコンタクトが増え、エキゾチズムを刺激され、画家たちは中近東文化を主題とする作品と描き始めます。

ジェローム
蛇使い
1876
ウイリアムズタウン、クラーク美術館

「タナグラ」はギリシャのタナグラ周辺でBC4世紀ごろから作られていたテラコッタ像。1860頃多く出土する。
ジェロームの自画像ですが、奥にジェロームの「ピュグマリオンとガラテア」の複製がかけられています。代表作ですからね。

ジェローム
タナグラを彫る芸術家


ルノワールもオリエンタリスムの流行に乗って描いています。

ピエール=オーギュスト=ルノワール
アルジェリア風のパリの女たち
1872
国立西洋美術館

19世紀の日本と西洋、西洋に教えを乞うお話もなかなか面白かったです。
イタリアとの関係、美術学校のこと。美術関係の先生はイタリアから招きました。
フォンタネージはしっかりとした美術教育をし、学生から慕われていたそうです。

フォンタネージ

ジェノヴァ、フルゴーネコレクション
Antonio Fontanesi, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

水彩画の歴史も見せていただきましたが、本当に美しいです。

リンディスファーンの福音書
カーペットページ
698年
羊皮紙
大英図書館



ジャン・ド・ベリー公のいとも豪華なる時とう書
獣帯人間図
1413-16



デューラー
子ウサギ
1502
アルベルティーナ美術館 ウイーン



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第7回 6/19(金) モネと印象派のコアメンバー
第8回 6/26(金) 印象派の展開と画家たち
第9回 7/3(金)   分裂後の印象派
第10回 7/10(金) パリの都市改造と印象派の拡がり



2026年5月15日金曜日

第3回 サロンとアカデミーからプレ印象派へ

 池上英洋先生の西洋美術史講座、第3回 サロンとアカデミーからプレ印象派へ と題し、

今回は19世紀の美術を理解するうえで必要な、「サロン」「アカデミー」「ローマ賞」「落選展」「アンデパンダン展」「サロン・ドートンヌ」 と マネについて教えていただきました。

女性の裸体の絵も多く見せていただきましたが、「裸体」ではなくて「ヴィーナス」であったり 変身物語の「ピュグマリオン」だったりであるのが重要のようです。そうでなければ衣服を着ていてもエロチックと判定される絵もあったりするようです。

ウィリアム・アドルフ・ブグロー
ヴィーナスの誕生
1879
オルセー美術館


アレクサンドル・カバネル
ヴィーナスの誕生
1863
オルセー美術館

「ピュグマリオン」は18世紀人気の題材


ファルコネ
ピュグマリオンとガラテア
1763
ルーブル美術館

モデルは<メディチのヴィーナス>

ローラン・べシュー
ピュグマリオンとガラテア
1784
エルミタージュ美術館

マネについては生涯を含め 詳しく教えていただきました。
※ 上のカパネルの<ヴィーナスの誕生>はサロンに通り
マネの<草上の昼食>はサロンに受け入れられませんでした。

Judgement of Paris. Engraving (c. 1515) by Marcantonio Raimondi to a design by Raphael
マルカントニオ・ライモンディ
(ラファエロの下絵に基づく)パリスの審判
1514-16頃

マネ
草上の昼食
1863
オルセー美術館

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第5回 6/ 5(金)   万博の世紀とジャポニスム

第7回 6/19(金) モネと印象派のコアメンバー

第8回 6/26(金) 印象派の展開と画家たち

第9回 7/3(金)   分裂後の印象派

第10回 7/10(金) パリの都市改造と印象派の拡がり




2026年5月14日木曜日

16世紀~20世紀:様々な空間表現の面白さ

諸川春樹先生の西洋美術史講座 遠近法第三回でした。(短期なので今回で終わりです。)

16世紀の遠近法をいろいろ見せていただきました。

劇的な効果のあるものになってもいきます。

ティントレット
聖マルコの遺体の発見
1562-64
ミラノ ブレラ美術館

17世紀以降の展開


ホッべマ
ミドルハルニスの並木道
1689
ロンドンナショナルギャラリー

カメラ・オブスクーラも発達していきます。

フェルメール
絵画術
1665頃
ウイーン美術史美術館


19世紀末になると 自由な空間表現が現れてきます。
セザンヌは遠景と近景を同時に捉え、独自の空間性を自らのために追究しました。
セザンヌ
リンゴとオレンジのある静物
1890-95
オルセー美術館

マティスは空間表現を捨て、色面で表現

マティス
赤い部屋
1908
エルミタージュ美術館

リンク先 デ・キリコ「通りの神秘と憂鬱」1914 個人蔵

デ・キリコの上の絵は 遠近法が狂っています。(これは遠近法を使う目的でもある)。

一枚の絵の中にかみ合わない2つの遠近法が同居し、何かがおかしいと不安な気持ちになってしまいます。遠近法は感情を揺さぶる道具となっていきます。

ダリ、めまい

 エルンスト、マグリットと 新しい認識法としての空間表現を教えていただきました。

諸川先生には また違ったトピックで講座を開いていただきたいです。ありがとうございました。

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第9回 7/3(金)   分裂後の印象派

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