2026年1月30日金曜日

第9回 ミケランジェロと古代彫刻

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回はミケランジェロ。まず、ざっくりと「ミケランジェロまでの彫刻の歴史」を教えていただきました。

ギリシャローマ時代には人の形の彫刻がありましたがキリスト教が国教化されていく中でそのような彫刻はすっかりなくなってしまいました。 その後、教会建築、巡礼、などのキリスト教の歴史の中で建物に彫られた浮彫彫刻が-例えば人像柱頭が-だんだん浮き上がって丸彫り彫刻のようになっていく様子を画像で説明していただきました。

フランス「シャルトルの大聖堂」はステンドグラスで有名ですが、外壁の彫刻は彫刻の歴史として大変重要だそうで、シャルトルの大聖堂に行ったら必ず見てくださいとのことでした。

さて ミケランジェロですが、若いころにメディチの彫刻庭園に出入りし、古代彫刻を見る機会が多かったのだそうです。「アポロ」像もそのころ発掘されたのだそうです。

アポロ像をミケランジェロのダヴィテ像と比較したり、

それまでのダヴィデ像を比較したりダヴィデの物語の中のどの部分を像にしたのか、などをテーマにいろいろお話ししていただきました。

ミケランジェロはアポロ像を絶対見ていましたよね、比べてみましょう。

Belvedere Apollo Pio-Clementino Inv1015
ヴェルデヴェーレの<アポロ>
2世紀(BC300頃の彫刻の模刻・1489に発掘)
ヴァティカン美術館


ダヴィデ像
作者不詳
1200頃
フィデンツァ大聖堂

ダヴィデ像
ドナテッロ
1409
バルジェロ美術館

ダヴィデ像
ドナテッロ
1440頃
バルジェロ美術館

ダヴィデ像
ヴェロッキオ
1475頃
バルジェロ美術館

ダヴィデ像
ミケランジェロ
1501-4
アカデミア美術館


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2026年1月9日金曜日

第8回 ボッティチェッリの「神話シリーズ」(2)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回も引き続きボッティチェッリの「神話シリーズ」でした。

ボッティチェッリの『春』は当初 ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコへの「結婚記念画」として、『ミネルヴァとケンタウルス』と対で描かれたもので、絵の縦の高さがほとんど同じということでした。1499年に2枚がフィレンツェ市内のラルガ通りに面したピエルフランチェスコ・デ・メヂィチ家本宅ロレンツォの寝室の隣室に設置されていました。

個人的空間に飾られていた結婚記念画としての2枚の読み解きを教えていただきました。美術書で見ると、「大きさ」がわからないので混乱しやすいとのことでした。

ボッティチェリ
『春』
1482-85頃
ウフィツィ美術館



ボッチチェリ
ミネルヴァとケンタウロス
 1482-85頃
ウフィツィ美術館
     


ところが1550年の時点では、『春』はフィレンツェ郊外カステッロのメディチ家別荘に、『ヴィーナスの誕生』と並べて飾られていたことがわかっています。(この二枚の絵は大きさが異なります。支持体も異なります。『ヴィーナスの誕生』は『春』より後に描かれたことがわかっています。)
個人的空間にあったものがどうして人に見せる公的空間に飾られるようになったのか、二人のヴィーナスが並べられている理由・・・天上的アフロディーテ、世俗的アフロディーテ についてプラトンの『饗宴』を通して説明していただきました。
よく目にする絵ですから、先生のお話を思い出しながら 絵について、イデアについてなど人にも説明できるようになれたらいいなあと思いました。

ボッチチェリ
ヴィーナスの誕生
1485頃
ウフィツィ美術館

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