2022年11月25日金曜日

第7回 偉大なる後継者たち2:ファン・デル・フースとメムリンク

 諸川春樹先生の西洋美術史講座、麗しの中世ゴシック絵画、今回は『偉大なる後継者たち2:ファン・デル・フースとメムリンク』でした。


麗しく美しい、読み解きも楽しいフランドル絵画、祭壇画ですが、

「誰が注文して、どこの都市に飾られていたのか。当時どんな人々、画家がその祭壇画を見ていたのか。」と考えることに気づきました。

いつものように多くの画像を見せていただき、細部の説明や図像、聖人の表現など教えていただきました。


☆ファン・デル・フースは ファン・エイク兄弟の「ゲントの祭壇画」を模範とし、挑戦し、超えようとしていたのだそうです。。この画家の人生も興味あるものでした。

ポルティナーリ祭壇画は今はフィレンツェ、ウフィツィ美術館にあります。

トンマーゾ・ポルティナーリ(ブリュージュのメディチ家代理人)によって注文され、帰国後の私的礼拝堂(フィレンツェ)に設置(1483)されたため、15世紀後半のフィレンツェ画家に強い影響を与えたのだそうです。


ファン・デル・フース
ポルティナーリ祭壇画
1475-76
ウフィツィ美術館



拡大




  右の三人に注目。ギルランダイオは実際に絵を見て参考にしていると思われる。


ドメニコ・ギルランダイオ
牧者の礼拝
1483-85
サント・トリニタ教会
フィレンツェ

☆ メムリンク

フランドル絵画で一番の中心人物は「ロヒール・ファン・デル・ウェイデン」。

彼を師としたメムリンクは成功し、ブリュ―ジュで代表作家となります。お金持ちになったそうです。

この祭壇画はメディチ銀行代理人、ヤーコポ・グ―二(ポルティナーリの前任者)が注文し、もともとはフィレンツェに運ばれるはずが輸送中に奪われたのだそうです。

今はポーランドにあります。

最後の審判祭壇画
メムリンク
1473以降
グダニスク(ポーランド)ポモルスキ美術館


参考 第5回で見せていただいたボーヌの祭壇画

ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
最後の審判
1442-51
ボーヌ施療院

地獄に行く人々、怪物、天国へ行く人々、はボッスにもつながっていくそうです。細かいところを見ると面白いです。これからの講座が楽しみです。

※ 計量の天秤(良い人が重いか軽いか)については当時、解釈が二つあったそうです。



<この講座を美術が大好きなお知り合いの方にどうぞご紹介ください。>

スマートフォンなどの 共有機能で
このページをお知り合いと共有していただくと講座の紹介が簡単です。
下の共有ボタン使ってもシェアできます。


Twitterもやっています。美術2新百合ヶ丘(@art2shinyuri)


次回講座も計画中です。

いろいろ講座があります。チェックしてみてください。




2022年11月18日金曜日

第6回 偉大なる後継者たち1:クリストゥスとバウツ

 諸川春樹先生の西洋美術史講座、麗しの中世ゴシック絵画、今回は『偉大なる後継者たち1:クリストゥスとバウツ』でした。

絵画において、世俗的な面白いところが見えてきて、絵が我々に近い存在になってきます。

(肖像画の背景が真っ黒ではなく室内が描かれるようになった)。

いろんな絵を紹介してくださいます。絵を自分の目で覚えておくと、「あれ、どこかでみたことがある?」と気が付き、それを調べたりすると新しい知識につながっていくそうです。

・ペトルス・クリストゥス

仕事場の聖エリギウス:細部、当時の仕事場がわかる。フランドル絵画は光輪を描かない。

仕事場の聖エリギウス
ペトルス・クリストゥス
1449頃
メトロポリタン美術館

若い女性の肖像
ペトルス・クリストゥス
1470頃
ベルリン美術館

・ディーリク・バウツ (ブーツ、ボウツの表記あり)

最後の晩餐祭壇画
1464-67頃
ディーリク・バウツ
ルーヴァン、シント・ペーテル聖堂

↑ まわりのパネルの4枚の絵も聖餐に関連している。
最後の晩餐
中央のパネル

 ユダはどこにいるでしょう?



<この講座を美術が大好きなお知り合いの方にどうぞご紹介ください。>

スマートフォンなどの 共有機能で
このページをお知り合いと共有していただくと講座の紹介が簡単です。
下の共有ボタン使ってもシェアできます。
次回もZOOMでの受講も可能です。
遠方の方にもおすすめください。


Twitterもやっています。美術2新百合ヶ丘(@art2shinyuri)


次回講座も計画中です。

いろいろ講座があります。チェックしてみてください。



2022年11月11日金曜日

第5回 ロヒール・ファン・デル・ウェイデンの「祭壇画」研究

 諸川春樹先生の 西洋美術史講座、麗しの中世ゴシック絵画 今回は『ロヒール・ファン・デル・ウェイデンの「祭壇画」研究』でした。


『祭壇とは何か?』の説明がありました。 ファン・エイク『ゲントの祭壇画』、ロヒール・ファン・デル・ウェイデン『最後の審判の祭壇画』を中心にお話ししていただきました。

今回も紹介された画像の一部を貼っておきますので、ゆっくりと復習ください。

先生は デュ・ファイのCDを聴きながら鑑賞したりするそうです。(バロック音楽)

祭壇とは?

神に子羊をささげるヨアキム
スクロヴェーニ礼拝堂
ジヨット
1305


ゲントの祭壇画 閉じたところ。(前々回、再掲)

ゲントの祭壇画
ヤン・ファン・エイク
1425-32
ゲント シント・バーフ教会



ゲントの祭壇画
1425-32
ゲント シント・バーフ教会
ヤン・ファン・エイク


この祭壇画の一番大切な中心となるところ。『生命の泉』。水が流れています。

中心の部分



ボーヌ施療院。ロヒール・ファン・デル・ウェイデン『最後の審判』

祭壇画はブリュージュで描かれ、運ばれた。

ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
『最後の審判』
1442-51
ボーヌ施療院
閉じたところ


ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
最後の審判
1442-51
ボーヌ施療院

魂の計量についての説明がありました。


最後の審判
部分
魂の計量


閉じた扉に描かれた 聖アントニウスと聖セバスティアヌスについての説明に関して。


イーゼンハイム祭壇画
グリューネヴァルド
1511年 ‐ 1515年頃。






<この講座を美術が大好きなお知り合いの方にどうぞご紹介ください。>

スマートフォンなどの 共有機能で
このページをお知り合いと共有していただくと講座の紹介が簡単です。
下の共有ボタン使ってもシェアできます。


Twitterもやっています。美術2新百合ヶ丘(@art2shinyuri)


次回講座も計画中です。

いろいろ講座があります。チェックしてみてください。