2018年10月26日金曜日

第5回  ギリシャ文明圏の成立とヘレニズム文化、ローマの形成過程をみる

まず、西洋建築の基本要素となったギリシャのオーダー(柱の装飾方法)を見ました。

ギリシャ神殿のオーダーは長い時間をかけて変化していきましたが それをローマは「一気に全部取り入れ」ました。

有名なローマのコロッセウム、三つの柱頭様式のすべてが使われています。一階はドーリス式、二階はイオニア式、三階と四階はコリント式の半柱。
ローマに行く機会があれば 確かめたいですね!(同伴者に説明すれば、尊敬されるかも!)

柱頭形状の説明図
百科全書より
 ローマ、コロッセウム
写真:Alessandroferri・CC BY-SA 4.0   

ギリシャ美術の壺絵の様式。 黒像式。細い槍の表現は技法的に難しいそうです。
画像を大きくしてご覧ください。

エクセーキアース 黒像式アンフォラ
将棋をするアキレウスとアイアース
BC550-530
ヴァチカン美術館

ベルリンの画家(attr.)
赤像式スタムノス
蛇を絞め殺す幼児ヘラクレス
前480-470
ルーブル美術館
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アレクサンドロス大王とヘレニズム文化についても説明がありました。

マケドニア式のファランクス
アレクサンドロス三世は かの「アリストテレス」が家庭教師。
大帝国を築いたわけですが、文化をもたらすとともに相手からも学ぶ姿勢があったそうです。
ヘレニズムはギリシャと古代オリエントが融合した文化。
ギリシャ彫刻のアルカイック期、クラッシック期、ヘレニズム期のものを見せて頂きました。
また 、アレクサンドロスの東征以降に書かれたギリシャ神話には洪水のエピソードが書かれているそうです。(東征以前のホメロスやヘシオドスの話にはない。)メソポタミアも領土になりましたから伝わったのですね。
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ローマの形成過程のお話で見せていただいたエトルリアのチェルヴェテリの遺跡の美しいお墓の装飾の画像をアップします。
 Triclinioの墓 壁面
BC470ごろ
イタリア タルクイーニアの考古学博物館
rilieviの墓内部の装飾
写真:Roberto Ferrari
 from Campogalliano (Modena), Italy • CC BY-SA 2.0
イタリア チェルヴェーテリ遺跡


エトルリアの夫婦の陶棺 チェルヴェーテリ出土
BC5C頃 ローマ、ヴィラ・ジュリア国立博物館
写真:Gerard M (at Dutch Wikipedia) • CC-BY-SA-3.0


上の夫婦の陶棺はルーブルのものとちょっと違って盃を持っているそうです。

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2018年10月19日金曜日

第4回 メソポタミアとエジプト、エーゲ文明。ギリシャ文明圏の成立

今回はシュメール神話とエジプト神話の世界観。
エーゲ文明の始まり。
ギリシャ社会の特質と大ギリシャの形成過程を見る、ということで いろいろなお話がありました。

見せていただいた画像のいくつかをアップします。
大地神ゲブと天空神ヌートを引きはがす大気神シュー
『死者の書』より BC950頃
大英博物館
『死者の書』より アンクと光輪
BC1300頃 アニのパピルス
〇とTの合わさった形は「アンク」といい、生命を意味しています。

各地の神話と聖書が似通っていると教えて頂き毎回驚いています。

今回は「聖母子像の原型」を見せて頂きました。
聖母子像の原型は人間の祈りとして「この姿形」を作りたくなってしまうとも思えます。(←私の感想)。

大英博物館 ウバイド文化期 BC5000 女神像(豊穣神)(授乳している)(←リンクしています。)

ボストン美術館 ホルスに授乳するイシス(←リンク)(この像の形はたくさんのこされています。)
ホルスに授乳するイシス、1070–656 B.C.
ボストン美術館


写実的で美しいネフェルティティ王妃の胸像と婿養子のツタンカーメンのマスクは同じエジプトで制作年代も近いのに表現の形がまったく異なります。その理由も説明していただきました。
ネフェルティティの胸像
ベルリン、新博物館


ツタンカーメンの黄金のマスク
エジプト考古学博物館
写真CC-BY-SA3.0  en:User:MykReeve

エーゲ文明。
カマレス土器 ミノア文明 2100-1700 B.C.
イラクリオン古代博物館
  CC BY-SA 3.0  
写真Wolfgang Sauber
カマレス土器 ミノア文明 2100-1700 B.C.
イラクリオン古代博物館
 CC BY-SA 3.0 
写真Wolfgang Sauber


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2018年10月12日金曜日

第3回 メソポタミアとエジプト―西洋文明の父と母、古代のひとびとの暮らしぶり

今回は古代における死の様相、文字と美術の始まり などについてお話がありました。

エジプトとメソポタミア、古代ローマ 、その他各地の弔いの方法、死後の復活の考えなどについて触れられました。

ウルのスタンダード
戦争の場面 BC2600頃
大英博物館
ウルのスタンダード
饗宴の場面 BC2600頃
大英博物館
ウルのスタンダードは実物は案外小さく、青い部分はラピスラズリだそうです。

テラコッタ(素焼き)製クラテール、
ギリシャ BC725頃 
メトロポリタン美術館
画像はMetropolitan Museum of Art
 [CC BY 2.5  (https://creativecommons.org/licenses/by/2.5)],
via Wikimedia Commonsによる

ヒエログリフの説明がありました。
先生にいただいたエジプトのヒエログリフの表を使ってご家族の名前を描いてみられましたか?

横浜ユーラシア文化館の楔形文字粘土板の解説のホームページリンク(←リンク)しておきます。

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2018年10月5日金曜日

第2回 西洋文明のはじまり―原始社会と定住

アトラトル(スピア・スロアー)。
この道具でマンモスを狩猟していたそうです。槍を使う道具ですが、これを使うと威力がでます。道具が発明され、集団化の中で知識や技術が伝搬していくのですね。
アトラトル
画像はA figura foi desenhada por Sebastião da Silva Vieira, que cedeu os direitos autorais para Messias S. Cavalcante.による

狩猟と農耕の集団化から都市ができていきました。
文明初期には強力な力を持った「リーダー」が登場し、その力を見せるために巨大な建造物が作られます。
シュメール文明、エジプト文明の始まりも見ていきました。

メソポタミア、初期王朝時代の日乾煉瓦で作られた巨大な「ジッグラト」(アッカド語で「高いところ」の意味)。
ウルのジッグラト復元図
バビロンのジッグラトは聖書での「バベルの塔」のモデルとなった建造物ともいわれています。
「バベルの塔」や「エデンの園」もメソポタミアに関係あるようです。

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