2019年6月28日金曜日

第9回 絵画の新しい描き方:ジャクソン・ポロックと抽象表現主義

今回は前回の続きから。
エコール・ド・パリのモディリアニとシャガール、
ニューヨークの抽象表現主義、ジャクソン・ポロックについて主にお話がありました。

アメデオ・モディリアーニ(1884-1920)はイタリア出身のユダヤ人。
伝統を踏まえながら現代化した絵画。このポーズは伝統的なポーズです。
(田中先生のお話から これまでの講座で紹介していただいたラファエロデューラーの同じポーズの絵を思い出しました!)

モディリアーニ ジャンヌ・エピュテルヌの肖像
1918-19 メトロポリタン美術館


アングル ポール・シジペール・モアテシエ夫人の肖像
1856 ナショナル・ギャラリー、ロンドン

セザンヌ 赤いチョッキの少年
1888-90 ピュルレ・コレクション


マルク・シャガール(1887-1985)もロシア(ベラルーシ)出身のユダヤ人。
シャガールの絵画は「イディッシュ語」(ユダヤ人の言語)で解することができると知りました。

シャガール 7本指の自画像
1912 アムステルダム市立美術館

「七本の指」は イディッシュ語では「物事をうまく成し遂げた」という意味があるそうです。

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1940年代前半(第二次世界大戦のころ)ヨーロッパの主要な芸術家がたくさんアメリカに逃れてきて、芸術の中心はアメリカに移っていきます。

ポロックの考え、作品スタイルの移り変わりのお話も なるほど、と、驚きました。

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2019年6月21日金曜日

第8回 パリに集った外国人芸術家たち:エコール・ド・パリ

20世紀美術は、きれいとか素晴らしいとかではなく、本質的なところから問い直し、伝えたいことをどういう風に表現していくのかを探求していった、と捉えるとよいそうです。


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シュルレアリスムについてもいろいろお話ししていただきました。 

ダリの絵は フロイトの精神分析とつながりがあり、
眠ったダリ自身が描かれているとのこと。夢を見ている。

ダリ 欲望の謎、母よ母よ母よ 1929 ミュンヘン近代美術館(リンク)


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1938年のパリ万博のドイツ館、ソ連館にはリアリズムの彫刻が展示されました。人々を自分たちに従わせる、芸術を政治的に利用するのにはリアリズムしかない。
・・・・社会主義、ナチズムではない芸術家は社会主義リアリズムやナチズム美術ではない美術で表現する、ということが考えられるそうです。

1937パリ万博
エッフェル塔の左がドイツ館、右がソ連館

ヨーゼフ・トラク 同志たち
1937 パリ万博 ドイツ館の前
写真はWillem van de Poll [CC0]による

ピカソのゲルニカは同じ万博のスペイン館で展示されました。
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エコール・ド・パリはパリに住んでいる外国人やユダヤ人の画家のグループを指していたそうです。
いわば社会から疎外された芸術家たちです。
モンマルトルの「カフェ ロトンド」の前でジャンコクトーが撮った写真が残っています。モジリアニ、ピカソ、アンドレ・サルモン。

Modigliani, Picasso and André Salmon in front the Café de la Rotonde, Paris. Image taken by Jean Cocteau in Montparnasse, Paris in 1916.

スーティンの絵はどこか物悲しいです。
スーティン 小さなパティシエ 1922-23頃 オランジュリー美術館(リンク)

スーティン 小さなパティシエ 1922-23頃 
オランジュリー美術館

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2019年6月14日金曜日

第7回 無意識の世界の探求:シュルレアリスム

前回の復習から始まりました。

ダダに対する「ドイツ表現主義」。
絵には意味がいっぱいです。
エルンスト・ルートビッヒ・キルヒナー 
兵士としての自画像 1915
アレン記念美術館

ニューヨーク・ダダのデュシャンのお話も面白かったです。
「階段を下りる裸婦、No2」 1912 フィラデルフィア美術館(←リンク)
泉」1917 (画像はテイト・モダンのもの)(←リンク)

シュルレアリスム
エルンスト セレベスの象 1921 テイト・モダン(←リンク)
ガスの施設やアフリカ・コンゴのトウモロコシ貯蔵庫の写真を参考にしていると知って驚きました。

「優美な死骸」という何人かで作品を作る手法についても教えていただきました。


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また、今回 前回までの「スライドリスト」をまとめて配布していただきました。
現代アートは著作権のこともあり、スライドリストがあってもなかなか見つけにくいと思います。

世話人のお世話なのですが、
「wikiart」(←リンク)が作品をまとめて見るのに便利です。特に現代アート。
英語ですが、遊んでみてください。
2019春の美術2新百合のこのブログの中の「作品リンク」をwikiartにつながるようにしてあるのもございます。
その作品をwikiartで見て、そのページからほかの作品も一緒に見ていただけたら、と思っています。



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