2019年6月21日金曜日

第8回 パリに集った外国人芸術家たち:エコール・ド・パリ

20世紀美術は、きれいとか素晴らしいとかではなく、本質的なところから問い直し、伝えたいことをどういう風に表現していくのかを探求していった、と捉えるとよいそうです。


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シュルレアリスムについてもいろいろお話ししていただきました。 

ダリの絵は フロイトの精神分析とつながりがあり、
眠ったダリ自身が描かれているとのこと。夢を見ている。

ダリ 欲望の謎、母よ母よ母よ 1929 ミュンヘン近代美術館(リンク)


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1938年のパリ万博のドイツ館、ソ連館にはリアリズムの彫刻が展示されました。人々を自分たちに従わせる、芸術を政治的に利用するのにはリアリズムしかない。
・・・・社会主義、ナチズムではない芸術家は社会主義リアリズムやナチズム美術ではない美術で表現する、ということが考えられるそうです。

1937パリ万博
エッフェル塔の左がドイツ館、右がソ連館

ヨーゼフ・トラク 同志たち
1937 パリ万博 ドイツ館の前
写真はWillem van de Poll [CC0]による

ピカソのゲルニカは同じ万博のスペイン館で展示されました。
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エコール・ド・パリはパリに住んでいる外国人やユダヤ人の画家のグループを指していたそうです。
いわば社会から疎外された芸術家たちです。
モンマルトルの「カフェ ロトンド」の前でジャンコクトーが撮った写真が残っています。モジリアニ、ピカソ、アンドレ・サルモン。

Modigliani, Picasso and André Salmon in front the Café de la Rotonde, Paris. Image taken by Jean Cocteau in Montparnasse, Paris in 1916.

スーティンの絵はどこか物悲しいです。
スーティン 小さなパティシエ 1922-23頃 オランジュリー美術館(リンク)

スーティン 小さなパティシエ 1922-23頃 
オランジュリー美術館

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