2021年6月25日金曜日

第8回 ギリシアの祭儀と美術表現

 篠塚千恵子先生による西洋美術史講座 今回は第8回、アテネの第パンアテナイア祭の運動競技祭の商品として作られたアンフォラの「陶器画」のお話でした。

4年に1度 パンアテナイア祭の大祭が開催され、運動競技、音楽競技などがあり、商品はアンフォラに入ったオリーブ油だったそうです。

最大の行事はアテナポリアスへ新しい衣装を運ぶ大行列で,その様子はパルテノンのフリーズの彫刻に描き出されているそうです。

商品のアンフォラはA面には「アテナ」、B面にはその競技の様子が描かれています。

A面にアテナを描くのはお決まりだったそうです。

ギリシアの「お祭り」(オリュンピア祭もお祭りの一つ)がいろいろあったということも知って驚きました。

バーゴン・グループ A面のアテナ
BC560頃 大英博物館

左は走っているところ 右は表彰のシーン
アキレウスの画家 ボローニャ考古学博物館
Sailko, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons


ヴァチカーノ美術館
A面とB面がわかりやすいのでのせました。
HombreDHojalata, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

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2021年6月18日金曜日

第7回 ギリシア陶器画の魅力

 篠原千恵子先生による西洋美術史講座、今回は前回に引き続き陶器画についてでした。

その前に まず、受講生からの質問にも答えてくださいました。

Q ギリシア彫刻とローマンコピーの彫刻との目的の違い。。

ギリシア彫刻は神への「奉納群像」だったりもするけれど、ローマンコピーは 別荘などの「装飾」だったりする。

エレクテイオンのカリアティード・ポーチ
(アテネ、紀元前421年 - 紀元前407年)
画像はwiki cc表示2.5

ヴィッラ・アドリアーナ
ティボリ ハドリアヌス帝の別邸

Qギリシア彫刻のアルカイック期とクラッシック期ではずいぶん表現が違うがどうして?

 政治的な問題もあるけれど、技術の進歩(青銅から鉄ののみへ変化)もある。


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今回は 陶器に描かれている 当時の「宴」の様子のお話を交えながら、赤像式、黒像式、バイリンガル陶器、器の形などの説明をして頂きました。

赤絵式腹部アンフォラ ベルリンの画家
BC500-490頃
シレノスのオレイマコスとヘルメス
Sailko, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons

カンタロスという器や葡萄酒を持って宴会へ行く途中の図だそうです。


 「ヴァチカン美術館」にある素晴らしい陶器は バチカンに行ったときには忘れずに必ず見てくださいね、ということでした。

エキセキアス画 黒像式アンフォラ
アキレウスとアイアスの将棋図
ヴァチカン美術館 BC530頃


ヴァチカン美術館 ギリシアの陶器の部屋の様子 リンク

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2021年6月11日金曜日

第6回 ギリシア陶器画への誘い

 篠塚千惠子先生による西洋美術史講座、今回は第6回、ギリシア陶器画についてでした。

受講生からの「質問」のお答えもしてくださいました。

西洋美術史の「蛇」について。アダムとイブで悪いイメージもあったりもするのですが、第1回のお話ではいいイメージでした。再生のシンボルでもあったりもするそうです。

下半身が蛇のケクロプス。 ほかにもいろいろ説明してくださいました。

Attic red-figure kylix from Tarquinia (Italy), 440-430 BC. Birth of Erichthonios. Antikensammlung Berlin, Altes Museum,
 CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


ギリシアの陶器について、黒像式技法、赤像式技法、バイリンガル陶器、白地彩描技法、器形と用途など基本的な事柄の説明がありました。



デュビロンのアンフォラ
アテネ国立考古学博物館

エトルリア人が好んだため、ギリシアからたくさん輸出され、イタリアエトルリア半島にたくさん残っているそうです。

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2021年6月4日金曜日

第5回ギリシア美術の多義的裸体像(女性裸体を中心に)

 篠塚千恵子先生による西洋美術史講座、第5回。

もともとのギリシア美術では「男性は裸体」「女性は着衣」で表現だったのですが、プラクシテレス(B.C.4cの人)がギリシアのクニドス島で

「着衣のウェヌス」と「裸体のウェヌス」像をの2体を作り、評判となったそうです。裸体のウェヌスは女性のヌード像の始まりと言われています。

ギリシア時代のものは残っておらず、ローマンコピーが残っています。

プラクシテレス作 「クニドスのアフロディテ」の
ローマ時代の模刻
ローマ ヴァチカン美術館
原作はB.C.4c半頃

B.C.150年頃の原作に基づくハドリアヌス時代の模刻
「カピトリーノのヴィーナス」
ローマ カピトリーノ美術館







プラクシテレスの像を元にし、ローマンコピーのヴィーナス像、その他、後世たくさんのヴィーナス像が表現されていくことになります。

ティツィアーノ
聖愛と俗愛
1515年 ボルゲーゼ美術館



なぜ、着衣と裸のヴィーナス2種類のヴィーナス像が彫られたかの理由の推測の説明もありました。

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このような裸体表現の出現にはその予告となるような彫像があったそうです。

水に濡れ、衣がぴったりと体に張り付いているアフロディーテの表現されている玉座。

ルドヴィシの玉座
ローマ国立美術館 B.C.470/460頃


ギリシャ美術の彫像については

和辻哲郎「イタリア古寺巡礼」という本がとても美しい日本語で的確に表現されていて、とてもおすすめだそうです。

毎回 参考になる本を紹介してくださいます。


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