2021年6月4日金曜日

第5回ギリシア美術の多義的裸体像(女性裸体を中心に)

 篠塚千恵子先生による西洋美術史講座、第5回。

もともとのギリシア美術では「男性は裸体」「女性は着衣」で表現だったのですが、プラクシテレス(B.C.4cの人)がギリシアのクニドス島で

「着衣のウェヌス」と「裸体のウェヌス」像をの2体を作り、評判となったそうです。裸体のウェヌスは女性のヌード像の始まりと言われています。

ギリシア時代のものは残っておらず、ローマンコピーが残っています。

プラクシテレス作 「クニドスのアフロディテ」の
ローマ時代の模刻
ローマ ヴァチカン美術館
原作はB.C.4c半頃

B.C.150年頃の原作に基づくハドリアヌス時代の模刻
「カピトリーノのヴィーナス」
ローマ カピトリーノ美術館







プラクシテレスの像を元にし、ローマンコピーのヴィーナス像、その他、後世たくさんのヴィーナス像が表現されていくことになります。

ティツィアーノ
聖愛と俗愛
1515年 ボルゲーゼ美術館



なぜ、着衣と裸のヴィーナス2種類のヴィーナス像が彫られたかの理由の推測の説明もありました。

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このような裸体表現の出現にはその予告となるような彫像があったそうです。

水に濡れ、衣がぴったりと体に張り付いているアフロディーテの表現されている玉座。

ルドヴィシの玉座
ローマ国立美術館 B.C.470/460頃


ギリシャ美術の彫像については

和辻哲郎「イタリア古寺巡礼」という本がとても美しい日本語で的確に表現されていて、とてもおすすめだそうです。

毎回 参考になる本を紹介してくださいます。


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