2022年6月24日金曜日

第8回 マネ『草上の昼食』『オランピア』

 西岡文彦先生の西洋美術史講座、今回は『草上の昼食』『オランピア』を中心に丁寧に説明していただきました。

マネは『美術館に入ることを最終目的として絵を描いた最初の画家』なのだそうです。

マネは自分の作品が「サロン」で選ばれることを願っていました。批評家の意見も気にしていました。

マネ 
スペインの歌手
1860 (サロン初入選)
メトロポリタン美術館

美術も時代によって変わるべきだ、同時代を描くべき(モデルニテ)だ、と、新しい主題の作品を発表します。主題における革命ともいえることでした。

古典絵画にのっとりながら当時流行の風俗で描いた『草上の昼食』はサロンに落選します。


パリの近代化、印象派の人たちとマネとの交流、スペインに行ったマネ、など人生を通してのマネの作品も見せていただき、(だんだん進化していくなあ)、と感じました。

(交流の深かった印象派の人々が開催した『印象派展』にマネは出品しなかったということです。)

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サロンに落選した『草上の昼食』。

マネ
草上の昼食
1863
オルセー美術館


町を行き交う男たちは黒い服。近代化されたきれいなパリ。男性の服飾の歴史についても触れられました。

マルシャル・カイユボット
パリの通り・雨
1877
シカゴ美術館


マネ
鉄道
1873
ワシントン国立美術館



鉄道 細部

 講座の中で映画『夏時間の庭』 ゾラ『居酒屋』の話も出ました。美術館について考えさせられるそうです。チェックしてみたいと思います。

次期 秋の講座を企画中です。

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2022年6月17日金曜日

第7回 ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』

 西岡文彦先生の西洋美術史講座、今回のテーマはドラクロワ『民衆を導く自由の女神』でした。

ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』
1830
ルーブル美術館

ロマン主義、新古典主義、ナポレオンの整備したルーブル美術館、写真と美術などいろいろなお話がありました。

最も印象に残ったことはドラクロワの「色」。色の三原色、補色の話がありました。

ドラクロワの絵から色の使い方をゴッホなども研究していたとのこと。印象派のルーツにもなります。具体的に見せていただきました。

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ロマン主義のドラクロワが「筆」、新古典主義のアングルが「ペン」を持って戦っています。

ベルタル
アングルとドラクロワの決闘
戯画
Le Petit journal pour rire, 1849.


「筆」で描いた色。

ドラクロワ
ダンテの小舟 1822 
ルーブル美術館

水滴の色に注目。『ダンテの小舟』の細部。

その細部。 水滴。
色が見える。

ドラクロワはルーベンスの『マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸』を模写しています。

ルーベンス
『マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸』
1622-1625年頃
ルーブル美術館

ルーベンスの水滴。

ルーベンス 
マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸 細部。


ドラクロワの『The Sea from the Heights of Dieppe』『ディエップ近くの崖』。

その後の時代の印象派の画家たちの同じ場所の絵が残っています。比較してみるとドラクロワが時代を先んじていることがわかります。

ドラクロワ
The Sea from the Heights of Dieppe
1952
ルーブル美術館


ドラクロワ
ディエップの近くの崖、1852-55
マルモッタンモネ美術館
パリ、フランス

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2022年6月10日金曜日

第6回 フェルメール『牛乳を注ぐ女』『真珠の耳飾りの少女』

 西岡文彦先生の西洋美術史講座、今回はフェルメール。

これまでと違って「無名の市民」が絵画の主人公となってきます。

フェルメールのいたデルフトで家政婦が主人公の絵が描かれたのには意味があります。

国政の礎は家政にあり。醸造ビールも作られていたデルフトでは清潔さも求められていました。

ヨハネス・フェルメール
牛乳を注ぐ女
1657年 - 1658年頃
アムステルダム国立美術館

国際性が感じられる最先端ファッション。

----フランスから輸入された巨大フェーク真珠、日本の影響のある和服風服装、中東の雰囲気が感じられるターバン、輸入品であるウルトラマリンブルーを使った青。


昔と現代の感覚をまぜこぜにせず、絵をきちんと見て その時代の大切だったもの、美を感じること。(これらの絵には現代の考えでの憶測の解釈も多すぎます。)

ヨハネス・フェルメール
真珠の耳飾りの少女
1665年頃
マウリッツハイス美術館

絵は時代の証言でもあります。商業用だった手紙が恋文として普及してきました。

フェルメールの絵にも描かれています。

先生がお持ちの「封蝋」。画像を見せていただきました。

ヨハネス・フェルメール
手紙を書く女と召使
1670-72年
アイルランド国立美術館
(封蝋が下に落ちています。)





封蝋 
西岡先生所持品

フェルメールの絵の画題について、当時のオランダ市民社会で絵が売られていた様子なども教えていただきました。

ドールハウスのお話も印象に残りました。



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