2020年12月25日金曜日

バロック時代の美術:第9回市民のための美術Ⅱ:風俗画(イタリアからオランダまで)

 高橋裕子先生の西洋美術史講座、バロック時代の美術。

今回は「風俗画」。

「面白くてためになる絵」教訓のある絵だったり、

風俗画的に描かれた宗教画であったり、

寓意がいろいろ読み取れる絵であったり。。


画面の中に見ている人を引っ張り込むのがバロックの絵画なのだそうです。


先生は毎回 講座で使われた絵画のリストをくださるので家に戻って検索したりしてもう一度見ることができます。

今はインターネットがありますから 復習が容易です。ありがとうございます‼


見せていただき、説明していただいたたくさんの絵の中から 数枚ご紹介します。



ル・ナン兄弟<農民の家族>
1642頃 ルーヴル美術館


テルブリュッヘン<合奏>
1626頃 ロンドンナショナルギャラリー


ダウ<若い母親>
1658 デン・ハーグ マウリッツハウス

ニコラース・マース<怠惰な召使>
1655 ロンドンナショナルギャラリー



ステーン <老いが歌えば若きは笛吹く>
1663頃 デン・ハーグ マウリッツハウス


フェルメール<天秤を持つ女性>
1663頃ワシントンナショナルギャラリー

フェルメール<画家のアトリエ>(絵画芸術の寓意)
1660年代 ウィーン 美術史博物館

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2020年12月10日木曜日

お知らせ <海外に流出した日本美術>


 美術特別講座があります。(会場での対面形式講座)

<海外に流出した日本美術>

講師は多摩美術大学教授 木下京子先生です。

1回1300円の講座になります。

申し込みは会場で直接申し込み、FAX、または郵送でかわさき市民アカデミー宛てになります。

<<こちらが申し込み詳細NPOかわさき市民アカデミーリンクです。>>

★★ここにリンクしてあります別ウインドウで開くPDFを印刷し、FAX あるいは郵送してください。★★

(申込用紙はバロック美術の講座会場にもありますし、会場でも申し込みできます。)


明治維新後、日本の美術工芸品は様々な理由で欧米に輸出され、有名コレクターたちの手に渡りました。その中には「吉備大臣入唐絵巻」や「馬頭観音菩薩像」など国宝級の作品も含まれます。

貴重な美術品が海外に流出した経緯を考察しながら、作品を鑑賞します。


各回 10:30~12:00 受講料1回1300円(資料代込み、税込) 

会場 新百合21ホール

  1. 12月15日 火  廃仏毀釈と寺宝:欧米に流転した仏像と仏画   終了
  2. 1月12日 火 神仏分離令と廃城令:欧米にもたらされた障壁画  終了
  3. 1月19日 火 旧大名家の売立:欧米のコレクターを魅了した絵画作品
  4. 2月2日 火 ジャポニズムの火付け役:欧米に流出した大量の浮世絵
  5. 2月9日 火 日本美術を愛したアメリカ人コレクターたちの審美眼

受け付け中!



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2020年12月4日金曜日

バロックの美術 第8回:市民のための美術Ⅰ:肖像画(フランス・ハルス、レンブラント)

 高橋裕子先生のバロックの西洋美術史講座。

17世紀オランダで活躍していたフランス・ハルス、レンブラントなどのお話がありました。

オランダは当時商業の中心。絵もオランダに集まってきていました。また ルーベンスなどの作品を元にした「版画による複製」も流通していて、イタリアに行かずとも絵を知ることができたそうです。

市民のための集合肖像画は顔が並んでいるようなものからだんだん魅力ある作品に進化していったそうです。

フランス・ハルス<養老院の女性理事たち>
1664 アムステルダム国立美術館


レンブラントはカラバッジョに接していた「ラストマン」を師としていました。

カラバッジョ<エマオの晩餐>
1601 ロンドンナショナルギャラリー

レンブラントの<エマオの晩餐>。明暗、感情、表現の劇的効果があります。

レンブラント<エマオの晩餐>
1629頃 パリ、ジャクマール・アンドレ美術館

有名な<夜警>は夜ではなく、昼なんだそうです。

当時は絵の題名をつける習慣はなく、<夜警>という題は後の時代につけられたもの。

レンブラント
<夜警(隊長フランス・バニング・コックと副官ヴィレム・ファン・アイレンビュルフの率いる一隊)>
1642 アムステルダム国立美術館

カーテンも額縁も描かれています。トロンプルイユ。


レンブラント <描かれた額縁とカーテンのある聖家族>
1646 カッセル美術館


レンブラント<自画像>
1658 フリック・コレクション ニューヨーク

ヌードの絵については
ケネス・クラーク『ザ・ヌード:裸体芸術論-理想的形態の研究』高階秀爾・佐々木英也共訳、美術出版社、1971年。ちくま学芸文庫 2004年
が詳しいと紹介していただきました。


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2020年11月27日金曜日

バロック時代の美術第7回:歴史画と寓意画(ルーベンス、プッサン、クロードなど)

 美術と教養と社会的地位、寓意画、教養人のための美術作品としてのヌード、絵と詩についてなどお話ししていただきました。


画家は「職人階級」ではなく、知識の必要な職業、ということ。

画家の象徴である聖ルカのそばには書物や天球儀(知的活動の象徴)が描かれています。


マールテン・ファン・ヘームスケルク<聖母を描く聖ルカ>
1550頃 フランス、レンヌ美術館

アトリビュートを通して絵を読むこと。教養が必要です。

絵からいろんなことが読み取れます。ルーベンスの<戦争の惨禍>は当時の三十年戦争を描いた寓意画。

ルーベンス<戦争の惨禍>
1637-1638年 ピッティ美術館(フィレンツェ)


イギリスの紳士たちがグランドツアーでイタリアを訪れ絵を見ています。

ティツィアーノの<ウルビーノのビーナス>もルーベンスの<戦争の惨禍>も描かれています。

ゾファニー<ウフィツィ美術館の特別展示室>
1772-8 ウインザー城 ロイヤルコレクション

模範となるような絵を見てそれを踏まえて画家が描いていることや

絵と詩とがつながっていることや、理想的な風景画など いろいろなお話がありました。


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2020年11月20日金曜日

バロック時代の美術:第6回 宮廷のための美術Ⅱ:「宮廷画家」の仕事(ヴァン・ダイク、ベラスケスなど)

 バロック時代の宮廷画家のお話でした。

肖像画には「形」があるそうです。

貴族の肖像や騎馬像では 偉大に見えるポーズ、背景のスタイルがある。

ヴァンダイクはルーベンス工房でも働いていました。ジェノバで肖像画を描く仕事もしていました。

その後イギリスでチャールズ1世に仕えます。

ジェノバの貴婦人を描いた ルーベンス<侯爵夫人ブリジダ・スピノラ・ドーリア>は19世紀に絵を切り詰められました。絵の下絵が残っていてもとの絵の様子(ヴァンダイクが見たと思われる絵)がわかります。


ルーベンス<侯爵夫人ブリジダ・スピノラ・ドーリア>
1606 ワシントンナショナルギャラリー

ルーベンス、<ブリジダ スピノラ ドーリアの肖像のためのstudy>
1606年、ニューヨーク、モーガン図書館&博物館

ヴァン・ダイク<侯爵夫人エレーナ・グリマルディ・カッタネオ>
1623頃 ワシントンナショナルギャラリー

ヴァン・ダイク<狩場のチャールズ1世>
1635頃 ルーブル美術館

騎馬像。

ヴァン・ダイク<チャールズ1世騎馬像> 
1636 バッキンガム宮殿

ベラスケスは軽妙な筆さばき。

ベラスケス<王子バルタザール・カルロス騎馬像>
1635-36 プラド美術館

謎の多い ラスメニーナス。
ヤン・ファン・アイクの「アルノルフィーニ夫妻像」は当時マドリード王宮にあり、ベラスケスは絵画を管理する立場にあったのでその絵を見ていて、ラスメニーナスの絵にも影響があったのではないか、ということです。
ベラスケス<ラス・メニーナス>
1656-57 プラド美術館


収集品のカタログ的な絵を描く宮廷画家もいたそうです。
画中画は現在存在を確かめられたりもするそうです。カーテンがかかっていたりもします。

テニールス<レオポルド・ヴィルヘルム大公の絵画蒐集室
1651 ウイーン 美術史美術館

<美術Ⅱ新百合ヶ丘・12回の西洋美術史講座についての詳細は、こちら(←リンク)>
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2020年11月13日金曜日

バロック時代の美術:第5回:ルーベンス「マリー・ド・メディシス連作」

 ルーベンスは5つの建築装飾に携わったそうです。その中のひとつ、「マリー・ド・メディシス連作」すべてについてのお話をしていただきました。

今はルーブル美術館で展示されていますが、もともとは「リュクサンブール宮殿」の装飾の絵画です。絵と絵の間には窓もあります。

当時の「現代史」について古代神話の神々や擬人像を登場させて政治的批判を避け、面白みのない主題を華麗に劇的に盛り上げ描かれていて、リューベンスは本当に気配りしていたのだなあ、と感じました。

絵画を読み込むとほんとうにいろいろな象徴や下敷きになっている絵があることに驚かされます。

ルーブル美術館では、ゆっくり見る時間もとりにくいようですので、あらかじめ訪れる前に絵を読んでおくのもいいですね。


ルーベンス「マリーの戴冠」


ルーベンス「アンリ4世のアポテオーズと摂政統治の宣言」


ルーベンス「神々の会議」


ヴェルヴェデーレのアポロ
2世紀頃(ローマ時代の模刻)ローマ ヴァティカン美術館
Livioandronico2013, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

(諸川先生が数年前、ルーベンス展を神像など探してゆっくり楽しんだ、とおっしゃっていた理由がよくわかりました。ヴェルヴェデーレのアポロはその頃発掘され有名な彫刻でした。この姿は絵の真ん中で発見できます。)

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2020年10月30日金曜日

バロック時代の美術:第4回 プロテスタントの「宗教画」:レンブラントを中心に

 プロテスタントと美術についてのお話がありました。(ルター派、カルヴァン派など諸派あり。)プロテスタントでは、聖書を読むことなどが重要。

個人邸宅用の絵画について、版画のこと、プロテスタンティズムを表明する新しい主題の絵など いろいろなお話、絵の紹介をしていただきました。


★絵がかざられている様子がわかる絵。アントワープの市長ロコックス邸の大広間。

画中画を観察してみます。暖炉の上に飾られている絵はその位置にあるべくように描かれています。(そして、位置としては一番良い。)

フランス・フランケン2世<市長ロコックス邸の大広間>
1630-35頃 ミュンヘン アルテ・ピナゴーク


★レンブラントのエッチング。(刷りによって少しずつ違うそうです。)

個人が持つことができる絵。

レンブラント <三本の十字架>
1653 ドライポイントとビュラン
メトロポリタン美術館


★風俗画に見えますが、聖書を読んでいます。信徒のあるべき姿です。新しい主題。


レンブラント<預言者ハンナ(通称レンブラントの母)>
1631 アムステルダム 国立博物館

★かつてカトリック教会であったゴシック教会が 教会内部壁面真っ白のプロテスタントの教会に変わっています。瞑想を引き出します。牧師の説教が大切。

サーンレダム<ユトレヒトのビュールケルク内部>
1644 ロンドンナショナルギャラリー

エマヌエル・デ・ヴィッテ<デルフトのアウデケルク、説教を聞く人々>
1651 ロンドンナショナルギャラリー

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2020年10月23日金曜日

バロック時代の美術:第3回 対抗宗教改革と美術:カラヴァッジョ、ルーベンス、ベルニー二など

 対抗宗教改革:カトリック教会内部での改革がありました。北イタリアのトレントで公会議がありました。

宗教美術制作についてもカトリック教会からの要請があったのです。

主題や、品位の重視、わかりやすく、写実的で、見るものの心に強く働きかける。。など。


高橋裕子先生からいろいろな画像を見せていただきました。

★カラヴァッジョ。正面の聖マタイと天使は書き直しを命じられ書き直されたもの。

両側の絵は上の窓からの光の効果も考えられ描かれています。

カラヴァッジョ<聖マタイの召命><聖マタイと天使><聖マタイの殉教>
コンタレッリ礼拝堂 1600
ジオビア, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, attraverso Wikimedia Commons


★グエルチーノ <キリストの死を悼む二人の天使>
銅板に描かれた小さい絵。個人用に描かれたものだと思われます。

グエルチーノ <キリストの死を悼む二人の天使>
37cm×44cm 銅板に描かれている
ロンドンナショナルギャラリー 1617-18頃


★下のカラッチの絵も大きくはありません。
個人の礼拝用に描かれたものではないかということです。。絵の前でひざまずいて礼拝するように絵を見上げると、十字架の見え方も違ってくるそうです。

カラッチ<アッピア街道で聖ペテロに現れるキリスト>
77.4×56.3cm
1601~02 ロンドンナショナルギャラリー

★ベルニーニの<聖テレサの法悦>

両側にコルネー家の人たちが礼拝している彫刻があります。上部の窓からは光が降ってきます。一つの劇場のよう。

彫刻だけを写真でみるのとは違います。行ってみなくてはいけませんね。

ベルニーニの<聖テレサの法悦>
1647-52
ローマ、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会堂コルナロ礼拝堂
Luigi Mancini, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, attraverso Wikimedia Commons


Livioandronico2013, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, attraverso Wikimedia Commons


●●●

その絵を誰がどのように礼拝していたのか考える。今美術館で見ている絵なども、どうしてその美術館にあるのか(どういう理由でルーブル美術館に収蔵されているのか、など。)と考える。そんな視点を持つと面白いそうです。

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2020年10月16日金曜日

バロック時代の美術 第2回 宗教改革と美術:教会用美術の否定と、新しいジャンル(画種)の誕生

 バロック時代に絵画の種類が多様化していきました。

歴史画(物語画)、肖像画、風俗画、動物画、風景画、静物画。

その背景には宗教改革でプロテスタントの地域では新たな宗教美術の制作が否定されたことがあるそうです。でもそのベースとなるものはそれまでの絵画にすでにあったのですね。

片隅にあった絵画の要素が独立していきました。

イコノクラスム

イコノクラズム
イコノクラズム
1570頃 ネーデルランドの木版画
Rijksmuseum, CC0, via Wikimedia Commons

大きい大きい肖像画。ルーベンス夫婦。どこに飾ったのでしょうか?

ルーベンス<ルーベンスと妻イザベラ・ブラント>
1609~10頃 ミュンヘン アルテ・ピナゴーク
 178 cm × 136.5 cm


祭壇画のあちこちに新しいジャンルのはじまりが見て取れます。

ヒューホー・ファン・デル・フース
<ポルティナーリ祭壇画>
1476~78頃 ウフィツィ美術館


部分


部分


部分

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2020年10月9日金曜日

バロック時代の美術 第1回 はじめに:「バロック美術」の定義と講義の進め方

 半年間お休みしていました「美術2新百合ヶ丘」ですが、再開しました!

聴講方法は小田急線「新百合ヶ丘」での会場での聴講、ZOOMでの遠隔聴講、二通りとなりました。学習院大学名誉教授の高橋裕子先生はご自宅からです。これから12回のバロックについてのお話、楽しみです!よろしくお願いします。


今回は「バロック美術」の定義と講義の進め方について。

私たちが見る作品には、①作者 ②注文者 ③受容者 がかかわっています。

高橋先生は②注文者③受容者について、留意して見ていきたいとのこと。

ルーブル美術館にある ルーベンス<マリー・ド・メディシスの生涯>はもともとこのように展示する目的のものだったのではありません。

ルーベンス<マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸 など>
ルーベンス<マリー・ド・メディシスの生涯>
1622-25頃 ルーブル美術館 回廊
Matt Biddulph / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0))

「バロック様式」についていろいろ具体的に画像を見せていただき、説明していただきました。


ボロミーニ<サン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ教会>
(天井)
ローマ、1665-67


クラシック(ルネサンス)とバロックの違い。

「あるがまま」と「見えるがまま」

ファン・ヘームスケルク<アンナ・コッデの肖像>
1529,アムステルダム、国立美術館


ベラスケス<アラクネの寓話>
1657頃 プラド美術館

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2020年8月21日金曜日

2020 後期 美術2 バロック時代の美術

  後期美術2の日程が発表されています。

いつも通り 小田急線 新百合ヶ丘駅近く 新百合21ホール

大体毎週金曜日 10:30から。

第一回は10月9日です。

コロナ感染予防に配慮された開催となっています。

講義は 先生のご自宅から「ZOOM」です。


★★★「ZOOM」による インターネットでの講座受講も

★★★  新百合21での会場での受講もできます。

   (会場準備の都合上、どちらで受講をするか決めていただきます。)


(講座の申し込みはかわさき市民アカデミーにお問い合わせください。)


バロック時代の美術

ベラスケス ラス・メニーナス
1656-1657 プラド美術館


講師  学習院大学名誉教授  高橋 裕子 先生

概要
バロック時代(=17世紀)のヨーロッパ美術を、注文者・受容者――教会(カトリック、プロテスタント)、宮廷、市民――との関係という観点で再考し、多様なジャンルの成立と発展にも注目する。併せて、時代を代表する画家ルーベンスの活動を手掛かりに、個々の事象の理解を深め、全体を関連付ける。


スケジュール

  1. 10/9(金) はじめに:「バロック美術」の定義と講義の進め方
  2. 10/16(金) 宗教改革と美術:教会用美術の否定と、新しいジャンル(画種)の誕生
  3. 10/23(金)対抗宗教改革と美術:カラヴァッジョ、ルーベンス、ベルニーニ
  4. 10/30(金)プロテスタントの「宗教画」:レンブラント、ヨルダーンス
  5. 11/13(金)宮廷のための美術Ⅰ:ルーベンス「マリー・ド・メディシス連作」
  6. 11/20(金)宮廷のための美術Ⅱ:「宮廷画家」の仕事(ヴァン・ダイク、ベラスケス)
  7. 11/27(金)教養人のための美術:歴史画と寓意画(ルーベンス、プッサン、クロード・ロラン)
  8. 12/4(金)市民のための美術Ⅰ:肖像画(フランス・ハルス、レンブラント)
  9. 12/18(金)市民のための美術Ⅱ:風俗画(フェルメールを中心に)
  10. 1/22(金)市民のための美術Ⅲ:風景画(ルーベンス、ライスダール、ホッベマ)
  11. 1/29(金)市民のための美術Ⅳ:静物画(ヤン・ブリューゲル、カルフ、スルバラン)
  12. 2/5(金)  おわりに――バロック美術とその後


使用テキスト:『西洋絵画の歴史2 バロック・ロココの革新』、高階秀爾 監修、高橋裕子 著、小学館 2016年、 ISBN 978-4-09-823027-3、1,200円+税
各自ご用意ください。

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