諸川春樹先生の西洋美術史講座、麗しの中世ゴシック絵画、今回は『偉大なる後継者たち2:ファン・デル・フースとメムリンク』でした。
麗しく美しい、読み解きも楽しいフランドル絵画、祭壇画ですが、
「誰が注文して、どこの都市に飾られていたのか。当時どんな人々、画家がその祭壇画を見ていたのか。」と考えることに気づきました。
いつものように多くの画像を見せていただき、細部の説明や図像、聖人の表現など教えていただきました。
☆ファン・デル・フースは ファン・エイク兄弟の「ゲントの祭壇画」を模範とし、挑戦し、超えようとしていたのだそうです。。この画家の人生も興味あるものでした。
ポルティナーリ祭壇画は今はフィレンツェ、ウフィツィ美術館にあります。
トンマーゾ・ポルティナーリ(ブリュージュのメディチ家代理人)によって注文され、帰国後の私的礼拝堂(フィレンツェ)に設置(1483)されたため、15世紀後半のフィレンツェ画家に強い影響を与えたのだそうです。
ファン・デル・フース ポルティナーリ祭壇画 1475-76 ウフィツィ美術館 |
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右の三人に注目。ギルランダイオは実際に絵を見て参考にしていると思われる。
ドメニコ・ギルランダイオ 牧者の礼拝 1483-85 サント・トリニタ教会 フィレンツェ |
☆ メムリンク
フランドル絵画で一番の中心人物は「ロヒール・ファン・デル・ウェイデン」。
彼を師としたメムリンクは成功し、ブリュ―ジュで代表作家となります。お金持ちになったそうです。
この祭壇画はメディチ銀行代理人、ヤーコポ・グ―二(ポルティナーリの前任者)が注文し、もともとはフィレンツェに運ばれるはずが輸送中に奪われたのだそうです。
今はポーランドにあります。
最後の審判祭壇画 メムリンク 1473以降 グダニスク(ポーランド)ポモルスキ美術館 |
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン 最後の審判 1442-51 ボーヌ施療院 |
地獄に行く人々、怪物、天国へ行く人々、はボッスにもつながっていくそうです。細かいところを見ると面白いです。これからの講座が楽しみです。
※ 計量の天秤(良い人が重いか軽いか)については当時、解釈が二つあったそうです。