2020年1月17日金曜日

第11回 エル・グレコ:マニエリスムの光と影

まず参考文献の紹介がありました。
諸川春樹先生の推薦は
NHK出版「プラド美術館1」異邦人は光を見た エル・グレコ 1992/3
大高 保二郎編著

大高保二郎先生にはこの講座に講師として来ていただいたこともございます。

エル・グレコのスタートはイコン画、細密画家でした。とても本を読んでいる人だそうです。
イタリア時代、トレド時代、晩年、と順を追ってお話を伺いました。
ミケランジェロ、ティントレット、やティツィアーノの影響、
「エル・グレコ」と一見わからないような絵、
明暗を強調し、宗教心をかきたてるような(バロックのはじまりのような)絵、
フェリペ二世にパトロンとなってもらいたいという絵、細密画だったところからの細かさ。
注文者の考えを入れない 自分の思い通りに描いた晩年様式。

魚の口が地獄の入り口であるとか、天使のお話、魂ちゃん、のお話などもありました。
エル・グレコが見ていた絵、参考にした絵との比較もありました。
描かれる人物の背がだんだん高くなっていったこと、マニエリスムの蛇状人体。
風景画、風俗画。エルグレコの絵にはいろんなお話し満載です。

美術の世界はちょっとした知識があると楽しさが広まります。
トレドに行ったときそんな細かいところまで見なかったです。。。
諸川先生ありがとうございます。

2020.4月からの12回講座は学習院大学名誉教授 高橋裕子先生による「バロック」です。
「注文主」と画家との関係などのお話があるようです。楽しみです。

《モデナの三連祭壇画》 1568 エステンセ・ギャラリー所蔵

《聖衣剥奪》 1577-1579 トレド大聖堂聖具室
《オルガス伯の埋葬》 1586 - 1588 トレド・サント・トメ教会所蔵


《黙示録第五の封印》1608-14 メトロポリタン美術館
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