2022年5月13日金曜日

第3回 ボッティチェリ『春』『ヴィーナスの誕生』

 西岡文彦先生の西洋美術史講座、第3回、今回は ボッティチェリ『春』『ヴィーナスの誕生』を取り巻くお話でした。

その作品は「誰のため」「誰が見るため」「何のため」と考えると理解が深まりそうです。

★多くの人が見て礼拝するための絵。★

シモーネ・マルティーニとリッポ・メンミ
『聖女マルガリータと聖アンサヌスのいる受胎告知』
1333 ウフィツィ美術館


★当時の銀行(バンコ=机→BANK)の様子★

左側は手形(大金を持ち歩くのを避けるための為替証券)。右側は貨幣での両替。左側の方が上客なので飲み物を出している。

ジョルジオ・キアリーニによる町の市場と習慣の本(1497)

金融業のメディチ家は修道士たちの生活をサポートしていたそうです。そういう点で精神的健康、将来の保証が生まれるとのこと。

★フラ・アンジェリコの受胎告知は修道僧たちが見る絵★

『受胎告知』1440–1445年
フラ・アンジェリコ
サン・マルコ修道院内部

★貴族たちの知的ゲームのための絵★

『春』や『ヴィーナスの誕生』は知的ゲームのための絵と言えます。

この二つの絵については技法も教えていただきました。支持体が変わると描写、技法も変わります。

左:『ヴィーナスの誕生』はキャンバスにテンペラ。

右:『春』はポプラ材にテンペラ。


ボッティチェリ
左 『ヴィーナスの誕生』(1484–1486頃) 
右 『春』(1470年代後半または1480年代初頭)
それぞれ部分拡大

ボッティチェリ
『ヴィーナスの誕生』
1484-1486頃
ウフィツィ美術館


ボッティチェリ
『春』
1470年代後半または1480年代初頭
ウフィツィ美術館

この二つの絵には発注書は見つかっていませんが、美術品発注には「契約書」があって、発注者が画家に絵の内容を指示していたそうです!

<この講座を美術が大好きなお知り合いの方にどうぞご紹介ください。>

スマートフォンなどの 共有機能で
このページをお知り合いと共有していただくと講座の紹介が簡単です。
下の共有ボタン使ってもシェアできます。



Twitterもやっています。美術2新百合ヶ丘(@art2shinyuri)