西岡文彦先生の西洋美術史講座、第3回、今回は ボッティチェリ『春』『ヴィーナスの誕生』を取り巻くお話でした。
その作品は「誰のため」「誰が見るため」「何のため」と考えると理解が深まりそうです。
★多くの人が見て礼拝するための絵。★
シモーネ・マルティーニとリッポ・メンミ 『聖女マルガリータと聖アンサヌスのいる受胎告知』 1333 ウフィツィ美術館 |
★当時の銀行(バンコ=机→BANK)の様子★
左側は手形(大金を持ち歩くのを避けるための為替証券)。右側は貨幣での両替。左側の方が上客なので飲み物を出している。
ジョルジオ・キアリーニによる町の市場と習慣の本(1497) |
金融業のメディチ家は修道士たちの生活をサポートしていたそうです。そういう点で精神的健康、将来の保証が生まれるとのこと。
★フラ・アンジェリコの受胎告知は修道僧たちが見る絵★
『受胎告知』1440–1445年 フラ・アンジェリコ サン・マルコ修道院内部 |
★貴族たちの知的ゲームのための絵★
『春』や『ヴィーナスの誕生』は知的ゲームのための絵と言えます。
この二つの絵については技法も教えていただきました。支持体が変わると描写、技法も変わります。
左:『ヴィーナスの誕生』はキャンバスにテンペラ。
右:『春』はポプラ材にテンペラ。
ボッティチェリ 左 『ヴィーナスの誕生』(1484–1486頃) 右 『春』(1470年代後半または1480年代初頭) それぞれ部分拡大 |
ボッティチェリ 『ヴィーナスの誕生』 1484-1486頃 ウフィツィ美術館 |
ボッティチェリ 『春』 1470年代後半または1480年代初頭 ウフィツィ美術館 |
この二つの絵には発注書は見つかっていませんが、美術品発注には「契約書」があって、発注者が画家に絵の内容を指示していたそうです!
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