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2024年2月9日金曜日

第12回 盛期中世美術(2) 聖堂装飾

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回が今期の最後でした。

ギリシャ、ローマ美術では彫刻がありました。その後キリスト教世界となり偶像崇拝が禁止され、丸彫り彫刻は一旦なくなりましたがルネッサンス期には彫刻があります。

新しく大聖堂が建てられると聖堂入口のタンパンは浮彫彫刻で磔刑後のキリストをテーマに装飾されるようになりました。これらのロマネスク、ゴシック期の聖堂装飾がルネッサンス期の彫刻表現へとつながっていく下地だと、画像を使って説明していただきました。

浅い浮彫が時代を経るに従いだんだんと深い浮き彫りになっていきます。浮彫での人像円柱の装飾も始まり、それも例えばランスのノートルダム大聖堂では「独立した彫刻」のようになっていきます。

拡大してご覧ください。

トゥールーズ サン・セルナン聖堂
キリストの昇天
1110頃


ヴェズレー ラ・マドレーヌ修道院
使徒たちを派遣するキリスト
1120-30頃
Gerd Eichmann, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


モワサック サン・ピエール教会
天上のキリスト
1125年頃
13okouran, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


彩色されていたことがわかります。天国の門と地獄の門が面白い。


コンク サン・フォア聖堂
最後の審判
1140頃
鵜添, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

サン・フォア聖堂タンパン(上図)のの拡大図 
着色されている
Antoine Garnier, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

サン・フォア聖堂タンパン(上図)の拡大図 地獄の門
Antoine Garnier, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


6

シャルトル ノートルダム大聖堂
西正面入り口
栄光のキリスト
1150頃


1150頃
シャルトル ノートルダム大聖堂
正面入口周辺


シャルトル ノートルダム大聖堂
南翼廊
1230年頃
Harmonia Amanda, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons


ランス ノートルダム大聖堂。
左 1260頃
右 1300頃


松浦弘明先生 12回の講座、 ありがとうございました。

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2024年2月2日金曜日

第11回 盛期中世美術(1) 聖堂建築

松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は前回の復習と紀元1000年前後の動向--ロマネスク様式の聖堂についてでした。

先週の復習。ベネチアのサン・マルコ聖堂と同じ時代のサンタンジェロ イン フォルミス聖堂。(ナポリ郊外、北東)。こちらにもビサンチン美術にあったパントクラトールのキリストが描かれています。教会の空間をフルに使って福音書のエピソードを展開しています 。これは西洋的。

「読み書きのできない」人のためにエピソードが表されているといわれますが、聖書は「ギリシャ語」「ラテン語」だったため、庶民がわからないのは当然なのだそうです。

サンタンジェロ イン フォルミス聖堂 
(イタリア カンパーニャ州)


同上 内部

正面

聖堂を一周して出口に向かうと最後の審判。紀元1000年頃楽園か地獄か、最後の審判をするためにキリストは再臨するといわれていました。


最後の審判
同上 出口側
1080

キリスト教の歴史として 聖堂での聖遺物の設置義務、聖地巡礼が盛んになってきたこと、第2次建築ブームが起こったことなど説明がありました。

紀元1000年ごろキリスト教的に大変な時期であったのですね。

巡礼路にあるトゥールーズのサン・セルナン聖堂を例にとって半円アーチのロマネスク様式、巡礼者が通常の参拝者の邪魔をすることなく聖堂の中を一巡できる教会プランについてお話がありました。


 map of Mr Manfred Zentgraf, Volkach, Germany, CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons


サンティアーゴ・デ・コンポステラ大聖堂
1077-1211

巡礼教会の トゥールーズ サン・セルナン聖堂


サン・セルナン聖堂 プラン
Jchancerel, CC BY-SA 4.0  via Wikimedia Commons


サン・セルナン聖堂
トゥールーズ
115×64×21m
The original uploader was Felipeh at French Wikipedia., CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons




サン・セルナン聖堂
トゥールーズ
内部

Diego Delso, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

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2024年1月26日金曜日

第10回 西欧におけるビザンティン美術の影響

松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は『西欧におけるビザンティン美術の影響』として ヴェネチアのサン・マルコ寺院を中心にお話がありました。

サン・マルコ寺院
ヴェネチア

ヴェネチアに聖遺物である聖マルコの遺体を運んできた物語。




サン・マルコ寺院
 ヴェネチア 
プラン
Encyclopædia Britannica, 1911, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で

聖堂はギリシャ十字プランで建てられていますが、オシオス・ルカス修道院のように三位一体を視覚化しようという考えで建てられているわけではなく、《キリストの昇天》(中央円蓋にあります。)を中心に装飾されているそうです。つまり、みかけはビサンティンだけれど、ビサンティンではないとのお考えでした。

プランを確かめながら天蓋やアーチに描かれているキリスト、物語の場面を説明してくださいました。



キリストの昇天
中央円蓋


西円蓋 
聖霊降臨


東円蓋
パントクラトールのキリスト
12世紀前半


アプス
玉座のキリスト

Prof. Mortel, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で


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2023年12月22日金曜日

第9回 中期ビザンティン美術(2)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座 今回は中期ビザンティン美術(2)でした。

 ギリシャのオシオス・ルカス修道院を例にとって、内部装飾について、パントクラトールのキリスト(父なる神)、聖霊降臨(聖霊)、玉座の聖母子(子なるイエス) と三位一体の表現が空間の中で示されていると教えていただき、驚きました。

このような内部装飾(一番上にパントクラトールのキリスト、周りに預言者、順番に聖霊、聖母子)は 東方のギリシャ十字架型の建築では同じようなパターンで繰り返し表現されていったそうです。そしてこれは写実的表現ではなく、超越した存在、空間の表現です。

年号や建築のプラン、建築内部での装飾の配置なども講座の中で説明していただいています。


オシオス・ルカス修道院
   Hans A. Rosbach, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons


オシオス・ルカス修道院
Hans A. Rosbach, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons


オシオス・ルカス修道院
Berthold Werner, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons


オシオス・ルカス修道院
Hans A. Rosbach, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

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2023年12月15日金曜日

第8回 中期ビザンティン美術(1)

松浦弘明先生の西洋美術史講座 今回は中期ビザンティン美術(1)でした。

キリストの顔立ちの表現が 今私たちが思い描く正面向きのひげのある大人のキリストの風貌となっていく過程がありました。

手本の形となるようなギリシャの彫刻、神があったのですね。

ただし、ビサンティン美術では彫刻、丸彫りで表現されたものは一旦なくなります。


善き羊飼い
3世紀
バチカン美術館
Vatican Museums, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


善き羊飼い
ガッラ・プラチーディア教会(423-450年頃)
Petar Milošević, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で


サン・ヴィターレ聖堂 アプス
547年頃
楽園のキリスト
© ホセ・ルイス・ベルナルデス・リベイロ


サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂
560年頃
© José Luiz Bernardes Ribeiro

ユピテル
250年頃
ルーブル美術館

聖なる形のマリア像、教会の形、教会内部の装飾、そして聖像破壊運動(イコノクラスム)などについてもお話がありました。

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2023年12月8日金曜日

第7回 初期キリスト教美術(3)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は主に東ローマ帝国下に建てられたラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂(547年)についてでした。

これまで見てきた ガッラプラチーディア廟堂(5世紀前半)、サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(493年頃)との比較もあり、キリスト教が人々に広まっていく過程での教会装飾、教会で行われていることと求められ描かれている画像との関連性、キリストの人間性、神性、図像の意味することなど気づかされることが多くありました。

451年のカルケドン公会議にてイエスの神性、人間性の両性が認められたとのこと、こういう宗教会議が表現の変化にかかわっているのですね。


サン・ヴィターレ聖堂 アプス
Wwikiwalter, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で


ガッラプラチーディア廟堂との比較がありました。


善き羊飼い
ガッラ・プラチーディア教会(423-450年頃)
Petar Milošević, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で


サン・ヴィターレ聖堂 アプス
楽園のキリスト
© ホセ・ルイス・ベルナルデス・リベイロ

善き羊飼い と 楽園のキリストを比べながら解説していただきました。


また、サン・ヴィターレ聖堂 アプスは 「聖餐」の儀式の場所。

聖餐に関連つけられたテーマに沿って描かれているそうです。

パン(聖体)が入れられる器を持っています。

サン・ヴィターレ聖堂 アプス
皇帝ユスティニアヌス
Carlo Pelagalli, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

植物など ほかの細部についてもいつまでも見ていたい美しいモザイクです。


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2023年12月1日金曜日

第6回 初期キリスト教美術(2)

  松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は初期キリスト教美術についての2回目でした。

聖堂装飾の目的は聖書の内容を教会に集まる人々に教える、ということです。


ガッラ・プラチーディア廟堂(5世紀前半)
画像はbyイスパロワ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

すべて美しいモザイクであらわされています。

上掲の水瓶は教会、鳩は信者を意味しています。

また、聖人の物語もあります。


サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(493年頃)
Ввласенко, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons



東ゴート王テオドリクスの統治の時代のサンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(493年頃)ではイエスの奇跡の場面など、イエスの物語が取り上げられています。

サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(493年頃)
画像はLeon petrosyan, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

上部に物語がモザイクで描かれています。
井戸のサマリア女、姦淫の女
姦淫の女 右の三人はユダヤ人
画像はセイルコ, CC BY-SA 3.0, da Wikimedia Commons

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2023年11月24日金曜日

第5回 初期キリスト教美術(1)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は初期キリスト教美術についての一回目でした。

コジモロッセリ
山上の垂訓
1481-82
システィーナ礼拝堂

信仰の変化、

イエスの教えとユダヤ教の相違について 解説していただきました。


世界史的流れを押さえながら美術を見ていきます。ローマ帝国が二つに分かれ、西ローマ帝国の中心地がミラノからラヴェンナに移っていったところの視覚的教材、ビサンティン美術についてこれからじっくりとお話があると思います。


ガッラ・プラキディア廟堂
5世紀
Wikipediaコモンズから



ガッラ・プラキディア廟堂
内部
5世紀
Wikipediaコモンズから

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2023年11月10日金曜日

第4回 古代ローマ絵画

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は古代ローマ絵画についてでした。

ギリシア彫刻がヘレニズム様式になっていったこと、ローマの時代にギリシア彫刻のローマンコピーが作られたこと、同じことが絵画の世界でも起こっていました。


アレクサンドロス大王のモザイク イッソスの戦い(ポンペイ ファウヌスの家)は BC300年頃のヘレニズム絵画を模したものなのだそうです。

アレクサンドロス大王のモザイク
イッソスの戦い
(ポンペイ ファウヌスの家にあったもの)
紀元前120~100年
国立考古学博物館、ナポリ

ポンペイの絵画の紹介、今回は特に秘儀荘の壁画について詳しく説明をしていただきました。ストーリーを追って話していただくと面白いです。


バッコスとアリアドネ

巫女

ディオニソス(バッコス)の持ち物、ティルソス という先端に松かさが付いた杖も注目です。

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