松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は前回の復習と紀元1000年前後の動向--ロマネスク様式の聖堂についてでした。
先週の復習。ベネチアのサン・マルコ聖堂と同じ時代のサンタンジェロ イン フォルミス聖堂。(ナポリ郊外、北東)。こちらにもビサンチン美術にあったパントクラトールのキリストが描かれています。教会の空間をフルに使って福音書のエピソードを展開しています 。これは西洋的。
「読み書きのできない」人のためにエピソードが表されているといわれますが、聖書は「ギリシャ語」「ラテン語」だったため、庶民がわからないのは当然なのだそうです。
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サンタンジェロ イン フォルミス聖堂 (イタリア カンパーニャ州) |
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同上 内部 |
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正面 |
聖堂を一周して出口に向かうと最後の審判。紀元1000年頃楽園か地獄か、最後の審判をするためにキリストは再臨するといわれていました。
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最後の審判 同上 出口側 1080 |
キリスト教の歴史として 聖堂での聖遺物の設置義務、聖地巡礼が盛んになってきたこと、第2次建築ブームが起こったことなど説明がありました。
紀元1000年ごろキリスト教的に大変な時期であったのですね。
巡礼路にあるトゥールーズのサン・セルナン聖堂を例にとって半円アーチのロマネスク様式、巡礼者が通常の参拝者の邪魔をすることなく聖堂の中を一巡できる教会プランについてお話がありました。
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map of Mr Manfred Zentgraf, Volkach, Germany, CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons |
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サンティアーゴ・デ・コンポステラ大聖堂 1077-1211 |
巡礼教会の トゥールーズ サン・セルナン聖堂
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サン・セルナン聖堂 プラン Jchancerel, CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons |
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サン・セルナン聖堂 トゥールーズ 115×64×21m The original uploader was Felipeh at French Wikipedia., CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons |
![]() サン・セルナン聖堂 トゥールーズ 内部 | ||
Diego Delso, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons |