2025年6月20日金曜日

第8回 ロココ文化とブルボン王朝

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回はロココ美術についてでした。まず王朝の家系図を見ながら歴史の復習をしていきました。ロココ美術は描かれた人物、関係する人々についての背景を楽しむとよいそうです。ロココ建築も紹介していただきました。


フランソワ一世のギャラリーや、ヴェルサイユなどの建築物、工芸、絵画などいろいろ見せていただきましたがどれも優美なものでした。


マリア テレジアの肖像
1759
 Martin van Meytens
ウィーン美術アカデミー


ポンパドゥール夫人
1756
フランソワ・ブーシェ
アルテ・ピナゴーク

カゼルタ宮殿
ナポリ近郊
Tango7174, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

雅宴画

ヴァトー
ヴェネツィアの宴
1718-19
エディンバラ
スコットランド国立美術館

いろいろなロココの画家たちを紹介していただきました。絵の解釈なども。

フラゴナール
ぶらんこ
1767
ロンドン ウォラス・コレクション

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2025年6月13日金曜日

第7回 他地域のバロックとハイ・バロック

 池上英洋先生の西洋美術史講座、他地域のバロックとハイ・バロックと題した回でした。あっと騙されるような絵や空間には驚かされました。

モザイク、フレスコ、テンペラ、油彩技法、板やカンヴァスなど支持体などの素材と技法の話についてのお話もありました。

絵画はオランダでは居宅の室内装飾用につかわれるようになり、それに伴い主題やサイズ、などなど それまでの絵画とは異なるものが生まれてきました。風景画や静物画をいろいろ紹介していただきました。

トロンプ・ルイユ 騙される絵は面白かったです。

平たい土地のオランダ

マインデルト・ホッベマ
ミデルハルニスの並木道
1689
ロンドンナショナルギャラリー
オランダ静物画を代表する画家の1人 ピーテル・クラース

食器に映りこんだ窓などにも注目。

ピーテル・クラース
七面鳥のパイのある静物
1627
アムステルダム国立美術館

額縁も絵
フランス・クイック・ファン・マイロップ
1670年代
ブルッヘ・フローニンゲン美術館

グレスリー ガブリエル=ガスパール
(1712-1756)
個人蔵

ハイ・バロック時代の流行、イルージョニズムの建築物にはビックリでした。
ピエトロ・コルトーナ
<バルベリーニ家の栄光>
バルベリーニ宮殿、ローマ 天井
Pietro da Cortona, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

イエスズ会のイグナチウス・デ・ロヨラゆかりのサンティニャーツィオ聖堂のイルージョニズム天井画。
四大陸が描かれています。「アジア」の部分にはザビエル、仏陀、孔子がいます。
アンドレア・ポッツォ
イエスズ会の伝道の栄光
サンティニャーツィオ聖堂
Andrea Pozzo, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

アナモルフォーシスというすごく歪んだ(見るべき場所を選ぶと実は歪んでいない)絵やアダムズの部屋なども面白かったです。

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2025年6月6日金曜日

第6回 北方の絵画革新:レンブラントとフェルメール

池上英洋先生の西洋美術史講座、今回は< 北方の絵画革新:レンブラントとフェルメール>でした。16世紀から17世紀のネーデルランドをとりまく状況とフェルメール、レンブラントを主に教えていただきました。

絵画からもその時代の雰囲気、状況がよくわかるのだそうです。


海景画⇒ネーデルランドは貿易がさかん。 市民や商人が購入していたのでしょうか。

ヤン・ファン・ゴイエン
河口の風景
1652-54
個人蔵
フェルメールの<地理学者>。絵の中の地球儀はフェルメールの所持品。
(地球儀も一般家庭に普及していたそうです。)
東洋風の衣類です。
ヨハネス・フェルメール
地理学者
1669
フランクフルト、シュテーデル美術館

宗教改革の時代にはそれまであったキリスト教美術が壊されたり取り外されたりもしました。

消された聖人の頭部
内陣衝立
15世紀
バートン・ターフ(イギリス)
聖ミカエル教会

<真珠の首飾りの女>の絵は新教の世界のなかで「受胎告知」を暗に意味する絵だったかもしれません。フェルメールはプロテスタント、フェルメールの奥さまはカトリック。

この時代の絵には隠れた意味があるかもとも感じました。


レンブラントの銅版画 (クロスハッチング技法にも注目)
レンブラント
三本の樹
1643
メトロポリタン美術館

レンブラントやそのほかの画家の集団肖像画について
近代ヨーロッパ芸術のパトロネージの変化についての復習もしていただきました。

チューリップフィーバーという映画の紹介がありました。

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2025年5月30日金曜日

第5回 カラッチとカラヴァッジョ

 池上先生の西洋美術史講座、今回はバロック時代の<カラッチとカラヴァッジョ>でした。特にカラッチ一族は美術史において重要であるのに あまり知られていないということで、詳しく説明していただきました。

カラッチからはレンブラント、カラヴァッジョからはプッサン、ルーベンスへとつながっていくそうです。

構図の妙

聖母被昇天
アンニーバレ・カラッチ
1590
プラド美術館


風景画の先駆としてのカラッチ

アンニーバレ・カラッチ
エジプトへの逃避
1603
ローマ、ドーリア美術館

※それ以前の<エジプトへの逃避>の絵画の例

カルパッチョ
エジプトへの逃避
1500
ナショナルギャラリーオブアート


神々の愛(カラッチ)
ファルネーゼ宮殿ガレリア
1600
Annibale Carracci, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

風俗画の先駆としてのカラッチ

アン二バーレ・カラッチ
豆食う男
1580-90
ローマ、コロンナ美術館
風俗画の先駆としてのカラバッジョ
カラバッジョ
女占い師
1596-97
ルーブル美術館

カラバッジョの生涯のお話とともに、多くの作品を見せていただきましたが、
教会に受け入れられず書き直した絵画や その理由

カラバッジョ
コンタレッリ礼拝堂
聖マタイ伝 連作


カラバッジョ
聖マタイと天使
1602

聖マタイと天使
第一バージョン
旧ベルリン蔵 大戦時焼失

静物画の先駆としてのカラバッジョ
カラバッジョ
果物籠
1597頃
ミラノ、アンブロジアーナ美術館

また、逃亡中に早い筆で描いた絵などもありました。
詳しく調べてみたいと思いました。

2022の「カラバッジョの影」という映画をお勧めされましたが、本編全部を見られるサイトがありませんでした。チャンスがあれば見てみたいものです。


NHK「謎解き!ヒミツの至宝さん」6月6日 午前0:35〜午前1:20
どうぞご覧ください。

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2025年5月23日金曜日

第4回 プロパガンダ図像とベルニーニ

 池上英洋先生の西洋美術史講座 プロパガンダ図像とベルニーニ として、時代はバロック、主にベルニーニについてお話ししていただきました。対抗宗教改革として、「ルールに基づき」「よりわかりやすく」「感情移入しやすい」図像が作られていきました。

聖テレジアの法悦の右側のレリーフはだまし絵となっています。自分たちは下から見上げていますが同じ空間にいるような感じとなります。ちょうど暗くなっていく時間となると上からの光が際立つそうです。

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ
聖テレジアの法悦
1647-52
ローマ、サンタ・マリア・ヴィット―レ教会
Livioandronico2013, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で


Викидим, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で



ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ
アポロンとダフネ
1622年
ボルゲーゼ美術館
 CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で

バロックの建築例もいくつか紹介していただきました。
フランチェスコ・ボッロミーニ
サン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ教会
ローマ

教会の天井



スパータ宮の柱廊。強制的な遠近法、視覚的効果を考えて設計されています。

ボッロミーニ
スパーダ宮の錯視柱廊

Livioandronico2013, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


サンピエトロ寺院にはベルニーニがかかわった部分がたくさんあります
Diliff, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, ウィキメディア・コモンズ経由で


<聖ペテロの大天蓋>”バルダッキーノ”
ベルニーニ
1624-33
ヴァチカン サン・ピエトロ大聖堂
  バルダッキーノに使われているブロンズ、金と銀は「パンテオン」から剝がしてきたものだとのお話にびっくりでした。

ローマではベルニーニの作品が至る所で見られるとのことでした。
バロックの絵画について聖母被昇天や聖人などいろいろ画像を見せていただきました。

また今NHKで毎週放送されている「アニメ チ。‐地球の運動について-」も15世紀の地動説の理解の助けになると紹介していただきました。

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2025年5月16日金曜日

お知らせ 単回受講

池上英洋先生の西洋美術史講座、受講してみたいなあ と思いながら ご参加できなかった方に朗報です。

単回受講受付中です。(会場受講のみです。)

かわさき市民アカデミーホームページでお申し込みください。

またはリンク先記載のPDFチラシをチェックの上、事務局までFAXなどでお申し込みください。事務局

受講希望日の7日前まで

受講料 1 回につき2,000 円(税込み、当日現金支払い)

いくつでも申込めます

池上英洋先生の西洋美術史講座以外にも興味深い講座がたくさんありますのでほかの講座もPDFでご覧になり検討してみてください。


講座名:美術Ⅱ講座 (テーマ名:じっくり学ぶ美術と文化:西洋近代(17&18 世紀))

時間:10 時 30 分~12 時 00 分 

会場:新百合 21 ビル B2 多目的ホール 定員:20 名

講座番号 回 日程 学習内容

786 第 5 回 5/30(金) カラッチとカラヴァッジョ

787 第 6 回 6/6(金) 北方の絵画革新:レンブラントとフェルメール

788 第 10 回 7/11(金) 新古典主義とロマン主義

789 第 11 回 7/18(金) 産業革命とイギリス美術




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2025年5月9日金曜日

第3回 トレント公会議と世界伝道

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回はトレント公会議(1543から63)と公会議からの美術への影響、宗教改革と反宗教改革、そして世界伝道についてのお話がありました。

プロテスタントは美術の利用を制限しますが、カトリックはプロテスタントへの対抗上 美術をプロパガンダとして利用していきます。カトリックは「聖像」「聖母」「聖人」を称揚します。カトリック側でも内部改革もありました。

パオロ・ヴェロネーゼ
1573
題名は<最後の晩餐>であったがトレント公会議を受けて変更
<レヴィ家の饗宴>
アカデミア美術館、ヴェネツィア
ムリョーリョ
エル・エスコリアルの無原罪の御宿り
1660年-1665年
プラド美術館

イエスに兄弟がいるのはどうして?という問題もありました。


遣欧使節や世界伝道のお話も興味深いものでした。

1586年にドイツのアウグスブルグで印刷
「日本島からのニュース」
京都大学図書館蔵。
右上・伊東、右下・千々石、左上・中浦、左下・原。中央・メスキータ神父

泰西王侯騎馬図屏風
左から神聖ローマ皇帝ルドルフ2世、オスマン帝国のスルタン(ムラト2世)、モスクワ大公(イワン雷帝)、タタール大汗
1610
神戸市立美術館

世界伝道については動画を紹介していただきました。

   <the mission>  南米への伝道です

<沈黙> 日本での伝道です。


池上英洋先生から直近のテレビ出演予定のお知らせがありました。
5月14日 および20日夜 NHK総合

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2025年4月18日金曜日

第2回 教会の危機と宮廷文化の変化

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回はグレートブリテンおよびアイルランド連合王国の歴史・マニエリスム・理想都市・要塞・バロック・印刷・ルターなどについて話していただきました。

家系図や当時の文章、図像をたくさん紹介していただけました。



ルネサンスの彫刻
聖ゲオルギウス
1415
ドナテッロ
バルジェロ美術館
I, Sailko, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons


マニエリスムの彫刻

サビ二の女たちの略奪
1574-82
ジャンボローニャ
Ricardo André Frantz (User:Tetraktys), CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

ミケランジェロには螺旋がある

聖家族
ミケランジェロ
1507頃
ウフィツィ美術館
Diego Delso, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

強烈な明暗はバロックの先取り

ラファエロ
聖ペテロの解放
1514-16
ヴァチカン宮殿

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2025年4月11日金曜日

第1回 近世末期の社会と美術のおさらい

池上英洋先生の西洋美術史講座第1回、今回は<近世末期の社会と美術のおさらい>として ルネサンスからマニエリスム美術あたりまで、足早に説明していただきました。

前回講座を受けられた方も、初めての方もいらっしゃいますが、記憶を思い起こす手助けとして (もちろんいただいた資料もありますが)昨年のブログ(リンク)を利用していただければ幸いです。

社会・経済・宗教 いろいろなことが複合的に背景にあり美術に反映されていくわけですが、ゆっくりじっくり楽しんでいきたいと思います。

今回から先生から配布の資料が「カラー」です-。先生ありがとうございます。

今回は 見せていただいた画像のうち、もう一度見てみたい画像を再掲します。


アテナイの学堂
ラファッエロ
1509-10
ヴァチカン宮殿の署名の間


キリスト教図像に多神教がみえたりもする。

Bramantino,C1515
Brera


Book cover c.1010
Ivory, precious stones
Bayerische Staatsbibliothek, Munich

マリー・ド・メディシスの生涯 連作から
アンリ4世へのマリーの肖像画の贈呈
1622-25
ルーベンス工房
ルーヴル美術館

悪徳の背景はギリシャ建築

Allegory of Virtue and Vice (Veronese)
パオロ・ヴェロネーゼ
美徳と悪徳の間の若者
1581頃
プラド美術館

神仏習合的な絵画

エヴァ・プリマ・パンドラ
Jean Cousin(p)1550

チューリッヒでの偶像破壊
1524

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