2025年12月3日水曜日

お知らせ 盛期ルネサンス 公開講座(単回受講)のお知らせ

松浦弘明先生の西洋美術史講座 受けてみたい方に朗報です。

新百合21ホール・多目的ホールにて数回受けることができます。

https://kawasaki-c-academy.jp/で是非お申し込みください。

受講できるのは 下記の講座です。

新百合21ホール 10時半~12時まで (開場10時)

 それぞれ受講料2000円(資料付き)

準備のため1週間前までに事務局にお申し込みください。

この行をクリックしていただくと申し込みのリンク先となります。

申込番号790 第5回 11/28(金) レオナルドの《最後の晩餐》(1)

申込番号791 第6回  12/12(金) レオナルドの《最後の晩餐》(2)

申込番号792 第7回  1/9(金) ボッティチェッリの「神話シリーズ」(2)

申込番号793 第9回  1/30(金) ミケランジェロと古代彫刻

申込番号794 第10回  2/13(金) ラファエッロの芸術的基盤

  ※ 講座番号は リンク先のインターネットでの番号にしています。


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★川崎市民でなくても受講できます

2025年11月28日金曜日

第5回 レオナルドの《最後の晩餐》(1)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座 今回は レオナルドの《最後の晩餐》(1)でした。

 レオナルドの最後の晩餐については ヒット映画 ダ・ヴィンチコードではあっと驚く解釈がありました。一つの絵を見ての想像で作る解釈は楽しいですが 美術史的アプローチとしては その時代時代の絵画の役割、意図をきちんと押さえていかなくてはならないそうです。

レオナルドの「最後の晩餐」のお話に入る前に、レオナルドまでの「最後の晩餐」の図像は誰のために、何を意図して描かれ設置されていたのかを考えていきました。

サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂 (ラヴェンナ)は 一般の人が誰でも入っていける聖堂。建物の中で、この図像のある場所は「聖体パン」をいただく聖餐式の場所のすぐ近くにあります。聖体パンをいただきながら見上げると「聖体パンの描かれている最後の晩餐の図」があるというわけです。

その絵の中にはお魚が描かれていますが、「大きなお皿にのったお魚」を食べようとしているのではないのです。

イエスが祝福するとパンが魚(IXΘIΣ)(XPIΣΘOΣ=救世主と意味が似ているのでキリストを意味する)⇒聖体に変化しました。 つまり、机の上にあるのはお魚 ではなく、「聖体」を意味しているのだそうです。


サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂
ラヴェンナ
 《最後の晩餐》 500年頃

マタイ福音書、ヨハネ福音書などの記述も紹介していただき、 一般の人が見ることを想定して描かれている「最後の晩餐」の図像を見せていただきました。

1170頃
ヴェネツィア サン・マルコ聖堂

ジョット
1305年頃
パドヴァ スクロヴェーニ礼拝堂

レオナルドの「最後の晩餐」は修道院の食堂の壁画です。
同じようにフィレンツェにある修道院の食堂に描かれている「最後の晩餐」を見ていきました。
イエスの手は「祝福」のサインをしています。こちらでは信者の方々に「聖餐式」を行ない、祝福を与える立場の修道士たちが毎日の食事の折に目にする壁画です。ですから、「修道士」の立場で描かれているということでした。

タッデオ・ガッティ
最後の晩餐(下の部分)
1330頃
サンタ・クローチェ聖堂 (フィレンツェ)の修道院の食堂


ギルランダイオ
最後の晩餐
1480頃
オンニッサンティ教会の修道院の食堂にあった

次回 12月12日は最後の晩餐②です。
是非 お申し込みの上、新百合ヶ丘でご受講ください。



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2025年11月21日金曜日

第4回 レオナルドの《岩窟の聖母》

松浦弘明先生の西洋美術史講座、第4回、今回はレオナルドの「岩窟の聖母」についての詳しいお話がありました。

13世紀から「聖母マリアの絶対的純潔」が教義として肯定されて広まり、15世紀半ばには正式に承認されます。

そしてレオナルドの《岩窟の聖母》の絵はもともとはミラノのサン・フランチェスコ・グランデ教会内の「無原罪のお宿り」礼拝堂に「12月8日」(無原罪の御宿り」の祝日に設置するために1483年の春にレオナルド・ダ・ヴィンチとデ・プレーディス兄弟に発注されたものなのだそうです。

無原罪のお宿りとは何か、そのころのマリア、アンナの描かれ方なども説明していただきました。


⇓ 無原罪のお宿り、マリアの母のアンナも描かれている絵

フィリッポ・リッピ
無原罪のお宿り
1460頃
パラティーナ美術館、フィレンツェ


岩窟の聖母について詳しい説明がありました。

レオナルドは人間と自然の相関関係(肉体は大地、血液は大洋などとする) を考えていて、

内臓は洞窟に対応するのだそうです。

つまり、描かれている岩窟はアンナの子宮を意味するということ。

「岩窟の聖母」という題で知られていますが、その時代の歴史事情、絵を完成させるためのやり取り、いきさつを考えると「無原罪のお宿り」をテーマとしたものではないかのことでした。


レオナルド・ダ・ヴィンチ
岩窟の聖母
1483-86
ルーブル美術館

その時代のレオナルド・ダ・ヴィンチの評価のされ方のお話などもありました。

ロンドンバージョン

ロンドン・ナショナルギャラリー


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2025年10月31日金曜日

第3回 若きレオナルド・ダ・ヴィンチの仕事

 松浦弘明先生の西洋美術史講座 ヴェロッキオの工房にいた若きレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452- 1519年)の仕事として、レオナルドが工房にいた同時期に描かれた「トビアスと天使」「キリストの洗礼」二つの絵を細かく見て比べていきました。

★絵の大きさの違い

★トビアスと天使はテンペラ、キリストの洗礼は油絵が使われている

★ヴェロッキオ先生の手によるところ弟子の描いたところ

★若きレオナルドが仕事をした部分 

などのお話を伺いました。先生のお話がなければ気が付かないところばかりです。

ヴェロッキオ工房
トビアスと天使
1475年頃
ロンドン ナショナルギャラリー
84×66cm
ヴェロッキオ工房
キリストの洗礼
177×151cm
1472-76頃
フィレンツェ ウフィツィ美術館

顔が似通っている部分があります。 キリストは先生が下絵、弟子が色付けをしたのでは?レオナルドが彩色したかも。

テンペラ画は絵具の溶き方(準備)の都合で例えば肌の色は3種類ぐらいの色目。油絵の場合は色は自由に作れる。





風景は↑上はテンペラ のっぺりとしている
↓下の風景部分は油絵、スフマート技法。左の天使とともにレオナルドが描いた部分と考えられています。ヤシの木はまた別の弟子。


何人もの弟子の手によると伺ってもう一度ゆっくりと見てみたくなりました。

ヴェロッキオ工房にはサンドロ・ボッチチェッリも同じ時期に出入りしていたそうです。

2人とも1472年にフィレンツェのサン・ルカ組合(画家組合)に登録しているとのこと。

ブノアの聖母についても説明していただきました。これはとても小さい絵で家庭用作品なのだそうです。

レオナルド・ダ・ヴィンチ
聖母子(ブノアの聖母)
1478-80年頃
50×32cm
サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館
  
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2025年10月24日金曜日

第2回 フィレンツェの二大工房

 松浦弘明先生の西洋美術史講座 二大工房の復習をしていきました。

絵を比べながら美術表現が少しずつ変わっていくのを見ていきました。

ブルネレスキがいなければマザッチョは生まれなかった。

ブルネレスキ
サンタ・マリア・ノベッラ教会
1410年ごろ
Miguel Hermoso Cuesta, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


マザッチョ
三位一体
サンタ・マリア・ノベッラ教会
1427年ごろ

マザッチョとフィリッポ・リッピの玉座の聖母子像を比べるとどこが変化していきましたか?
①人間か理想化か?
②空間表現は?
③陰影表現は?
マザッチョ
1426
ロンドンナショナルギャラリー

フィリッポ・リッピ
1437
タルキニアの聖母
国立アンティカ美術館、ローマ


※ 先生がAIを使って サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のブルネレスキが天蓋をつける前の状態の画像を作ってみましたと、 私たちに見せてくださったので、
私もやってみたらできるかもしれないとやってみましたが、うまくできませんでした。なかなか難しい。やってみてください。


失敗したAI作成
by世話人

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2025年10月10日金曜日

第1回 1470年までのルネサンス美術の展開

 松浦弘明先生の「西洋美術史入門-盛期ルネサンス」の講座が始まりました。

今回は第1回。1470年までのルネサンス美術の展開、について過去2回の松浦弘明先生の西洋美術史講座シリーズで学んだことを急ぎ足で復習していきました。

時代区分の復習などとともに

★ギリシャ時代にあった写実表現はどうして一度なくなってしまったのか?

★キリストはどうして同じような決まった顔立ちになっているのか?

★当時の流行の最先端は?

などの疑問に当時の状況などを踏まえて説明していただきました。

これからの講座が楽しみです。


善き羊飼いとしてのキリスト
ラヴェンナ、
Petar Milošević, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons



楽園のキリスト
 ラヴェンナ サン・ヴィターレ聖堂
Basilica of San Vitale, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
チマーブエ
玉座の聖母子
1290頃
ウフィツィ美術館


ジョット
荘厳の聖母
1305-10年頃
ウフィツィ美術館

(過去2回の松浦先生の西洋美術史シリーズについてはご興味があればこちらをご参照(リンク)ください。画像も多少あります。)


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2025年7月27日日曜日

2025後期講座 盛期ルネサンス

2025美術2後期のスケジュール

西洋美術史入門-盛期ルネサンス

講師:多摩美術大学教授 松浦 弘明先生

美術においてルネサンスとは何を目指していたのでしょうか。そしてその動向をひとつの完成形へと導いた芸術家たちはどのような制作意図に基づいていかなる作品を残したのでしょうか。誰もが知っている有名な巨匠たちの作品の内に秘められた芸術家の思想を探り出していきます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ
『受胎告知』
1475年 - 1485年
ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

【場所】新百合21ビルB2多目的ホールにて

【時間】 毎回10時30分~12時00分、第7回のみ10時00分~11時30分 (計12回)

***オンライン受講できます***

1 10/10(金) 1470年までのルネサンス美術の展開

2  10/24(金) フィレンツェの二大工房

3  10/31(金) 若きレオナルド・ダ・ヴィンチの仕事

4  11/21(金) レオナルドの《岩窟の聖母》

5  11/28(金) レオナルドの《最後の晩餐》(1)

6  12/12(金) レオナルドの《最後の晩餐》(2)

7  12/26(金) ボッティチェッリの「神話シリーズ」(1)

8  1/9(金) ボッティチェッリの「神話シリーズ」(2)

9  1/30(金) ミケランジェロと古代彫刻

10  2/13(金) ラファエッロの芸術的基盤

11  2/27金) ラファエッロの《アテネの学堂》(1)

12  3/13(金) ラファエッロの《アテネの学堂》(2)


多摩美術大学教授 松浦弘明先生(西洋美術史専攻)のプロフィール

イタリアの中世・ルネサンス美術を様々な視点から分析し、そこから得た情報を現代に可能な限り還元することを研究テーマとしている。

主要著書・論文:『イタリア・ルネサンス美術館』(東京堂出版)、『イタリア・ルネサンス美術史』(河出書房新社)、『ラファエロ 作品と時代を読む』(共著 河出書房新社)、『システィーナ礼拝堂を読む』(共著 河出書房新社)など

トイビト 学問したいすべての人へ | トイビト (toibito.com)にて西洋美術史に関するコラムを連載中。

ただいま受講募集中です。

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2025年7月25日金曜日

第12回 その他の美術と19世紀への扉

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回はルーベンス、ベラスケス、ジョルジュ・ラ・トゥール、アルテミジア・ジェンティレスキ、フランス・ハルス、ピーテル・デ・ホーホ、ブリューゲル一族、ムリョーリョ、ホセ・リベラ、シャルダン などを紹介していただき、パステル画についてもお話がありました。

カラバッジョの影響をうけている絵をみせていだきました。そういう画家を「カラバッジェスキ」というそうです。 

カラバッジョ
キリストの埋葬
1602-03
バチカン美術館


ルーベンス
埋葬
1612-13
カナダ国立美術館



ルーベンス
ろうそくを持つ老婆と少年
1616-17
マウリッツハイス美術館
ジョルジュ・ラ・トゥールの活動地域はロレーヌ地方。

ジョルジュ・ラ・トゥール
大工の聖ヨセフ
1640年代
ブサンソン美術館

貧困層の子供たちの絵は 慈善活動により死後の救済を願う主題として富裕層が注文しています。

ムリョーリョ
ブドウとメロンを食べる少年
1645-46
アルテ・ピナコテーク (ミュンヘン)

パステル画もいろいろ紹介してくださいました。

ジャン=エティエンヌ・リオタール
チョコレートを運ぶ娘
1744
ドレスデン国立美術館
パステル画



モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール
ポンパドゥール夫人
1749 -1755
ルーブル美術館
パステル画
(177センチの大きい絵、紙は今はキャンバスで裏打ちされている)

新古典主義の時代のあとにロマン主義が流行してきます。
池上先生、またの機会に続きの講座をお願いしたく思います。4か月間ありがとうございました。

ユベール・ロベール
ローマ神殿の遺跡の中で祈る隠者
1760頃
ゲティ・センター

ただいま秋の講座受講募集中です。

次回は松浦弘明先生の盛期ルネサンスです。

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2025年7月18日金曜日

第11回 産業革命とイギリス美術

池上英洋先生の西洋美術史講座、今回はイギリスの18世紀美術を概観するとして 社会構造を踏まえながら特にホガーズ、ターナーの美術を味わって見ていきました。また、イギリス風景画の系譜も教えていただきました。

ホガースの版画は大衆に受け入れられました。

読み込むと面白い絵です。

油彩原画をアトリエで展示→銅版画販売という形をとったそうです。版画は一般の人々も安く買うことができます。

ホガース
当世風の結婚シリーズ 伯爵夫人の謁見の儀
1743
ロンドンナショナルギャラリー



ホガース
放蕩息子の一代記 八枚連作
原画1732-33
ロンドン、ソーンズ美術館

ホガース
放蕩息子の一代記
版画シリーズ
1735

ターナーは地誌的水彩画(イギリス各地の風景画)を多く描いていました。(イギリス国内旅行がそのころ一般化する。)

水彩画を描くには技術力が必要で、ターナーは本当に上手です。絵画のヒエラルキーでは油絵より評価が落ちるのだそうで(値段も安い) 後年は油絵を描くようになります。

ターナー
夜明けのサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会
1819頃
紙に水彩 22.4×28.7センチ

絵の研究はとても熱心で「空のスケッチ帖」が残されていますし、自作の携帯用水彩パレットも残っています。

https://www.tate.org.uk/search?type=artwork&q=turner+++Skies+Sketchbook

ターナー
雨、蒸気、スピードグレート・ウエスタン鉄道
1844
カンヴァスに油彩 ロンドン ナショナルギャラリー

イギリスの風景画家たちの紹介もたくさんしていただきました。

クロード・ロラン

イタリアにおける風景画の第一人者

誇張がある。贋作対策のための「真実の書」を著す

クロード・ロラン
<シバの女王の乗船>
1648
ロンドン、ナショナルギャラリー

コンスタブル 丁寧な描き方。ターナーと比較される

ジョン・コンスタブル
主教の庭から見たソールズベリー大聖堂
(左下は主教夫妻)
1825
※ 先生の見せてくださったのはフリックコレクションのもの
空などが違う

サミュエル・パーマー

水彩画とエッチングによる幻想的作品

サミュエル・パーマー
A Moonlit Scene with a Winding River
1827
イエール英国美術センター

ターナー、光に愛を求めて 

この映画をお勧めしてくださいました。



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2025年7月11日金曜日

第10回 新古典主義とロマン主義美術

 池上英洋先生の西洋美術史講座、今回は新古典主義とロマン主義美術についてでした。

新古典主義とロマン主義はどちらも古代への憧憬や政治的背景を持つ点は共通なのだけれど、違いがあります。その違いについて詳しく説明していただきました。

まず、前回のナポレオンのお話の続きがありました。当時の社交界の華のレカミエ夫人は信念のある女性のようでした。(ナポレオンが描かせようとしたダヴィッドによる<レカミエ夫人の肖像>は夫人が気に入らなかったことによって未完)下の絵はレカミエ夫人自身が認めたもの。

フランソワ・ジェラール
<ジュリエット・レカミエ>
1802-05
パリ、カルナヴァレ美術館

古代世界に対する憧憬はルネサンス以来ヨーロッパに常にあったそうです。

ヴィンケルマンの芸術論の一部を紹介していただきました。

ピラネージ
「ローマの遺構」版画シリーズ
18世紀
東京大学総合図書館所蔵 亀井文庫 ピラネージ画像データベース(拡張版)より




ジェローム
<ピュグマリオン>
1890
メトロポリタン美術館

1824 サロン 同じ部屋に展示された 新古典主義とロマン主義の絵画
違いが判ります。

先生の説明
新古典主義:ダヴィッド→ アングル  規範はラファエロ
ロマン主義:ジェリコー→ ドラクロワ  規範はミケランジェロ
と考えるとわかりやすいです。 多くの画像で説明していただきました。

ドラクロワ
<キオス島の虐殺>
1823-24
ルーブル美術館


アングル
<ルイ13世の誓願>
1824
モントーバン大聖堂

ドラクロワとショパン、ジョルジュサンドについての話もありました。

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2025年6月27日金曜日

第9回 フランス革命とナポレオン

池上英洋先生の西洋美術史講座、18-19世紀のフランス革命とナポレオンについて教えていただきました。

フランス革命を機に18世紀の美術はガラッと変わりました。

18世紀前半の中心はロココ⇒宮廷文化

後半の中心が新古典主義とロマン主義⇒反宮廷文化


フランス革命のシンボルとして「フリジア帽」(真ん中の赤い帽子)と三角の目があるのだそうです。

フランス人権宣言
(人間と市民の権利の宣言)
パリ カルナヴァレ博物館
ジャン=バティスト・ルニョー
(ダヴィッドと同じ新古典派の画家)
<自由か死か>
1795
ハンブルク美術館

ダヴィッドについてですが、フランス革命が本格化していく過程で、革命政府の理想的画家としてまつりあげられたのだそうです。時代の中で翻弄されていった画家でもあるそうです。

<ホラティウス兄弟の誓い> 共和制ローマの一コマ。国への忠誠が主題

ジャック・ルイ・ダヴィッド(1748-1825)
<ホラティウス兄弟の誓い>
1784
ルーブル美術館

次の絵はもともとルイ16世の依頼によって制作された作品(つまり共和制への共感から描かれたものではない)
ジャック・ルイ・ダヴィッド
<ブルートゥス邸に彼の息子たちの遺体を運ぶ刑吏たち>
1789
ルーヴル美術館


ナポレオン従軍画家であったグロも時代に翻弄された画家でした。
アントワ-ヌ=ジャン・グロ
<ヤッフアのペスト患者を見舞うボナパルト>
1804(実際の出来事は1799)
ルーヴル美術館

ダヴィッド<マラーの死>は何枚も同じ絵が描かれているのだけれど、手紙の文面が異なっていたりするそうです。
また、他の美化されているナポレオンの絵、かつてのローマ民主制、ギリシャ民主制ポリスを踏まえている絵画の説明もしていただきました。絵画もナポレオン称揚のために考え抜かれているなあと感じました。


オリンピアにあったゼウス神殿の復元想像図
(19世紀の当時、考えられていたイメージ)
1904
Luckenbach, H. (Hermann), 1856-1949,
Public domain, via Wikimedia Commons

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル
玉座のナポレオン
1806
パリ 軍事博物館

この時代のおすすめ歴史映画


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講座の充実度はブログでは紹介しきれません。会場での単回受講もお試しください。

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