2024年12月13日金曜日

第8回マザッチョの革新

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回はマザッチョの作品を中心にお話がありました。

ルネッサンスの芸術家たちが求めたものは「イルージョン」。

マザッチョから始まったともいえるそうです。ジョットの遠近法は「経験的遠近法」としたら、マザッチョの遠近法は「科学的遠近法」。「三位一体」は目の高さに合わせて計算しているそうです。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会には ジョットの磔刑図、ブルネレスキのキリスト像、マザッチョの三位一体、と、ルネッサンス期に重要な3つの作品があるので、フィレンツェでは必ず訪れてください、とのことです。

マザッチョ
三位一体
1427頃
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会



サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
Xosema, CC BY-SA 4.0
 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


ブランカッチ礼拝堂の「貢の銭」についても詳しく説明していただきました。教会の窓から太陽の光が差し込む場所を考えて「影」の表現がなされているそうです。確かに右上から光が差しています。

画像は大きくできますので異時同図、こっそりと描かれているマザッチョ自画像など復習がてらお楽しみください。

貢の銭
サンタ・マリア・カルミネ教会 ブランカッチ礼拝堂 フィレンツェ
1425頃
サンタ・マリア・カルミネ教会 ブランカッチ礼拝堂 フィレンツェ
I, Sailko, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

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松浦先生の講座は単回受講が現在申し込めます。

1月に諸川先生の特別講座があります。

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2024年12月1日日曜日

お知らせ 特別講座「絵画は劇場になった!」

 特別講座のお知らせです。モロカワワールドへようこそ!!

「絵画は劇場になった!」-絵画と演劇との関係をめぐって

講師:多摩美術大学名誉教授 諸川春樹

第1回 2025.1.17(金曜日)10:00~11:30

第2回 2025.1.24(金曜日)10:00~11:30

 小田急線 新百合ヶ丘駅北口 すぐそば 新百合21ビルB2 多目的ホール

 受講料:各回1500円(税込み、資料代込み)

※対面講座のみになります。

講座概要

今回の特別講義は絵画と演劇の相互関係を美術作品から読み解く試みである。

●1月17日(金)・第1回(10~15世紀前半)

古代に盛んに行われた演劇はキリスト教支配下に次第に影を潜めてしまった。しかし10世紀に教会が布 教の一環として演劇的な「交唱」を認めてから聖史劇が発展し、演ずる場も教会内部から町の公共広場へ向 と移された。再び人々の生活の一部となった演劇は、異時同図や感情表現など当時の壁画や祭壇画にも 影響を及ぼした。今回はこの時期の演劇と絵画との相互関係について理解することを目標とする。

●1月24日(金)・第2回(15世紀後半~17世紀)

15 世紀初頭に遠近法が発明されると絵画にも観劇しているようなリアルな感覚が求められた。絵画がい わば劇場のようになる。レオナルドの「最後の晩餐」はその典型だといえよう。同じ頃ウィトルウィウスの『建築論』が再発見されると絵画の「劇場化」と相まって、古代劇場の再生の 機運が高まり、ついに16世紀末、古代以来初の本格的な劇場テアトロ・オリンピコが完成する。この流 れから17世紀以降にオペラが誕生することになるのである。

諸川先生プロフィール

1953年東京都生まれ。
1979年東京大学文学部史学科卒業。 
1988年東京大学大学院人文科学研究科西洋美術史専攻博士課程単位取得満期退学。東大文学部文化交流研究施設助手
1989年多摩美術大学美術学部学科講師。 
1992年同助教授。1996年同教授。2023年同名誉教授。
著書に『ART GALLERY テーマで見る世界の名画 9 神話と物語創造の玉手箱』集英社2018年5月。『バロックの魅力』東信堂2007年3月。『彫刻の解剖学』ありな書房2010年10月 他多数。

・事前申込み制です。申込みをせず当日会場に来られても受講できません。
・1回のお申込みで1名(申込み者)の受講となります。
・各回1500円(税込み、資料代込み) 当日受付でお支払いください。
・ 先着順で受付けています。定員(200名)になり次第、締切ります。

・お申込み後、ご都合が悪くなった場合は「申込み・問合せ先」までキャンセルのご連絡をお願い致します。








この講座のWEB申込み、問い合わせ先

♡❤ この講座は11時半に終了します。お友達をお誘いして講座に参加、
終了後に新百合ヶ丘でランチしながら講座の感想など語り合うのはいかがでしょうか?❤♡

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2024年11月29日金曜日

第7回初期ルネサンス美術の始まり

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、第7回は「初期ルネサンス美術の始まり」と題し、主にブルネレスキのお話をしていただきました。

ブルネレスキは先週の1401年のフィレンツェ洗礼堂門扉コンクールのお話でギベルティと競った人として紹介されました。

ブルネレスキは古代彫刻に興味があったようで、門扉コンクールでの浮彫彫刻の左隅の少年像はギリシャ彫刻の「とげを抜く少年」を踏まえています。

その後、ブルネレスキはドナテッロとともにローマに向かったとされています。(ヴァザーリ 美術家列伝)。ローマではパンテオンなど古代建築や彫刻など学んだ模様です。

ブルネレスキ
イサクの犠牲
パルジェッロ美術館
Armin Kleiner, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


とげを抜く少年
BC3c-1c
カピトリーノ美術館
Capitoline Museums, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

ブルネレスキはフィレンツェの画像でまず目にするフィレンツェ大聖堂のクーポラを作った人として有名です。ローマでしっかり建築を学んだのですね。

フィレンツェ大聖堂は長らくクーポラがないままの建築でしたが、大円蓋の設計者を決める1417年コンクールが開催され、1420-36,ブルネレスキの設計による大円蓋が建造されました。中は二重構造になっているそうです。

Florence, Italy (Unsplash pRU-VnBVJMQ)

そのほか、ブルネレスキの遠近法の透視図法,ブルネレスキ、ドナテッロの彫刻など紹介していただきました。

ドナテッロの聖マルコ像は完成度が高いといわれています。

ドナテッロ
聖マルコ
1411
オルサンミケーレ教会大聖堂付属博物館
Donatello, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

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2024年11月22日金曜日

第6回 フィレンツェ洗礼堂門扉装飾のためのコンクール

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は「フィレンツェ洗礼堂門扉装飾のためのコンクール」としてお話がありました。

まずどうしてコンクールが行われたのか?と説明がありました。

14世紀初頭ジョットによって絵画の革新があったわけなのですが、その後あまり絵画が変わっていかなかった。停滞していた。そのマンネリ化を打破する試みとしてフィレンツェ洗礼堂門扉装飾の「コンクール」が1401年に行われたとのこと。

ジョットとタッデオ・ガッティの作品の「金門での出会い」や「聖母子像」で比較してみます。タッデオ・ガッディはジョットの下で何十年も働いた人なのだそうです。ジョットの方が動きや感情がみられます。

ジョット
1305頃
金門での出会い
スクロヴェーニ礼拝堂



タッデオ・ガッディ
金門での出会い
1330頃
バロンチェッリ礼拝堂(サンタクローチェ教会内部)
Armin Kleiner, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

チマーブエ
サンタ・トリニタの聖母
1290頃
ウフィツィ美術館
ジヨット
1305-10頃
オンニサンティの聖母
ウフィツィ美術館
タッデオ・ガッティ
1355年
ウフィツィ美術館
サン・ルッカ―ゼ聖堂(ポッジボンシ、トスカーナ州)より

1401年フィレンツェ洗礼堂門扉装飾のコンクールが行われました。ギベルティとブルネレスキで「イサクの犠牲」が競われ、ギベルティが選ばれ、門扉装飾を委託されます。

フィレンツェ サン・ジョヴァンニ洗礼堂
Georges Jansoone, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons
ギベルティ
Armin Kleiner, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
ブルネレスキ
Armin Kleiner, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

コンクールのギベルティの「イサクの犠牲」は相当に力の入った構成の彫刻に思えますが、実際にギベルティが門扉制作を委託されてから作り始めた「受胎告知」はすこし質が落ちているように思えませんか?と松浦先生。

ギベルティ 受胎告知
北門扉
I, Sailko, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

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2024年11月21日木曜日

単回受講のご案内

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、気になっていた方に朗報です。

今回 単回で受講できることになりました。

マザッチョ
貢の銭
1425-27
ブランカッチ礼拝堂、フィレンツェ

第7回 11/29(金) 初期ルネサンス美術の始まり

第8回  12/13(金) マザッチョの革新

第9回  1/10(金) 初期ルネサンス美術の展開 1430年代の動向

第10回  1/31(金) 初期ルネサンス美術の展開 1440年代の動向

 この4回の講座です。

申込み期間 10/15(火)13:00 から 各受講希望日の7日前まで

受講料 1 回につき2,000 円(税込み、当日現金支払い)

いくつでも申込めます(会場受講形式のみ、先着順受付)


申し込み方法、詳細はこちらから(リンク)

他にも受講できる講座がありますので、どうぞPDFのチラシをダウンロードしてご覧ください。

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2024年11月8日金曜日

第5回 ジョットの影響

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「ジョット」で絵画に革新が起こった後、ジョットをどう消化していったか、どう反発していったかの説明がありました。ロレンツェッティ兄弟やシモーネ・マルティーニなどを紹介していただきました。

同じ場面二つを並べて比較していくと、どう変わっていったのかがよくわかるそうです。

ピエトロ・ロレンツェッティ
『最後の晩餐』
アッシジのサン・フランチェスコ聖堂下堂
1310年代後半

ジョット
最後の晩餐
1303-05
スクロヴェーニ礼拝堂

ピエトロ・ロレンツェッティ は構図が△になっていてイエスがはっきりとわかる、建築や服装、人々が同時代的、月も出ていて夜とはっきりとわかります。猫ちゃんもいますよ。
マタイ福音書、ヨハネ福音書での最後の晩餐についての記述を読みながら解説していただきました。

ピエトロ・ロレンツェッティ
イエスの逮捕
アッシジのサン・フランチェスコ聖堂下堂
1310年代後半


ジョット
ユダの接吻
スクロヴェーニ礼拝堂
1303-05


ジョットは「松明」を持っていることでで夜だとわかります。ロレンツェッティの方は空も暗く、星も見え、月の位置で時間が経過し明け方だとわかります。そのほか異なっているところを比べていきました。


受胎告知の場面についてもジョット、シモーネ・マルティーニそのほか時代の比較をしました。
シモーネ・マルティーニ(共同制作)
1333
受胎告知
ウフィツィ美術館

アンブロージョ・ロレンツェッティ
受胎告知
1344
シエナ国立美術館

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2024年10月25日金曜日

第4回スクロヴェーニ礼拝堂装飾の魅力

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「西洋美術史入門-プロト・ルネサンスと初期ルネサンス」、今回はスクロヴェーニ礼拝堂装飾の魅力についてお話ししていただきました。

イリュージョンは芸術の基本、スクロヴェーニ礼拝堂では礼拝堂の空間全体をカンバスのように見立てていて、場面間に連続性があります。「どこに立って」「どう見ていたか」という説明がありました。

どのように回ってどこで立ちどまりキリストのお話を聞くか、悪徳と美徳を体感するか、想像していきます。

スクロヴェーニ礼拝堂のジョットの絵画は一枚づつ見るのではなく、その空間で感じることが大切なようです。

イタリアは遠いですが、徳島県に「大塚国際美術館」があり、そこで同じ空間が体験できるので行ってみるといいとお勧めされました。


Cappella degli Scrovegni - scheme (EN) by shakko
スクロヴェーニ礼拝堂の内部絵画の配置図
(松浦先生配布のものではありません。)
ウィキメディアから

二つの場面を一セットとしてみるものもあります。
Cappella degli Scrovegni Padova 16
ゴルゴタへ向かうキリストとキリストの磔刑
FrDr, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で
Right wall (2) - Capella degli Scrovegni - PAdua 2016
キリストの埋葬とキリストの復活
© José Luiz Bernardes Ribeiro
<キリストの昇天>と<聖霊降臨>
© José Luiz Bernardes Ribeiro

Cappella degli Scrovegni (Padua) - Interior 02
<キリストが昇天>してその方向をたどると天井にパントクラトールのキリストが。
そこからまた視線を落とすと<聖霊降臨>の場面になります。
Derbrauni, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で

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2024年10月11日金曜日

第3回 ジョットの革新

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は「ジョットの革新」でした。


前回に引き続き聖母子像の変遷を見ていきました。

私たちは「その時代の目」となって絵を見ることが肝要だそうです。

ジョットの<オニサンティの聖母>はその時代 革新的だったそうです。

どこが革新的だったのか?

空間表現は当時最先端のゴシック建築となっています。天使の位置、玉座、なども細かく見ていきました。

ジヨット
1305-10頃
オンニサンティの聖母
ウフィツィ美術館


昨年の松浦先生の講座で説明がありましたが、彫像について、ロマネスク時代(彫像が柱と一体化している)→浮彫力が進み柱から彫像がだんだん自立してくる といった時代の変化と同じことが絵画でも起こっていたと考えられるそうです。
ジョット
最後の晩餐
1303-05
スクロヴェーニ礼拝堂
参考 2024 2月松浦先生講座 盛期中世美術(2)聖堂装飾(←リンク)

最後の晩餐を例に ジョットとそれ以前の作品との比較で革新性を見ていきました。

The Last Supper (San Marco)
ヴェネツィア サンマルコ寺院
1170頃
作者不詳 (モザイク)

次回もスクロヴェーニ礼拝堂の壁画について詳しく説明していただけます。

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2024年10月4日金曜日

第2回 ルネサンスへの胎動

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「西洋美術史入門-プロト・ルネサンスと初期ルネサンス-」今回は<ルネサンスへの胎動>と題してお話がありました。

 ルネサンスはなぜフィレンツェ周辺で生まれたか、フィレンツェにおける聖母子像の変化、聖フランチェスコの物語とその表現など見ながら、中世からジョットまでを主に見ていきました。

聖母子像の見るときのポイントとして

   ★人物表現

      マリアとイエスのポーズ

      マリアとイエスの位置関係

      彫像性(頭部・手足・衣服)、目の大きさ

   ★空間表現

      玉座の形態

      天使の大きさや位置

を注目するといいとのことだそうですが、6世紀ごろから13世紀初めまであまり形が変わらなかった聖母子像が13世紀半ばから14世紀初めのジョットまでのうちにずいぶん変わっていったことがわかりました。


玉座の聖母子 
560年頃 
ラヴェンナ サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂


カザーレの聖母
作者不詳 1230頃
ウフィツィ美術館

コッポ・ディ・マルコヴァルド
聖母子
1265頃
St. Martino dei Servi, Orvieto.


チマーブエ
サンタ・トリニタの聖母
1290頃
ウフィツィ美術館
ジヨット
1305-10頃
オンニサンティの聖母
ウフィツィ美術館


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2024年9月27日金曜日

第1回 古代から中世にかけてを概観する

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「西洋美術史入門-プロト・ルネサンスと初期ルネサンス-」が始まりました。これから12回よろしくお願いいたします。

また、今回から新百合21ホールのネットワーク事情がよくなりました。

前回までオンライン受講の方々には時折通信事情が悪いときがあり、事務局様も私たちも時々ドキドキしておりました。今回からはオンライン受講の皆さんも安心していられます。よかったです。

さて、今回は「古代から中世にかけてを概観する」と題して、美術の変化とその理由をざっと見ていきました。昨年度受講された方はこちらのブログでも思い出してくださいね。

西洋美術の古代から中世へ

古代美術(ギリシア・ポンペイ・ローマなど)で人物表現、空間表現がリアルであったのに対して中世美術では意図的に写実から離脱していったこと。

その理由として宗教(キリスト教)があることなど説明していただきました。

もう一度ゆっくり見てみてみたい画像を貼っておきます。

アレクサンドロス大王のモザイク
イッソスの戦い
(ポンペイ ファウヌスの家にあったもの)
紀元前330年が原作
BC100−120頃
国立考古学博物館、ナポリ

ボスコレアーレのプブリウス・ファンニウス・シュニストル荘
(ポンペイ第二様式)
BC1世紀後半
メトロポリタン美術館
Metropolitan Museum of Art, CC0, via Wikimedia Commons


善き羊飼いとしてのキリスト
ラヴェンナ、ガッラ・プラチディア廟堂
451-50頃
Petar Milošević, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


楽園のキリスト
 ラヴェンナ サン・ヴィターレ聖堂
547頃
Basilica of San Vitale, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


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2024年8月1日木曜日

2024後期美術2スケジュール

2024美術2後期のスケジュールが発表されました。

みなさんどうぞお申し込みください。

西洋美術史入門-プロト・ルネサンスと初期ルネサンス

多摩美術大学教授 松浦 弘明先生

300年にも渡るルネサンス期の美術のうち、レオナルド・ダ・ヴィンチが登場する以前の時期に絞って、主要作品の図像と様式の特徴をわかりやすくお話ししていきます。


新百合21ビルB2多目的ホールにて


オンライン受講できます。

【時 間】 毎回10時30分~12時00分、第6回のみ10時00分~11時30分 (計12回)

Padova Cappella degli Scrovegni Innen Langhaus Ost 1
スクロヴェーニ礼拝堂
ジョットによる壁画
1304-06
Zairon, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

 1 9/27(金) 古代から中世にかけてを概観する

2 10/4(金) ルネサンスへの胎動

3 10/11(金) ジョットの革新

4 10/25(金) スクロヴェーニ礼拝堂装飾の魅力

5 11/8(金) ジョットの影響

6 11/22(金) フィレンツェ洗礼堂門扉装飾のためのコンクール

7 11/29(金) 初期ルネサンス美術の始まり

8 12/13(金) マザッチョの革新

9 1/10(金) 初期ルネサンス美術の展開 1430年代の動向

10 1/31(金) 初期ルネサンス美術の展開 1440年代の動向

11 2/14(金) 初期ルネサンス美術の展開 1450年代の動向

12 2/28(金) 初期ルネサンス美術の展開 1460年代の動向

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ただいま受講受付中 リンクこちらから。

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※ 来期は諸川春樹先生の西洋美術史入門講座が月曜日午前中・溝ノ口で開催されます。
リンクでお確かめください。

2024年7月26日金曜日

第12回近世の人々の暮らし

 池上英洋先生の西洋美術史講座、第12回、今回が最終日でした。

リナルデスキの物語を通して当時の信仰の厳格さを知りました。

ルネサンスが衰退していった原因として、共和制から君主制に代わっていったこと、傭兵制システムが限界にきたこと、大航海時代による重心の移動、宗教改革があげられます。

大航海時代については、当時の地図で説明していただきました。新大陸発見前と後とでは世界の認識に大きな異なりがありますし、地図上での世界の中心がエルサレムだったりします。

また、絵画の支持体としてのカンヴァス、油絵、そしてマニエリスムの説明をしていただきました。


Hereford-Karte
ヘレフォード図
13世紀
ヘレフォード大聖堂 イギリス


(Venice) Fra'Mauro's World Map - Biblioteca Nazionale Marciana
フラ・マウロによるマッパ・ムンディ(世界地図)
ヴェネツィア製
1459

四都図・世界図 神戸市立博物館

  

マニエリスムの絵画には難解な意味があります。

Parmigianino - Madonna dal collo lungo - Google Art Project
パルミジャ二ーノ
長い首の聖母
1534-40
Uffizi

Pala pesaro 01
ティツィアーノ
ペーザロ家の祭壇画
1519-26
サンタマリア・グロリオーザ・ディ・フラーリ聖堂 ヴェネツィア


Beccafumi, Domenico - Fall of the Rebel Angels - San Niccolo al Carmine, Siena
ベッカフーミ
最後の審判
1526‐30頃
シエナ、サン・二コロ・アル・カルミネ

ブロンツィーノの<愛のカテゴリー>の解釈については メディチ家の事情の説明もありました。
Angelo Bronzino - Venus, Cupid, Folly and Time - National Gallery, London
愛のアレゴリー
アーニョロ・ブロンツィーノ
1540‐45頃
ロンドンナショナルギャラリー


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ただ今 秋の講座受付中。オンライン受講もできます。

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※ 来期は金曜日午前 新百合ヶ丘にて松浦弘明先生のプロト・ルネサンス,初期ルネサンスの西洋美術史、
諸川春樹先生の西洋美術史入門講座が月曜日午前中・溝ノ口で開催されます。
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