2023年1月20日金曜日

第11回 怪物の画家?ボッス

 諸川春樹先生の西洋美術史講座、今回は「怪物の画家?ボッス」でした。

ヒエロニムス・ボッス(1450-1516頃)の生きた時代はレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452- 1519)とほぼ同じ。(二人が接触したかどうかはわからないそうです。)

ボッスは悪魔、怪物の画家として有名ですが、怪物の画家というよりも「我々に対して戒めを示す画家」でもあるようです。

今回は大量の画像を見せていただきました

★七つの大罪。

フェリペ二世はこの絵を自室にかけ、いつも見ていたそうです。

大きな丸は「目」。目の中心はキリスト。七つの大罪、あなたはどれを犯していますか?

ボッス
七つの大罪
プラド美術館


七つの大罪、中央の目拡大。


★パトモス島の福音書記者聖ヨハネ


ボッス
パトモス島の福音書記者聖ヨハネ
ベルリン美術館

 メムリンク
マリア・ヨハネ祭壇画(聖カタリナの神秘の結婚)の右側
1479年
メムリンク美術館、ブリュージュ



★聖アントニウスの誘惑(祭壇画)

丹毒の治療で知られた修道士聖アントニウスのお話をしていただきました。

悪魔が多く登場し、誘惑します。

ボッス
聖アントニウスの誘惑(祭壇画)
リスボン国立美術館


グリューネヴァルド
(イーゼンハイム祭壇画の中より)
聖アントニウスの誘惑
1515
ウンターリンデン美術館


★東方三博士の礼拝 

伝統的な祭壇画形式だが、随所に革新的な表現。よく見ると不思議。

ボッス
東方三博士の礼拝(祭壇画)
プラド美術館


★快楽の園(祭壇画)外扉。「天地創造」

ボッス
快楽の園(祭壇画)外扉 天地創造
プラド美術館

先生に見せていただいたほかの絵も検索して復習してみてください。



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2023年1月13日金曜日

第10回 「世紀末」の画家たち:シント・ヤンス、ダフィット、マセイス

 諸川春樹先生の西洋美術史講座、麗しの中世ゴシック絵画、≪「世紀末」の画家たち≫シント・ヤンス、ダフィット、マセイスについて多くの画像を見せていただきました。


★へ―ルトン・トット・シント・ヤンスののびやかで穏やかな素朴な宗教心。

音楽に囲まれているような絵画も。

へ―ルトン・トット・シント・ヤンス
聖母子
1480年代
ロッテルダム、ボイマンス・ファン・ブニンヘン美術館

左上には羊飼いのお告げの図。

へ―ルトン・トット・シント・ヤンス
聖夜
1480-85頃
ロンドン・ナショナルギャラリー


★ヘラルト・ダフィット

 イタリアルネサンスの影響も感じられます。

ほかの画家のカナの婚礼の比較も興味深かったです。

ヘラルト・ダフィット
カナの婚礼
1503頃 ルーヴル美術館


赤ちゃんにミルクスープを食べさせている優しいお母さんに見えます。


ヘラルト・ダフィット
ミルク・スープ(粥)のある聖母子
1515
ブリュッセル王立美術館

当時人気のテーマのため、本人によるレプリカがいくつかあります。

★クエンティン・マセイス(マッサイス)

レオナルド・ダ・ヴィンチなどイタリア絵画の影響によるマニエリスムの代表画家。

クエンティン・マセイス
両替商とその妻
1514
ルーブル美術館

※ 参考 第6回ペトルス・クリストゥス


マセイスの絵の中の登場人物には レオナルド・ダ・ヴィンチの「グロテスクな頭部」の素描の影響をうけたものがあります。そしてこの絵は不思議の国のアリスの挿絵へも影響が。。

クエンティン・マセイス
醜い伯爵夫人
1513
ロンドンナショナルギャラリー


Illustration by John Tenniel,
published in 1865
in Alice's Adventures in Wonderland.
公爵夫人
             


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2022年12月9日金曜日

第9回 15世紀ドイツの善き画家たち

諸川春樹先生の西洋美術史講座、麗しの中世ゴシック絵画、今回もどの絵も麗しかったです。

国際ゴシック:神聖ローマ帝国皇帝カール4世の宮廷(プラハ)にはヨーロッパ各地から美術家が集まり、ボヘミア派が形成されました。

当時、画家は旅行したりもしているようです。馬があるのでイタリアなどにも行けます。フランドルもドイツも案外近い。川もある。パリの写本画の影響もあります。ルネッサンス以前の祭壇画に遠近法や空気遠近法の表現があるとお話がありました。

国際ゴシックで描かれる人物像の特徴の説明もありました。

また、北方では彫刻が先行し、祭壇の彫刻を守るための祭壇画(扉のような感じ)となっていたりもするそうです。

聖人聖女については繰り返し説明があります。諸川先生は時々「テスト」をくださいます。アトリビュート、持物をもとに、これは誰でしょう?と問われるのですが、そういうことを心の中で答えたり、違う画家による同じ場面、表現の違いを具体的に見せてくださるところも楽しいです。


聖ヴェロニカ

聖ヴェロニカ
1420頃
ヴェロニカの画家
ミュンヘン、アルテ・ピナゴーク


聖ヴェロニカ
ロベール・カンパン
1410
シュテーデル美術館

聖ヴェロニカ
メムリンク
1470
ナショナルギャラリー(ワシントン)


典型的な国際ゴシックの絵、上部ライン地方の画家による「パラダイスの小園」。聖人聖女がたくさん。美しいです。


パラダイスの小園
1410-20
上部ライン地方の画家
フランクフルト・シュテーデル美術研究所


マギの礼拝
1442頃
ロッホナー
ケルン、大聖堂


薔薇園の聖母子
1448
ロッホナー
ケルン、ヴァルラフ・リヒャルツ美術館

聖人名がわかりますか?

教父の祭壇画
1480
パッヒャー
ミュンヘン、アルテ・ピナゴーク


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