2025年2月14日金曜日

第11回 初期ルネサンス美術の展開 1450年代の動向

 松浦弘明先生の西洋美術史講座 第11回初期ルネサンス美術の展開 1450年代の動向でした。

松浦先生がイタリア美術が好きな理由は「画家が描いた場面が追体験できる」からなのだそうです。美術館で感じるのと違います。

アンドレア・デル・カスターニョの「最後の晩餐」は「女子修道院」の食堂に描かれたもので右上の窓があります。実際の空間と光の関係が感じられます。

Cenacolo di sant'apollonia, interno 01
アンドレア・デル・カスターニョ
1447年ごろ
フィレンツェ サンタポローニャ修道院
I, Sailko, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

また、ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの洗礼」や「キリストのむち打ち」についても詳しくお話ししていただきました。彼の絵はつるんとしていて当時のよく見かける絵画の趣とはちょっと異なっています。

数学に強い人だったそうで、一点透視図法など形に関することや 政治のこと⇒聖書に書かれているがその時代に大切なことを重ねて視覚化していること、など教えていただきました。

また、トスカーナの小さな町サンセポルクロ の教会にあったが何世紀にもわたり忘れ去られていたピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの洗礼」がコレクターによってロンドンに渡り、公開されたのは1861年のこと、セザンヌもそれを見て影響を受けたのでは?とのお話しにも驚かされました。

ピエロ・デッラ・フランチェスカ
キリストの洗礼
1452-55頃
ロンドン ナショナルギャラリー


セザンヌ
サン・ヴィクトワール山
1887頃
ロンドン コート―ルドギャラリー

キリストのむち打ち
ピエロ・デッラ・フランチェスカ
1455頃
ウルビーノ マルケ国立美術館

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2025年1月31日金曜日

第10回 初期ルネサンス美術の展開 1440年代の動向

 松浦弘明先生の西洋美術史講座第10回は<初期ルネサンス美術の展開 1440年代の動向について>でした。主にフラ・アンジェリコの「受胎告知」とパオロ・ウッチェロの「大洪水の終息」を中心に「図像解釈学」で解説していただきました。

フィレンツェのサン・マルコ美術館は元はドメニコ会の修道院。そこに暮らす修道士たちはキリストの物語はもうすでに充分知っています。

そんな中でのサンマルコ美術館の有名なフラ・アンジェリコの「受胎告知」の絵画はこれまで説明のあったような物語を語るための絵とは目的が異なります。

サン・マルコ修道院2階平面図
真ん中の階段を上がったところに
フラ・アンジェリコの「受胎告知」が描かれている

階段を登り自分の僧室へ戻る時必ず目にする<受胎告知>。

『受胎告知』1440–1445年
フラ・アンジェリコ
サン・マルコ修道院内部

内部廊下
from Web garalley of art 

↑絵の下方の銘文に

「処女マリアの像を前にしたとき、アヴェと挨拶することを忘れぬよう」とあります。

修道士たちは毎日心に刻んだことでしょう。


⇓他方、僧の独房の一つに描かれている「受胎告知」はとてもシンプルで、脇には聖書以外の人物の「殉教聖人ピエトロ」が描かれています。


受胎告知フラ・アンジェリコ1437-1443サンマルコ美術館 独房


パオロ・ウッチェロのフレスコ画は図像が斬新です。大洪水という主題を借りてその時代の宗教問題のテーマを描こうとしている、ということでした。細かく説明していただきました。ノアがどこにいるかわかりますか。

パオロ・ウッチェロ
創世記伝連作
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
『大洪水と終息』1447頃

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2025年1月24日金曜日

特別講座 絵画は劇場になった!-絵画と演劇との関係をめぐって(空間編)2

 諸川春樹先生の特別講座、<絵画は劇場になった!-絵画と演劇との関係をめぐって(空間編)>もとても驚く講座でした。本当に楽しく講座を受けました。ありがとうございます。

演劇が盛んになると 小道具や大道具、舞台背景などが本格的に発達していきます。その様子が絵画に現れたり、そのころ絵画で発明された「遠近法」の表現が舞台背景として取り入れられていったりと興味深い絵画や文化事情などのお話に驚かされました。

紹介された中のいくつかの画像を貼りますので 大きくしてご覧ください。

大天使ガブリエルの光輪のヘッドギアと羽根のランドセル‼

デル・コッサ「受胎告知」
1470頃 ドレスデン美術館


ボッティチェリ
神秘の降誕
1501
ロンドン・ナショナルギャラリー


ブルネスレスキの演劇装置「受胎告知」本物の1/25スケール
フィレンツェ 15-16世紀サン・フェリーチェ教会で演じられたものの模型での復元


(先生からご紹介はありませんでしたが、興味深いYouTubeがありましたのでシェアします。)

15世紀にウィトルウィウス(BC1世紀の建築家)の『建築論』が再発見され、そこに記された古代劇場の簡単な記述が「古代の劇場の再現」となっていきます。遠近法も舞台背景に適用可能?と考えられていきます。

ペルッルィ 遠近法の間
1515-17
ローマ ヴィッラ・ファルネジーナ



セバスティアーノ・セルリオ
(建築や遠近法についての著作より)「舞台背景(悲劇)」
1544頃

遠近法の舞台背景が絵画へも適用されていきます。(悲劇の舞台にはオベリスクと円柱があります。)

パリス・ポルドーネ
バテシバの水浴
1549頃
ケルン、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館

ティントレット
弟子の洗足
1547
プラド美術館

二コラ・プサン
アシュドドの疫病
1630
ルーブル美術館

このような時代背景があって、宮廷から都市の中の演劇空間へ独立した劇場「テアトロ・オリンピコ」が建てられることになります。

建築家パッラディオ
テアトロ・オリンピコ 1580-83
ヴィンセンツァ

テアトロ・オリンピコの動画を挿入しました。
Empire of the Eye: The Magic of Illusion" released in 2003, presented by da Al Roker, an american productor and actor.

絵画と演劇の関係、いかがでしたでしょうか。

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