2020年11月13日金曜日

バロック時代の美術:第5回:ルーベンス「マリー・ド・メディシス連作」

 ルーベンスは5つの建築装飾に携わったそうです。その中のひとつ、「マリー・ド・メディシス連作」すべてについてのお話をしていただきました。

今はルーブル美術館で展示されていますが、もともとは「リュクサンブール宮殿」の装飾の絵画です。絵と絵の間には窓もあります。

当時の「現代史」について古代神話の神々や擬人像を登場させて政治的批判を避け、面白みのない主題を華麗に劇的に盛り上げ描かれていて、リューベンスは本当に気配りしていたのだなあ、と感じました。

絵画を読み込むとほんとうにいろいろな象徴や下敷きになっている絵があることに驚かされます。

ルーブル美術館では、ゆっくり見る時間もとりにくいようですので、あらかじめ訪れる前に絵を読んでおくのもいいですね。


ルーベンス「マリーの戴冠」


ルーベンス「アンリ4世のアポテオーズと摂政統治の宣言」


ルーベンス「神々の会議」


ヴェルヴェデーレのアポロ
2世紀頃(ローマ時代の模刻)ローマ ヴァティカン美術館
Livioandronico2013, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

(諸川先生が数年前、ルーベンス展を神像など探してゆっくり楽しんだ、とおっしゃっていた理由がよくわかりました。ヴェルヴェデーレのアポロはその頃発掘され有名な彫刻でした。この姿は絵の真ん中で発見できます。)

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2020年10月30日金曜日

バロック時代の美術:第4回 プロテスタントの「宗教画」:レンブラントを中心に

 プロテスタントと美術についてのお話がありました。(ルター派、カルヴァン派など諸派あり。)プロテスタントでは、聖書を読むことなどが重要。

個人邸宅用の絵画について、版画のこと、プロテスタンティズムを表明する新しい主題の絵など いろいろなお話、絵の紹介をしていただきました。


★絵がかざられている様子がわかる絵。アントワープの市長ロコックス邸の大広間。

画中画を観察してみます。暖炉の上に飾られている絵はその位置にあるべくように描かれています。(そして、位置としては一番良い。)

フランス・フランケン2世<市長ロコックス邸の大広間>
1630-35頃 ミュンヘン アルテ・ピナゴーク


★レンブラントのエッチング。(刷りによって少しずつ違うそうです。)

個人が持つことができる絵。

レンブラント <三本の十字架>
1653 ドライポイントとビュラン
メトロポリタン美術館


★風俗画に見えますが、聖書を読んでいます。信徒のあるべき姿です。新しい主題。


レンブラント<預言者ハンナ(通称レンブラントの母)>
1631 アムステルダム 国立博物館

★かつてカトリック教会であったゴシック教会が 教会内部壁面真っ白のプロテスタントの教会に変わっています。瞑想を引き出します。牧師の説教が大切。

サーンレダム<ユトレヒトのビュールケルク内部>
1644 ロンドンナショナルギャラリー

エマヌエル・デ・ヴィッテ<デルフトのアウデケルク、説教を聞く人々>
1651 ロンドンナショナルギャラリー

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2020年10月23日金曜日

バロック時代の美術:第3回 対抗宗教改革と美術:カラヴァッジョ、ルーベンス、ベルニー二など

 対抗宗教改革:カトリック教会内部での改革がありました。北イタリアのトレントで公会議がありました。

宗教美術制作についてもカトリック教会からの要請があったのです。

主題や、品位の重視、わかりやすく、写実的で、見るものの心に強く働きかける。。など。


高橋裕子先生からいろいろな画像を見せていただきました。

★カラヴァッジョ。正面の聖マタイと天使は書き直しを命じられ書き直されたもの。

両側の絵は上の窓からの光の効果も考えられ描かれています。

カラヴァッジョ<聖マタイの召命><聖マタイと天使><聖マタイの殉教>
コンタレッリ礼拝堂 1600
ジオビア, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, attraverso Wikimedia Commons


★グエルチーノ <キリストの死を悼む二人の天使>
銅板に描かれた小さい絵。個人用に描かれたものだと思われます。

グエルチーノ <キリストの死を悼む二人の天使>
37cm×44cm 銅板に描かれている
ロンドンナショナルギャラリー 1617-18頃


★下のカラッチの絵も大きくはありません。
個人の礼拝用に描かれたものではないかということです。。絵の前でひざまずいて礼拝するように絵を見上げると、十字架の見え方も違ってくるそうです。

カラッチ<アッピア街道で聖ペテロに現れるキリスト>
77.4×56.3cm
1601~02 ロンドンナショナルギャラリー

★ベルニーニの<聖テレサの法悦>

両側にコルネー家の人たちが礼拝している彫刻があります。上部の窓からは光が降ってきます。一つの劇場のよう。

彫刻だけを写真でみるのとは違います。行ってみなくてはいけませんね。

ベルニーニの<聖テレサの法悦>
1647-52
ローマ、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会堂コルナロ礼拝堂
Luigi Mancini, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, attraverso Wikimedia Commons


Livioandronico2013, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, attraverso Wikimedia Commons


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その絵を誰がどのように礼拝していたのか考える。今美術館で見ている絵なども、どうしてその美術館にあるのか(どういう理由でルーブル美術館に収蔵されているのか、など。)と考える。そんな視点を持つと面白いそうです。

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