2018年6月15日金曜日

第7回 ゴーガン②:タヒチの時代を中心に

ゴーガンは絵にいろいろ意味を込めて描いていることがわかりました。

ポール・ゴーガン ≪光輪のある自画像≫
1889 ワシントン、ナショナルギャラリー

≪メイエル・デ・ハーン≫と対になっている絵です。
ゴーガンに光輪があり、蛇とリンゴが描かれています。

ゴーガン ≪愛せよ、されば幸ならん≫
1889、ボストン美術館、菩提樹に彩色
この浮き彫りにもいろいろ意味があり、
右真ん中の女性のポーズは「絶望」を意味し、
下のリンクの「ペルーのミイラ」の形がもとになっているそうです。
リンク⇒《ペルーのミイラ,12-15世紀、パリ、人類学博物館
右上の男性のポーズには性的なイメージがあるそうです。

ボロブドゥール遺跡のレリーフ(部分)
シッタルダ
8c後半~9c初め
(先生に見せていただいたものとは違います。)
By Gunawan Kartapranata [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) 

同じモチーフを違う絵の中で何回も使っています。

ポール・ゴーガン≪異国のエヴァ≫
1890、ポーラ美術館
エヴァがリンゴをもいでいます。ボロブドゥールの≪僧侶たちと会う仏陀≫というレリーフに似ています。(上の写真とは別。ゴーガンは写真所持)

下の絵は耳元にトカゲ、手に花となっています。

ポール・ゴーガン ≪かぐわしき大地≫
1892大原美術館
ポール・ゴーガン ≪ネヴァ・モア≫
1897 ロンドン、コートールドギャラリー


左奥に「鴉」。エドガー・アラン・ポーの「大鴉」という詩が関係しているそうです。
ポール・ゴーガン≪ヴァイマルティ≫
1897、オルセー美術館

鳥の下にトカゲが。。手を大地につけているポーズは何回も描かれているモチーフで
自然と人間の一体感を意味しているそうです。
絵の描き方としては、「右手」が丸太のようになってきています。
後のフォービズムにつながるようです。
≪われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこに行くのか≫
1897

絵は右から左へと読んでいきます。りんごをもいで食べています。
ペルーのミイラの形も見えます。

「月と六ペンス」(モームの小説)の表題の意味も教えていただきました。

今回も充実した時間をありがとうございました。

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