2025年3月7日金曜日

第12回 初期ルネサンス美術の展開 1460年代の動向

松浦弘明先生の西洋美術史講座 今期の最後の講座は<初期ルネサンス美術の展開 1460年代の動向>でした。

フィリッポ・リッピの後半生、特に《幼児キリストへの礼拝》ゆっくりと説明していただきました。今はベルリンにある絵画なのですがもともとはフィレンツェ メディチ宮殿のマギ礼拝堂にあったのですね!! もとの場所にはレプリカが飾られています。

キリスト教関連の絵には教会側からの図像のあり方の規制がある中、コジモ・デ・メディチから「君にしか描けない形を描いてほしい」という要望があり、マザッチョの祭壇画をベースにしながらフランドルのスタイルを取り入れ独自のスタイルで描かれた絵なのだそうです。

<幼児キリストへの礼拝>という図像はスウェーデンの聖ビルギッタ(1303-73)が死の直前に見た幻視から15世紀になってから表現されるようになった新しい形だそうです。1420年頃のロベール・カンパンの例を見せていただきました。

このリッピの絵はメディチ家のプライベート空間に掲げられた礼拝図であり、豪華で、メディチ家のエピソード、思いもあり、読み込むと深い絵だということがわかりました。

フィリッポ・リッピ 幼児キリストへの礼拝
1460頃
ベルリン 国立美術館

★もともとはメディチ宮殿のマギ礼拝堂の祭壇画として。

メディチ宮殿のマギ礼拝堂の祭壇画の様子
Беноцо Гоцоли, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

そしてリッピの人生、結婚などについてのお話も。年の差婚の奥さんルクレティアさんはとても美しいです。

フィリッポ・リッピ
1460-65頃
プラ―ト大聖堂
フィリッポ・リッピ
聖母子と二天使
1465頃
フィレンツェ ウフィツィ美術館


松浦先生 12回にわたり ありがとうございました。
次回は池上英洋先生です。

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