池上英洋先生の西洋美術史講座、今回はトスカーナ金融業の発展とフィレンツェ社会についてでした。
政治経済の面から芸術のパトロンが変化していったことを説明していただきました。
十字軍の後、地中海域での物流の促進がされ貨幣経済となってきて、商人層が台頭します。
都市が発達し、職人組合のギルドが結成されます。
ギルド、フィレンツェの発展、コムーネ、ハンザ同盟、両替商、貨幣などについて画像や地図も見せていただきました。
オルサンミケーレ聖堂(フィレンツェ)はギルド注文の典型例です。ニッチにはギルドが注文した像が飾られています。
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オルサンミケーレ聖堂(フィレンツェ) |
交易が盛んなったことから通貨のやり取りに両替商・・・金融業が出てきたこと
旧約聖書には外国人には利子をつけていいが同胞には利子をつけて貸してはならない、という記述があるそうです。
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高利貸し 1540年頃 マリヌス・ファン・レイメルスヴァーレに基づく模写 スティッベルト美術館 |
ユダヤ人の様子や この聖書の教えをかいくぐって金融業を営む人たちの話。
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『最後の審判』に描かれたエンリコ・デッリ・スクロヴェーニの肖像画 ジョットと工房、および現地工房によるスクロヴェーニ礼拝堂壁画より (パドヴァ)1305年頃 |
スクロヴェーニ礼拝堂 外観 Andrea Piroddi, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, ウィキメディア・コモンズ経由で |
金融業の息子たちをなぞらえてルネサンス期のトスカーナでは「トビアスと天使」という主題の絵画が流行したとのお話もありました。
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トビアスと天使 アンドレア・デル・ヴェロッキオ 1470-80 ロンドン・ナショナルギャラリー |
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