諸川春樹先生の西洋美術史講座、麗しの中世ゴシック絵画、今回で最終回でした。
先生は「作品を見て、いいなあ、と思う気持ち が大切」と話されました。
今回はこれまで見せていただいたゴシック絵画の復習、仕事を求めて画家が求められる土地に行くようになったこと、絵画が贈答品などとして動いたこと、複製について、その時代イタリアでもネーデルランド絵画が求められていたことなどいろいろなことを教えていただきました。
優れた芸術のいいところを取ってまた新しい作品が作られていきます。構図の伝播、油絵の伝播、風景画のはじまり、絵画が世俗化してきたことなど比較して見せていただくとなるほどと驚くことが多かったです。
★中世におけるゲントの祭壇画の様子
ピエール・フランソワ・ド・ノート ゲントのシント・バーヴォにあるファン・エイク兄弟によるゲントの祭壇画 1829 アムステルダム国立美術館 |
★ヤン・ファン・アイク キリスト磔刑と最後の審判
この絵以降に描かれた類似したキリスト磔刑図との比較も見せていただきました。
ヤン・ファン・エイク キリスト磔刑と最後の審判 1430–1440 メトロポリタン美術館 |
★アントネッロ・ダ・メッシーナ
ナポリで修業しています。当時ナポリにはネーデルランドから来た画家など外国の画家が多くいました。彼らから油絵技術を習得したといわれています。
油絵で描かれている聖母。
ベネツィアへメッシーナが行き、油絵技法を伝えます。ヴェネツィアのベッリーニ兄弟は油絵を習得していきます。
油絵の方が描画に自由が利きます。
お兄さん ジェンティーレ・ベッリーニ
顔はテンペラ画的であるけれど 下の宝石の方は油絵の描き方になっています。油絵。
ジェンティーレ・ベッリーニ メフメト2世の肖像 1480 ロンドンナショナルギャラリー |
ジョバンニ・ベッリーニ 総督レオナルド・ロレダンの肖像 1501–02頃 ロンドンナショナルギャラリー |
今回で諸川春樹先生の西洋美術史講座『麗しの中世ゴシック絵画』は12回終了です。
ありがとうございました。これから4月の新しい講座が始まるまでしばらく時間がありますので 復習してもいいですね。
国立西洋美術館には当時描かれた絵が多くあるそうですので、有名な絵とどんな共通点があるのか見つけるのも楽しそうです。
次回は大島徹也先生の現代美術12回です。ぜひお申し込みください。
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