2024年11月29日金曜日

第7回初期ルネサンス美術の始まり

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、第7回は「初期ルネサンス美術の始まり」と題し、主にブルネレスキのお話をしていただきました。

ブルネレスキは先週の1401年のフィレンツェ洗礼堂門扉コンクールのお話でギベルティと競った人として紹介されました。

ブルネレスキは古代彫刻に興味があったようで、門扉コンクールでの浮彫彫刻の左隅の少年像はギリシャ彫刻の「とげを抜く少年」を踏まえています。

その後、ブルネレスキはドナテッロとともにローマに向かったとされています。(ヴァザーリ 美術家列伝)。ローマではパンテオンなど古代建築や彫刻など学んだ模様です。

ブルネレスキ
イサクの犠牲
パルジェッロ美術館
Armin Kleiner, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons


とげを抜く少年
BC3c-1c
カピトリーノ美術館
Capitoline Museums, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

ブルネレスキはフィレンツェの画像でまず目にするフィレンツェ大聖堂のクーポラを作った人として有名です。ローマでしっかり建築を学んだのですね。

フィレンツェ大聖堂は長らくクーポラがないままの建築でしたが、大円蓋の設計者を決める1417年コンクールが開催され、1420-36,ブルネレスキの設計による大円蓋が建造されました。中は二重構造になっているそうです。

Florence, Italy (Unsplash pRU-VnBVJMQ)

そのほか、ブルネレスキの遠近法の透視図法,ブルネレスキ、ドナテッロの彫刻など紹介していただきました。

ドナテッロの聖マルコ像は完成度が高いといわれています。

ドナテッロ
聖マルコ
1411
オルサンミケーレ教会大聖堂付属博物館
Donatello, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

<この講座を美術が大好きなお知り合いの方にどうぞご紹介ください。>

ただいま2025春の講座を企画中です。

松浦先生の講座は単回受講が現在申し込めます。

1月に諸川先生の特別講座があります。

スマートフォンなどの 共有機能で
このページをお知り合いと共有していただくと講座の紹介が簡単です。
下の共有ボタン使ってもシェアできます


★川崎市民でなくても受講できます

2024年11月22日金曜日

第6回 フィレンツェ洗礼堂門扉装飾のためのコンクール

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は「フィレンツェ洗礼堂門扉装飾のためのコンクール」としてお話がありました。

まずどうしてコンクールが行われたのか?と説明がありました。

14世紀初頭ジョットによって絵画の革新があったわけなのですが、その後あまり絵画が変わっていかなかった。停滞していた。そのマンネリ化を打破する試みとしてフィレンツェ洗礼堂門扉装飾の「コンクール」が1401年に行われたとのこと。

ジョットとタッデオ・ガッティの作品の「金門での出会い」や「聖母子像」で比較してみます。タッデオ・ガッディはジョットの下で何十年も働いた人なのだそうです。ジョットの方が動きや感情がみられます。

ジョット
1305頃
金門での出会い
スクロヴェーニ礼拝堂



タッデオ・ガッディ
金門での出会い
1330頃
バロンチェッリ礼拝堂(サンタクローチェ教会内部)
Armin Kleiner, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

チマーブエ
サンタ・トリニタの聖母
1290頃
ウフィツィ美術館
ジヨット
1305-10頃
オンニサンティの聖母
ウフィツィ美術館
タッデオ・ガッティ
1355年
ウフィツィ美術館
サン・ルッカ―ゼ聖堂(ポッジボンシ、トスカーナ州)より

1401年フィレンツェ洗礼堂門扉装飾のコンクールが行われました。ギベルティとブルネレスキで「イサクの犠牲」が競われ、ギベルティが選ばれ、門扉装飾を委託されます。

フィレンツェ サン・ジョヴァンニ洗礼堂
Georges Jansoone, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons
ギベルティ
Armin Kleiner, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
ブルネレスキ
Armin Kleiner, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

コンクールのギベルティの「イサクの犠牲」は相当に力の入った構成の彫刻に思えますが、実際にギベルティが門扉制作を委託されてから作り始めた「受胎告知」はすこし質が落ちているように思えませんか?と松浦先生。

ギベルティ 受胎告知
北門扉
I, Sailko, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

<この講座を美術が大好きなお知り合いの方にどうぞご紹介ください。>

ただいま2025春の講座を企画中です。

松浦先生の講座は単回受講が現在申し込めます。

1月に諸川先生の特別講座があります。

スマートフォンなどの 共有機能で
このページをお知り合いと共有していただくと講座の紹介が簡単です。
下の共有ボタン使ってもシェアできます


★川崎市民でなくても受講できます

2024年11月21日木曜日

単回受講のご案内

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、気になっていた方に朗報です。

今回 単回で受講できることになりました。

マザッチョ
貢の銭
1425-27
ブランカッチ礼拝堂、フィレンツェ

第7回 11/29(金) 初期ルネサンス美術の始まり

第8回  12/13(金) マザッチョの革新

第9回  1/10(金) 初期ルネサンス美術の展開 1430年代の動向

第10回  1/31(金) 初期ルネサンス美術の展開 1440年代の動向

 この4回の講座です。

申込み期間 10/15(火)13:00 から 各受講希望日の7日前まで

受講料 1 回につき2,000 円(税込み、当日現金支払い)

いくつでも申込めます(会場受講形式のみ、先着順受付)


申し込み方法、詳細はこちらから(リンク)

他にも受講できる講座がありますので、どうぞPDFのチラシをダウンロードしてご覧ください。

<この講座を美術が大好きなお知り合いの方にどうぞご紹介ください。>

スマートフォンなどの 共有機能で
このページをお知り合いと共有していただくと講座の紹介が簡単です。
下の共有ボタン使ってもシェアできます


★川崎市民でなくても受講できます

2024年11月8日金曜日

第5回 ジョットの影響

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「ジョット」で絵画に革新が起こった後、ジョットをどう消化していったか、どう反発していったかの説明がありました。ロレンツェッティ兄弟やシモーネ・マルティーニなどを紹介していただきました。

同じ場面二つを並べて比較していくと、どう変わっていったのかがよくわかるそうです。

ピエトロ・ロレンツェッティ
『最後の晩餐』
アッシジのサン・フランチェスコ聖堂下堂
1310年代後半

ジョット
最後の晩餐
1303-05
スクロヴェーニ礼拝堂

ピエトロ・ロレンツェッティ は構図が△になっていてイエスがはっきりとわかる、建築や服装、人々が同時代的、月も出ていて夜とはっきりとわかります。猫ちゃんもいますよ。
マタイ福音書、ヨハネ福音書での最後の晩餐についての記述を読みながら解説していただきました。

ピエトロ・ロレンツェッティ
イエスの逮捕
アッシジのサン・フランチェスコ聖堂下堂
1310年代後半


ジョット
ユダの接吻
スクロヴェーニ礼拝堂
1303-05


ジョットは「松明」を持っていることでで夜だとわかります。ロレンツェッティの方は空も暗く、星も見え、月の位置で時間が経過し明け方だとわかります。そのほか異なっているところを比べていきました。


受胎告知の場面についてもジョット、シモーネ・マルティーニそのほか時代の比較をしました。
シモーネ・マルティーニ(共同制作)
1333
受胎告知
ウフィツィ美術館

アンブロージョ・ロレンツェッティ
受胎告知
1344
シエナ国立美術館

<この講座を美術が大好きなお知り合いの方にどうぞご紹介ください。>

スマートフォンなどの 共有機能で
このページをお知り合いと共有していただくと講座の紹介が簡単です。
下の共有ボタン使ってもシェアできます


★川崎市民でなくても受講できます