西岡文彦先生の西洋美術史講座、今回はルノワール。
ルノワールはじめ印象派は現在とても人気がありますが、ルノワールの若かった時代は印象派は酷評されていました。売れなかった。
イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像も作風が新しすぎて注文主に不評で飾ってもらえなかったとのこと。
ルノワール イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢 1880 ビュールレ・コレクション、チューリッヒ |
細部 |
イレーヌちゃんの家族に求められていたのはこんなタイプの絵。母親の肖像画。
カロリス・ドュラン ダンヴェール夫人像 1874 シャン=シュル=マルヌ城 |
今回はルノワールの青春時代のお話が染み入りました。
13歳から磁器の絵付けをして働いていた労働者階級出身のルノワール。
絵付けの仕事がなくなり、画家を志し、ほかの芸術家たちと仲間になっていったルノワール。恋愛と芸術家の聖地でもあったモンマルトルで過ごした お金はなかったが夢があるボヘミアンとしての青春。
そのころ アンリ・ミュルジェール『ボヘミアン生活の情景』という本が出版されていたそうです。
・壁に アンリ・ミュルジェールの顔の落書き。
ルノワール アントニーおばさんの居酒屋 1866 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons ストックホルム国立博物館 |
当時の恋人 リーズ・トロイ。
ボヘミアン的風貌の彼女をモデルにして絵を描いています。
ルノワール 夏に、習作(ボヘミア女) 1868 旧国立美術館 (ベルリン) |
ルノワール 1872 アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム) 国立西洋美術館 東京 |
リーズがモデルの(あまり印象派的ではない)古典題材のサロン風の絵や
生々しい官能的な絵も紹介してくださいました。
リーズがほかの男性と結婚し 別れた後は一切彼女をモデルにした時のような官能的な絵は描かなかったそうです。。
シャルル・アズナヴールのLa Bohème (リンク)
シャンソンを聞かせていただきました。
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ほかにも講座がありますのでチェックしてみてください。