2024年11月10日日曜日

お知らせ 特別講座「絵画は劇場になった!」

 特別講座のお知らせです。モロカワワールドへようこそ!!

「絵画は劇場になった!」-絵画と演劇との関係をめぐって

講師:多摩美術大学名誉教授 諸川春樹

第1回 2025.1.17(金曜日)10:00~11:30

第2回 2025.1.24(金曜日)10:00~11:30

 小田急線 新百合ヶ丘駅北口 すぐそば 新百合21ビルB2 多目的ホール

 受講料:各回1500円(税込み、資料代込み)

※対面講座のみになります。

講座概要

今回の特別講義は絵画と演劇の相互関係を美術作品から読み解く試みである。

●1月17日(金)・第1回(10~15世紀前半)

古代に盛んに行われた演劇はキリスト教支配下に次第に影を潜めてしまった。しかし10世紀に教会が布 教の一環として演劇的な「交唱」を認めてから聖史劇が発展し、演ずる場も教会内部から町の公共広場へ向 と移された。再び人々の生活の一部となった演劇は、異時同図や感情表現など当時の壁画や祭壇画にも 影響を及ぼした。今回はこの時期の演劇と絵画との相互関係について理解することを目標とする。

●1月24日(金)・第2回(15世紀後半~17世紀)

15 世紀初頭に遠近法が発明されると絵画にも観劇しているようなリアルな感覚が求められた。絵画がい わば劇場のようになる。レオナルドの「最後の晩餐」はその典型だといえよう。同じ頃ウィトルウィウスの『建築論』が再発見されると絵画の「劇場化」と相まって、古代劇場の再生の 機運が高まり、ついに16世紀末、古代以来初の本格的な劇場テアトロ・オリンピコが完成する。この流 れから17世紀以降にオペラが誕生することになるのである。

諸川先生プロフィール

1953年東京都生まれ。
1979年東京大学文学部史学科卒業。 
1988年東京大学大学院人文科学研究科西洋美術史専攻博士課程単位取得満期退学。東大文学部文化交流研究施設助手
1989年多摩美術大学美術学部学科講師。 
1992年同助教授。1996年同教授。2023年同名誉教授。
著書に『ART GALLERY テーマで見る世界の名画 9 神話と物語創造の玉手箱』集英社2018年5月。『バロックの魅力』東信堂2007年3月。『彫刻の解剖学』ありな書房2010年10月 他多数。

・事前申込み制です。申込みをせず当日会場に来られても受講できません。
・1回のお申込みで1名(申込み者)の受講となります。
・各回1500円(税込み、資料代込み) 当日受付でお支払いください。
・ 先着順で受付けています。定員(200名)になり次第、締切ります。

・お申込み後、ご都合が悪くなった場合は「申込み・問合せ先」までキャンセルのご連絡をお願い致します。








この講座のWEB申込み、問い合わせ先

♡❤ この講座は11時半に終了します。お友達をお誘いして講座に参加、
終了後に新百合ヶ丘でランチしながら講座の感想など語り合うのはいかがでしょうか?❤♡

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2024年11月8日金曜日

第5回 ジョットの影響

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「ジョット」で絵画に革新が起こった後、ジョットをどう消化していったか、どう反発していったかの説明がありました。ロレンツェッティ兄弟やシモーネ・マルティーニなどを紹介していただきました。

同じ場面二つを並べて比較していくと、どう変わっていったのかがよくわかるそうです。

ピエトロ・ロレンツェッティ
『最後の晩餐』
アッシジのサン・フランチェスコ聖堂下堂
1310年代後半

ジョット
最後の晩餐
1303-05
スクロヴェーニ礼拝堂

ピエトロ・ロレンツェッティ は構図が△になっていてイエスがはっきりとわかる、建築や服装、人々が同時代的、月も出ていて夜とはっきりとわかります。猫ちゃんもいますよ。
マタイ福音書、ヨハネ福音書での最後の晩餐についての記述を読みながら解説していただきました。

ピエトロ・ロレンツェッティ
イエスの逮捕
アッシジのサン・フランチェスコ聖堂下堂
1310年代後半


ジョット
ユダの接吻
スクロヴェーニ礼拝堂
1303-05


ジョットは「松明」を持っていることでで夜だとわかります。ロレンツェッティの方は空も暗く、星も見え、月の位置で時間が経過し明け方だとわかります。そのほか異なっているところを比べていきました。


受胎告知の場面についてもジョット、シモーネ・マルティーニそのほか時代の比較をしました。
シモーネ・マルティーニ(共同制作)
1333
受胎告知
ウフィツィ美術館

アンブロージョ・ロレンツェッティ
受胎告知
1344
シエナ国立美術館

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2024年10月25日金曜日

第4回スクロヴェーニ礼拝堂装飾の魅力

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「西洋美術史入門-プロト・ルネサンスと初期ルネサンス」、今回はスクロヴェーニ礼拝堂装飾の魅力についてお話ししていただきました。

イリュージョンは芸術の基本、スクロヴェーニ礼拝堂では礼拝堂の空間全体をカンバスのように見立てていて、場面間に連続性があります。「どこに立って」「どう見ていたか」という説明がありました。

どのように回ってどこで立ちどまりキリストのお話を聞くか、悪徳と美徳を体感するか、想像していきます。

スクロヴェーニ礼拝堂のジョットの絵画は一枚づつ見るのではなく、その空間で感じることが大切なようです。

イタリアは遠いですが、徳島県に「大塚国際美術館」があり、そこで同じ空間が体験できるので行ってみるといいとお勧めされました。


Cappella degli Scrovegni - scheme (EN) by shakko
スクロヴェーニ礼拝堂の内部絵画の配置図
(松浦先生配布のものではありません。)
ウィキメディアから

二つの場面を一セットとしてみるものもあります。
Cappella degli Scrovegni Padova 16
ゴルゴタへ向かうキリストとキリストの磔刑
FrDr, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で
Right wall (2) - Capella degli Scrovegni - PAdua 2016
キリストの埋葬とキリストの復活
© José Luiz Bernardes Ribeiro
<キリストの昇天>と<聖霊降臨>
© José Luiz Bernardes Ribeiro

Cappella degli Scrovegni (Padua) - Interior 02
<キリストが昇天>してその方向をたどると天井にパントクラトールのキリストが。
そこからまた視線を落とすと<聖霊降臨>の場面になります。
Derbrauni, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で

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