2025年12月26日金曜日

第7回 ボッティチェッリの「神話シリーズ」(1)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座 今回はボッティチェッリの「神話シリーズ」(1)でした。

ボッティチェッリの描いた神話画には 《春》 《ミネルヴァとケンタウロス》 《ヴィーナスの誕生》 《ヴィーナスとマルス》などがありますが、今回は《春》について主にお話ししてもらいました。

ボッティチェリ
『春』
1470年代後半または1480年代初頭
ウフィツィ美術館

先生はいつも比較するべき2つの作品を比べたり、その絵はどうして、何のために発注され、描かれたのか、 ということを問題にされます。

今回は まず、レオナルドの《岩窟の聖母》と比べました。
(レオナルドとはともにヴェロッキオ工房で働き、同じ時期に画家組合に登録したのだそうです。)
レオナルド・ダ・ヴィンチ
岩窟の聖母
1483-86
ルーブル美術館



また、同時期にボッティチェッリによって結婚記念画として描かれたレンミ家の壁画も紹介していただきました。ロレンツォ・トルナブオーニと二コロ・フィオレンツィーノへの結婚記念画です。二コロ・フィオレンツィーノの記念メダルの裏には三美神。
結婚に伴う愛を三美神であらわしているのではないか。
ロレンツォに対しては三学四科の自由学芸を描いている。

ボッティチェッリの《春》は多くの研究者が多くの解釈をしていますが、松浦先生は今回これらの絵と比較して 結婚記念画的なお話をしてくださいました。



https://www.wga.hu/art/s/spinello/spinelln/albizzi.jpg
ジョヴァンナ・デリ・アルビッツィ(1468-88)のメダル 表と裏
二コロ・フィオレンツィーノ
1486頃




レンミ家の壁画(下の絵画と対)
三美神
1486頃
ボッティチェッリ
パリ ルーブル美術館


レンミ家の壁画
七人の自由学芸に紹介されている青年
1486頃
ボッティチェッリ
パリ ルーブル美術館


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2025年12月20日土曜日

緊急お知らせ 1月30日講座 時間変更

 美術Ⅱ講座(テーマ「西洋美術史入門-盛期ルネサンス」)につきまして、講師の都合により、第9回1/30(金)のみ、講義時間を午前9時30分~11時00分に変更とさせていただきます。

受講生の皆さまにはご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございません。

2025年12月12日金曜日

第6回 レオナルドの《最後の晩餐》(2)

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、有名なレオナルドの《最後の晩餐》の2回目でした。もっともっと語りたいことがあるとのことでしたが、まとめてくださいました。

レオナルドも絵を描くにあたって過去のほかの画家たちの最後の晩餐を参考にしていたと思われますが レオナルドの《最後の晩餐》は構図、そのほか画期的に違う部分がたくさんあります。

絶対に参考にしていたと思われるギルランダイオの最後の晩餐を特に取り上げ、

どんな意図で、どこをレオナルドは変更して描いたのか?どんな点でそれが効果的だったのか、ということを 具体的に詳しく見ていきました。

The Last Supper, created in the late 15th century by Leonardo Da Vinci.
レオナルド・ダ・ヴィンチ
最後の晩餐
1494-98
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院 ミラノ



ギルランダイオ
最後の晩餐
1480頃
サン・マルコ修道院の食堂にあった

試行錯誤の様子は 残されたデッサンなどでもよくわかるそうです。

レオナルド
最後の晩餐のための習作
1494年頃
ウインザー 王立図書館

A study for The Last Supper from Leonardo's notebooks shows twelve apostles, nine of which are identified by names written above their heads. Judas sits on the opposite side of the table, as in earlier depictions of the scene.
レオナルドの弟子(?)
《最後の晩餐》のための習作
ヴェネツィア
アカデミア美術館





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