特別講座のお知らせです。モロカワワールドへようこそ!!
「絵画は劇場になった!」-絵画と演劇との関係をめぐって
講師:多摩美術大学名誉教授 諸川春樹
第1回 2025.1.17(金曜日)10:00~11:30
第2回 2025.1.24(金曜日)10:00~11:30
小田急線 新百合ヶ丘駅北口 すぐそば 新百合21ビルB2 多目的ホール
受講料:各回1500円(税込み、資料代込み)
※対面講座のみになります。
講座概要
今回の特別講義は絵画と演劇の相互関係を美術作品から読み解く試みである。
●1月17日(金)・第1回(10~15世紀前半)
古代に盛んに行われた演劇はキリスト教支配下に次第に影を潜めてしまった。しかし10世紀に教会が布 教の一環として演劇的な「交唱」を認めてから聖史劇が発展し、演ずる場も教会内部から町の公共広場へ向 と移された。再び人々の生活の一部となった演劇は、異時同図や感情表現など当時の壁画や祭壇画にも 影響を及ぼした。今回はこの時期の演劇と絵画との相互関係について理解することを目標とする。
●1月24日(金)・第2回(15世紀後半~17世紀)
15 世紀初頭に遠近法が発明されると絵画にも観劇しているようなリアルな感覚が求められた。絵画がい わば劇場のようになる。レオナルドの「最後の晩餐」はその典型だといえよう。同じ頃ウィトルウィウスの『建築論』が再発見されると絵画の「劇場化」と相まって、古代劇場の再生の 機運が高まり、ついに16世紀末、古代以来初の本格的な劇場テアトロ・オリンピコが完成する。この流 れから17世紀以降にオペラが誕生することになるのである。
諸川先生プロフィール
1953年東京都生まれ。1979年東京大学文学部史学科卒業。
1988年東京大学大学院人文科学研究科西洋美術史専攻博士課程単位取得満期退学。東大文学部文化交流研究施設助手
1989年多摩美術大学美術学部学科講師。
1992年同助教授。1996年同教授。2023年同名誉教授。
著書に『ART GALLERY テーマで見る世界の名画 9 神話と物語創造の玉手箱』集英社2018年5月。『バロックの魅力』東信堂2007年3月。『彫刻の解剖学』ありな書房2010年10月 他多数。
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