2024年10月25日金曜日

第4回スクロヴェーニ礼拝堂装飾の魅力

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「西洋美術史入門-プロト・ルネサンスと初期ルネサンス」、今回はスクロヴェーニ礼拝堂装飾の魅力についてお話ししていただきました。

イリュージョンは芸術の基本、スクロヴェーニ礼拝堂では礼拝堂の空間全体をカンバスのように見立てていて、場面間に連続性があります。「どこに立って」「どう見ていたか」という説明がありました。

どのように回ってどこで立ちどまりキリストのお話を聞くか、悪徳と美徳を体感するか、想像していきます。

スクロヴェーニ礼拝堂のジョットの絵画は一枚づつ見るのではなく、その空間で感じることが大切なようです。

イタリアは遠いですが、徳島県に「大塚国際美術館」があり、そこで同じ空間が体験できるので行ってみるといいとお勧めされました。


Cappella degli Scrovegni - scheme (EN) by shakko
スクロヴェーニ礼拝堂の内部絵画の配置図
(松浦先生配布のものではありません。)
ウィキメディアから

二つの場面を一セットとしてみるものもあります。
Cappella degli Scrovegni Padova 16
ゴルゴタへ向かうキリストとキリストの磔刑
FrDr, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で
Right wall (2) - Capella degli Scrovegni - PAdua 2016
キリストの埋葬とキリストの復活
© José Luiz Bernardes Ribeiro
<キリストの昇天>と<聖霊降臨>
© José Luiz Bernardes Ribeiro

Cappella degli Scrovegni (Padua) - Interior 02
<キリストが昇天>してその方向をたどると天井にパントクラトールのキリストが。
そこからまた視線を落とすと<聖霊降臨>の場面になります。
Derbrauni, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で

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2024年10月11日金曜日

第3回 ジョットの革新

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、今回は「ジョットの革新」でした。


前回に引き続き聖母子像の変遷を見ていきました。

私たちは「その時代の目」となって絵を見ることが肝要だそうです。

ジョットの<オニサンティの聖母>はその時代 革新的だったそうです。

どこが革新的だったのか?

空間表現は当時最先端のゴシック建築となっています。天使の位置、玉座、なども細かく見ていきました。

ジヨット
1305-10頃
オンニサンティの聖母
ウフィツィ美術館


昨年の松浦先生の講座で説明がありましたが、彫像について、ロマネスク時代(彫像が柱と一体化している)→浮彫力が進み柱から彫像がだんだん自立してくる といった時代の変化と同じことが絵画でも起こっていたと考えられるそうです。
ジョット
最後の晩餐
1303-05
スクロヴェーニ礼拝堂
参考 2024 2月松浦先生講座 盛期中世美術(2)聖堂装飾(←リンク)

最後の晩餐を例に ジョットとそれ以前の作品との比較で革新性を見ていきました。

The Last Supper (San Marco)
ヴェネツィア サンマルコ寺院
1170頃
作者不詳 (モザイク)

次回もスクロヴェーニ礼拝堂の壁画について詳しく説明していただけます。

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2024年10月4日金曜日

第2回 ルネサンスへの胎動

 松浦弘明先生の西洋美術史講座、「西洋美術史入門-プロト・ルネサンスと初期ルネサンス-」今回は<ルネサンスへの胎動>と題してお話がありました。

 ルネサンスはなぜフィレンツェ周辺で生まれたか、フィレンツェにおける聖母子像の変化、聖フランチェスコの物語とその表現など見ながら、中世からジョットまでを主に見ていきました。

聖母子像の見るときのポイントとして

   ★人物表現

      マリアとイエスのポーズ

      マリアとイエスの位置関係

      彫像性(頭部・手足・衣服)、目の大きさ

   ★空間表現

      玉座の形態

      天使の大きさや位置

を注目するといいとのことだそうですが、6世紀ごろから13世紀初めまであまり形が変わらなかった聖母子像が13世紀半ばから14世紀初めのジョットまでのうちにずいぶん変わっていったことがわかりました。


玉座の聖母子 
560年頃 
ラヴェンナ サンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂


カザーレの聖母
作者不詳 1230頃
ウフィツィ美術館

コッポ・ディ・マルコヴァルド
聖母子
1265頃
St. Martino dei Servi, Orvieto.


チマーブエ
サンタ・トリニタの聖母
1290頃
ウフィツィ美術館
ジヨット
1305-10頃
オンニサンティの聖母
ウフィツィ美術館


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