2019年1月25日金曜日

第12回 古代の遺産-古代ローマ美術の受容について


今回は 諸川春樹先生によるまとめの講座でした。

4世紀末のローマには膨大な数の古代の彫刻があったそうなのですが、ゲルマン民族の侵入やテオドシウス帝による異教徒の排除などを理由として、10世紀までにはほとんど失われてしまったのだそうです。
大理石は建築資材に。金属は溶かして再利用。

交易で栄えていたピサへは
ローマで荷を降ろした船の帰りの「重し」として、多数の古代の石棺が持ち込まれました。
ピサにたくさんあった石棺彫刻を参考とした彫刻作品が13世紀後半、登場し始めたということです。
二コラ・ピサーノの作品はルネッサンス彫刻の嚆矢。
ピサでは斜塔を見るばかりではいけませんね。

ピサ洗礼堂説教壇 二コラ・ピサーノ
1259頃


ルドヴィシの石棺 260
国立ローマ博物館
画像はCaiuscorentin [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], from Wikimedia Commons
古代彫刻、古代レリーフがルネッサンス以降の作品でどのように登場しているかみていくと面白いそうです。諸川先生は「ルーベンス展」をこの点に注意してとても楽しまれたそうです。

ロレンツィオ・ロット
「アンドレア・オドーニ」 1527
ロンドン、ハンプトン・コート王室コレクション


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