2016年11月4日金曜日

第6回 15世紀半ばの壁画ーパオロ・ウッチェロ



今日はパオロ・ウッチェロ(1397~1475)についてでした。
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ウッチェロは「いとも甘美なる遠近法」と叫んだ、と伝えられるように、遠近法の研究に没頭した人といわれています。


フィレンツェの サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の「緑の回廊」に「旧約聖書の物語」の壁画が描かれています。
ウッチェロはその中の2面+αを描いたらしいです。

ウッチェロの壁画「ノアの物語;大洪水」

(画面左:洪水前方舟、中央:洪水中、右:洪水後方舟)は
極端な遠近法が採用されていることで有名です。




市松模様の帽子を首にかけた若者は棍棒を持って方舟を割ろうとしています。
はしご(円形帽子の市松模様もはしごも遠近法表現のため)。

遠近法に加え、洪水のパニック状態の時に水泳する若者たち・口から水を吹き出す・・人物の行動も細かく見ていくと面白いです。






右側にはエウゲニウス4世 (ローマ教皇)が大きく描かれ、「フィレンツェで行われた1439年の東西宗教会議」との関連がしばしば指摘されるそうです。




3D効果の出る遠近法も研究していたそうです。