2017年11月17日金曜日

第5回 キリストの物語4(磔刑から昇天まで)

しばらくぶりの講座です。

受講生からの質問のお答えと復習から始まりました。

ラファエロ モンドの磔刑図 
1503 ロンドンナショナルギャラリー
この絵は何の絵でしょうか?ということを復習するのですが、他の説明もありました。
INRI とは何? イエス・ナザレの人・王・ユダヤ人の
天使が壺を持っているのは? 血を集める
太陽と月は? 新約と旧約で照らす様子。
描かれている登場人物は?

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今回は昇天まで。キリストの物語は今回で終わりです。

同じ時代、同じ主題の場合、どちらがいいと思うか、などから比べてみるとよいそうです。

ほぼ同じ時代のルーベンスとレンブラントの「十字架降下」。どちらが好きかとの問いかけがありました。
ルーベンスの絵は「フランダースの犬」のネロ少年が見たかった絵。
ルーベンスはカトリック、レンブラントはプロテスタントの国の人、宗教の内容が違うそうです。
レンブラントのキリストはリアリズム、苦しんでいます。描かれている登場人物の説明もありました。

ルーベンス 「十字架降下」1614
アントウェルヘン大聖堂
レンブラント「十字架降下」1633
ミュンヘン、アルテ・ピナゴーク


キリスト哀悼

ボローニャに留学されていた諸川先生の思い出深いテラコッタの彫刻。当初は着色されていたそうです。

ニッコロ・デッラルカ 「キリスト哀悼」
1488-90 ボローニャ国立絵画館
By Palickap (Own work) [CC BY-SA 4.0via Wikimedia Commons

キリストの復活。

堂々としたキリストの姿、警備する兵士たちが眠っていたり、キリストからの光の輝きに目が痛くなり押さえている様子がわかりますが、後ろの風景画にも注目です。
左の「木」は枯れていて冬・・1月ごろ・・を意味し、右の「木」は繁っていて夏を意味する。。
とすれば、真ん中のキリストは何月?
冬と夏の間の3月の復活祭の頃。。「キリストの復活」にぴったりの季節の位置にあるということです。なぞなぞのようです。


ピエロ・デッラ・フランチェスカ 「キリスト復活」
1463-65頃 サンセポルクロ美術館
今回も多くの画像を見せていただきました。

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今、上野の森美術館で開催されている「怖い絵」展、入場待ちが長いということが受講生で話題に。
先生によりますと聖書に関する怖い絵はとても多いとのことでした。



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